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麻豆代天府は天国と地獄を味わえる道教の廟であり台南の穴場観光スポット

2024年4月15日

麻豆代天府にはお化け屋敷的宗教施設がある台湾の珍寺

麻豆代天府入口

麻豆代天府入口

台南市麻豆区にある麻豆代天府。

天国と地獄を味わうことができる施設があることで、観光客にも人気が高いですが、多くの信者を抱え、巨大な宿坊もある台湾全土でも有数の大きさを誇る道教の廟です。

台南市は中心部に多くの観光スポットがあるので、その辺だけでも十分楽しめますが、少し足を伸ばすともっと面白いところがあるのです。

今回、私は麻豆代天府の天国と地獄を体験してきましたので、ご紹介します。

麻豆代天府の基礎知識

麻豆代天府大殿

麻豆代天府大殿

まずは麻豆代天府の歴史や祭神などの基礎知識です。

麻豆代天府の歴史

1662年創建台南市では王爺信仰の総本山である南鯤鯓代天府に次ぐ敷地面積のある道教の廟であり、同じく王爺を主祭神として祀ります。

参考

道教の廟についてはこちらを参照してください。

→ 台湾の廟とは?道教、仏教、儒教そして民間信仰について解説します

当時の台湾は閩南地区(大陸の福建省南部地域)からの人口の流入が多く、その地域の文化の影響を今に残していますが、福建省の富美宮と言う道教の廟から王船と呼ばれる船がやってきました。

王船

閩南地区での王船は、船の模型を作り海辺で火葬し神を天に送るパターンと、本物の船を造船し王爺と呼ばれる神様を乗せ、周辺地域へ布教活動をするパターンがあり、今回は後者。

麻豆区には曽文渓と言う河川がありますが、ここにあった麻豆港に寄港したのです。

この王船には三府千歳(李、池、呉)と呼ばれる神様が乗っていました。そこで住民はこれらの神様を迎えて土壁の祠を建てたのが始まりです。

実は台湾に古くからある王爺廟の中にはこのパターンと同じ起源の廟が多くあり、前述の南鯤鯓代天府も同じく王船が立ち寄ったことを起源としています。当時は一般的だったのです。

