沖縄県那覇市で媽祖様を祀る首里天后宮で拜拜
媽祖様は道教の神様です。台湾に行くとどこでも見かける道教の廟ですが、祀ってある神様は色々。
中でも媽祖様を祀っている廟は最も多く、台湾で870ヶ所あると言われています。
そんな媽祖様ですが、実は日本国内各地にも祀られており、沖縄にもあります。その一つがここ首里天后宮です。
首里天后宮の基礎知識
まずは媽祖って誰?どんな神様?というところからお話しします。
道教そのものについては下記を参考にしてください。
→ 台湾の廟とは?道教、仏教、儒教そして民間信仰について解説します
道教の神様媽祖のルーツ
仏教や神道は日本人ならみんな知っていると思いますし、馴染みもあると思いますが、道教というのは良くわからない人も多いと思います。
道教は多神教です。たくさんの神様が居て、それぞれご利益が違います。
台湾では媽祖や王爺、関聖帝君などが知られていますが、中でも媽祖は最も信仰されています。
媽祖は中国福建省で960年に生まれた林默娘という実在の人物と言われています。
彼女は13歳の時に道士と出会い、法術を伝授され巫女になり、15歳で全ての経典を読み尽くし、16歳で神通力を得たとされています。
道士とは、道教における宗教者。道教を信じ、道教の教義を広める活動をする人。
28歳の時に父親が海難に遭い、父親を助けるために海に身を投じ、帰らぬ人となりました。
その後、遭難した漁師たちが奇跡的に救助されることが度々起こるようになり、やがて林默娘は神格化。
航海や漁業の海の神様として定着していきます。
17世紀に入ると福建省から台湾に渡る人々が増加し、媽祖信仰も伝わってきました。
台湾は周囲を海で囲まれた島国です。貿易のため航海は必須でしたが、当時の航海は死と隣り合わせ。
海の神様媽祖が広く信仰されたのは台湾が島国であったことが大きく影響したと思われます。航海の無事を祈ったのです。
台湾で確固たる信仰となった媽祖信仰はやがて海の神様としてだけでなく、家内安全、商売繁盛のほか健康、受験、出世、子宝など万能の神様へとなっていき、台湾全土(特に中北部)へと広がり現在に至ります。
そんな媽祖様は実は日本各地でも信仰されており、沖縄にも何ヶ所かで祀られています。その一つが首里天后宮です。
台湾の有名な媽祖廟
台湾の有名な媽祖廟をいくつかご紹介します。
近くまで行くことがあったらぜひ行ってみてください。ちなみに私の場合はこういう寺廟を目的に行ってみることが多いです。
媽祖廟に限らず台湾の有名な寺廟の周辺は老街や夜市、商店街があったりして、台湾らしさを強く味わえることが多いです。観光にも最適です。
台湾の有名媽祖廟
- 台北天后宮(台北市) 弘法大師も祀る唯一の媽祖廟
- 關渡宮(台北市) 台湾北部最古の媽祖廟
- 北港朝天宮(雲林県) 台湾媽祖廟の総本山
- 大甲鎮瀾宮(台中市) 新港奉天宮まで9日間歩く媽祖遶境進香というお祭りが有名
- 鹿港天后宮(彰化県) 福建省の媽祖祖廟(中国媽祖廟の総本山)から伝わった開基媽祖像を祀る
- 新港奉天宮(嘉義県) 大甲鎮瀾宮の媽祖遶境進香の目的地
- 大天后宮(台南市) 台湾最古の媽祖廟
首里天后宮へのアクセス
ゆいレール那覇空港駅から首里駅までは28分。首里駅から徒歩5分です。駐車場はありません。
ローソン首里久場川団地前店の隣、タウンプラザかねひで首里久場川市場の向かいにある建物の4階です。階段を上って行きます。
首里城の見学の後にでも寄ってみてください。
なお、屋外に社があるわけでなく、建物内部になりますので、代表者不在の場合は中に入れませんし、24時間営業ではありません。
外出中で不在の場合は、上記のような案内が入口にあります。
観光などで行ける機会がワンチャンしかない場合は、事前に下記公式ページからメールやLINE、Instagramで問い合わせをしてください。
住所:沖縄県那覇市首里久場川町2丁目90-2 4F
web:首里天后宮
また、首里天后宮代表の當原さんは同じ場所で萬華という台湾中国語(台湾華語)教室も主催しています。
那覇市首里天后宮へ
実は私は一度訪ねた時、不在になっており、問い合わせをして日を改めて行きました。
首里駅からは首里城と反対側の出口から階段を降りて、線路沿いに歩くとローソンがあります。ローソンが目印です。
ローソンの前まで来ると上記の写真の建物が目に入ります。4階に看板が見えます。
この案内のところから階段を上って4階です。
開いている玄関から入ると目の前に祭壇があります。靴は脱がなくて大丈夫です。
部屋には代表の當原さんがいると思うので、一言声を掛けて参拝してください。
天上聖母とは媽祖の別名です。道教のシンボルでもある陰陽太極図(太陰太極図)の下に媽祖像が安置されています。
賽銭箱は台湾元の硬貨を持ってきた方が良いかなとも思いましたが、結局日本円で投入しました。
こちらの恩澤四海と書かれた扁額は「媽祖さまのお恵みが世界中に届きますように」という意味だそうで、台湾の媽祖信徒有志の方からご奉納されたそうです。
ポエ
手前にある2つの赤いものはポエという台湾の占いやおみくじで使う道具です。
おみくじを引く場合は下記のようにします(初穂料100円)。
ポエおみくじの簡単な流れ
- 神様にお伝えする(氏名、住所、生年月日、神様に尋ねたい内容)
- みくじ棒を引く(棒に番号がある)
- 神様にお伺いする(この番号で良いか神様に聞く)
- ポエを振る
詳細は下記をご覧ください。わからない場合は當原さんに聞けば教えてくれます。
ポエを軽く床に落として、平面と凸面が同時に出たらこの番号でOKということになります。
凸面と凸面、平面と平面の組み合わせだった場合は、みくじ棒を引くところからやり直しです。
ポエNGパターン①凸面+凸面 | ポエNGパターン②平面+平面 |
私はみくじ棒は引かず、神様にお伺いをしてからポエを落として一発でOKだったので、ちょっと嬉しかったです。
みくじ棒を引かない場合は、神様にお願いを念じつつ、そのお願いを叶えるために自分はこういう努力をするということも念じると良いとか。
籤詩(せんし)は日本で言うおみくじのことです。みくじ棒を引いた時に出た番号の紙を取ります。
首里天后宮代表の當原さんは、非常に気さくな方で、媽祖様はもちろんですが、基本的に台湾のことが大好きな方です。
尋ねたいことがあれば聞いてみましょう。
上の写真のように写経や祈祷も行っていますし、お守りの授与も行っています。
社こそなく、屋内ではありますが、普通の神社仏閣と同じように活動されています。
首里天后宮まとめ
台湾に行かなくても道教の媽祖廟にお参りできる首里天后宮。
沖縄在住の人はもちろん、観光で沖縄まで来たら気軽に一度寄ってみてください。そして、ぜひポエも試してみてください。
日本ではあまり知名度のない道教のことや媽祖のことを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。
願い事も叶うかもしれませんよ!
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