1662年には煉瓦造りの廟を建立し保寧宮と呼ばれていました。

しかしその後、付近には災害や疫病が発生したこともあり、1857年には現在地に移転し、保安宮と改称。

1956年〜1966年には再建され、現在の廟の姿になり、麻豆代天府となりました

麻豆代天府の神様

麻豆代天府

麻豆代天府

大殿に王爺信仰の五府千歳(李府、池府、呉府、朱府、范府。それぞれ中国大陸の偉人を神格化)。

王爺のご利益は疫病の退散、魔除け、商売繁盛。

後殿は観世音菩薩、城隍爺、福正神、註生娘娘、巨大な観音殿にはもちろん観世音菩薩、これら以外にも斗母、六十太歳星君、東嶽大帝などを祀ります。

基本的に道教の廟ですが、仏教の観世音菩薩も祀るあたりは台湾らしさを感じます。

麻豆代天府の読み方と意味

麻豆代天府開門時間の様子

麻豆代天府開門時間の様子

読み方は日本語では「まとうだいてんふ」または「まどうだいてんふ」。

中国語では「マドウダイティエンフ(Má dòu dài tiān fǔ)」と読みます。日本語読みに近いですね。

麻豆は麻や豆が栽培されていた歴史があるわけではなく、原住民(平埔族)の言葉で、この地域の中心地を意味するMatta-auを語源とした当て字と言われています。

代天府とは王爺廟の意味があります。ちなみに媽祖廟は天后宮といった名称を付けます。廟の名前だけで何を祀っているかわかります。

麻豆代天府へのアクセス

台湾鉄道台南駅からのアクセス方法はいくつかあります。

ちなみに私は行きは台鉄台南駅から電車で隆田駅に行き、バスがなかなか来なかったのでタクシーで向かいました。

帰りは麻豆代天府参拝後に歩いて麻豆市内を散策していたので、麻豆分局バス停から11-1番バスで台南駅に向かいました(11番バスより停車バス停が少なくて早いです)。

住所 台南市麻豆區關帝廟60號

営業時間 8:00-21:00

麻豆代天府

私は朝7:45くらいには入口に到着していました。8時ちょうどに中から数人の太鼓を鳴らした人たちが出てきて、外に向かって歩き出しました。

その後、内部に入って1時間くらいいましたが、信者らしき人が数人来たくらいでほとんど誰も来ませんでした。

朝イチで行くと空いているので自由に動けて快適です。

どこまで細かくゆっくり見るかにもよりますが、見学時間は1〜2時間程度は計算しておきましょう。

時間帯によっては観光バスがどんどん来て境内が人でいっぱいになることもあるようです。

鉄道+バスでのアクセス
台湾鉄道隆田駅

台湾鉄道隆田駅

一般的なのは台湾鉄道で隆田駅まで行き、橘10番バスに乗車。南勢里バス停で下車、徒歩5分。

隆田駅からのバスは本数が少ないので、タイミング悪ければタクシー。タクシーでは15分くらい、220元でした。

ちなみに隆田駅からも麻豆代天府や麻豆の市街地からもUberは呼べませんでした。このあたりで活動しているUberドライバーはほぼいないのだと思われます。

中距離バスでのアクセス

バスの場合は、台南公園横にある台南バスターミナルから1625バスで、麻豆バスターミナル下車。

麻豆バスターミナルからは橘10番バスで南勢里バス停で降りて、徒歩5分。

麻豆バスターミナルから麻豆代天府まで歩くと40分かかりますが、途中の市街地を散策しながら行きたい人には散歩がてらの良いコースかもしれません。

市内バスでのアクセス

台南駅前にある南站バス停からだと橘11番バスに乗り、關帝廟下車。徒歩5分。

または同じく南站バス停から橘11-1番バスで、麻豆分局バス停下車、徒歩20分。

麻豆代天府の十八地獄と天堂

麻豆代天府十八地獄

麻豆代天府十八地獄

麻豆代天府の代名詞とも言うべき地獄と天国を味わうことができる施設です。

地獄の方は雰囲気的にはお化け屋敷。入場料は40元でした。階段を降りて暗い道を進んでいきます。

麻豆代天府の十八地獄

麻豆代天府十八除獄内部

麻豆代天府十八地獄内部

私は足元に気をつけながら恐る恐る進んでいきました。

ちなみに私は麻豆代天府に開門と同時の朝8時に入ったこともあり、周りには誰もいませでした。一人ぼっちです。

(以下、サムネイル画像はクリックで拡大します)

第一層地獄-裁きを受ける 第二層地獄-ギロチン刑
麻豆代天府第二地獄

麻豆代天府第二地獄

第三次獄-石の車輪で粉砕される 第四地獄-婦女暴行は火炙り刑
麻豆代天府第三地獄 麻豆代天府第四地獄
第五地獄-目をくり抜かれる 第六地獄-油釜で茹でられます
麻豆代天府第五地獄 麻豆代天府第六地獄
第七地獄-石で心臓をくり抜かれます 第八地獄-生贄になり犬や蛇に食べられます
麻豆代天府第七地獄 麻豆代天府第八地獄
第九地獄-天秤にかけられ腹を割かれます 第十地獄-悪魔に切り裂かれます
麻豆代天府第九地獄 麻豆代天府第十地獄
第十一地獄-石で轢かれ粉砕されます 第十二地獄-手足を切断されます
麻豆代天府第十一地獄 麻豆代天府第十二地獄
第十三地獄-石で押しつぶされます 第十四地獄-皮を剥がされます
麻豆代天府第十三地獄 麻豆代天府第十四地獄
第十五地獄-腹を裂かれ腸を取り出されます 第十六地獄-腹切りの刑
麻豆代天府第十五地獄 麻豆代天府第十六地獄
第十七地獄-舌を抜かれ頬に穴を開けられます 第十八地獄-そして輪廻転生へ
麻豆代天府第十七地獄 麻豆代天府第十八地獄

歩きながら次々と地獄の光景の前を通り過ぎますが、誰もいないとほぼ真っ暗闇です。

赤外線センサーでもあるのでしょう、人が近づくと薄ぼんやりとした灯りが点いて、電動で人形が動き出します。

こういう悪事を働くとこんな罰を受けるぞ!という情景が表現されており、八つ裂きにされたり、火炙りの刑にあったり、腹を割かれたりしています。

麻豆代天府の天堂

麻豆代天府天堂

麻豆代天府天堂入口

地獄が終わると地上に出て、次は天堂(天国・極楽)が待っています。

ここも入場料は40元。天国には行かずにそのまま外に出ることもできます。また、地獄には行かずに天国だけ見学することもできます。

地獄と天国を両方味わうには合計80元用意しておきましょう。

ここは階段を上がっていくような形でできています。

地獄が18あるのに対して天国は半分の9しかありません。

麻豆代天府 天国への階段

麻豆代天府 天国への階段

まさに天国への階段を進んでいきます。

南大門を通り過ぎると天国が始まります。

第一景-聖朝仙神 第二景-惡善核查
麻豆代天府「聖朝仙神」 麻豆代天府「惡善核查」
第三景-宴夜宵春 第四景-名品冬寒
麻豆代天府「宴夜宵春」 麻豆代天府「名品冬寒」
第五景-園遊女仙 第六景-舞獻姝仙
麻豆代天府「園遊女仙」 麻豆代天府「舞獻姝仙」
第七景-琴操下林 第八景-棋奕郊秋
麻豆代天府「琴操下林」 麻豆代天府「棋奕郊秋」
第九景-女織郎牛 更に階段を上がります
麻豆代天府「女織郎牛」 麻豆代天府

天国ゾーンも地獄ゾーンと同じように赤外線センサーが設置されていて、人が近づくと自動で人形が動き出します。

しかしこちらは明るい雰囲気なので、怖いことは全くありません。

悪事を働いて地獄に落ちるのは誰でも嫌でしょう。のんびりしていて楽しい天国に行きたいものです。

麻豆代天府天堂出口からの眺め

麻豆代天府天堂出口からの眺め

天国への階段を登り切ると出口があります。龍の口が出口になっています。

なかなか良い眺めです。

麻豆代天府の龍

麻豆代天府の龍

こんな巨大な龍がいます。遊園地的な雰囲気です。

麻豆代天府大殿の内部

麻豆代天府大殿天井

麻豆代天府大殿天井

王爺が祀られている大殿の天井。なんだか目がクラクラします。

麻豆代天府大殿

麻豆代天府五府千歳の電光扁額

初めて台湾に来た人はこのような宗教施設に電光掲示板(扁額)があることに驚くと思います。

日本のお寺や神社ではまず見かけませんからね。でも台湾では普通です。

麻豆代天府大殿

麻豆代天府本殿

五府千歳と呼ばれる5人の神様。こちらが主祭神となっている王爺です。

麻豆代天府大殿内部

麻豆代天府大殿内部

立派な錫杖なんでしょうか。道教に関する知識不足でわからないのですが、単なる槍なんでしょうか。

麻豆代天府の境内

麻豆代天府全景

麻豆代天府全景

麻豆代天府の龍の口から廟の全体を眺めるとこんな感じになっています。

香客大樓(宿坊)

麻豆代天府香客大樓

麻豆代天府香客大樓

収容人数2,000人という香客大樓と呼ばれる巨大な宿坊があります。

宿坊とは宗教施設内にある宿泊施設で、信者や檀家だけでなく、多くは一般にも解放しており、誰でも宿泊可能。

日本の神社仏閣にも宿坊はたくさんありますし、私も何度も宿泊を体験したことがありますが、これだけの規模を誇る宿坊は見たことも聞いたこともありません。

麻豆代天府の宿坊も誰でも宿泊可能なようですが、一般的な宿泊予約サイトなどでは予約はできず、どうやら直接電話かメールで問い合わせるしかないようです(一度泊まってみたい野望)。

麻豆代天府お土産物店

麻豆代天府お土産物店

宿坊の1階にはお土産物店もあります。

觀音寶殿

麻豆代天府觀音寶殿

麻豆代天府觀音寶殿

巨大な卵形の建物があります。観音宝殿と呼ばれます。

麻豆代天府観世音菩薩

麻豆代天府観世音菩薩

内部には巨大な観音様。

周囲の黄色い塔のようなものは祝福の灯というもので、ここに寄進した人の名前が書いてあります。

祝福の灯に名前が入ると、本人のみならず家族一同に幸福が訪れると言われています。

文旦ゆるキャラオブジェ

麻豆代天府文旦オブジェ

麻豆代天府文旦オブジェ

境内のところどこにこのような人形オブジェが置いてあります。

麻豆の名物は文旦です。文旦をゆるキャラ化したオブジェだと思われます。絵柄はそれぞれ違います。ほっこりしますね。

道教の教え

麻豆代天府境内

麻豆代天府境内のドラゴン

境内の大殿周辺には色々なオブジェがあったり、道教の何らかのテーマとストーリーを持った展示物が多数あります。

麻豆代天府境内

麻豆代天府境内

例えばこれは紫の空気が東から来るというお話で、道教の経典に関わる内容です。

麻豆代天府境内

麻豆代天府境内

こちらは八仙という道教の8人の仙人。日本で言う七福神的な立ち位置だと思われます。

麻豆代天府まとめ

麻豆代天府石碑

麻豆代天府石碑「五府千歳首廟」

道教の廟なので、仏教のお寺ではありませんが、珍寺と言われるのも理解できる施設がある麻豆代天府。

確かにこれがお寺として日本にあれば確実に珍寺です。

ユニークではありますが、「こんな悪い行いをすると、地獄でこんな酷い仕打ちを受けることになるぞ」という戒め(いましめ)を具現化した宗教施設なのです。

一方で天国に行けば、こんな素晴らしく快適で楽しく過ごせるよという感じ。

台南市には上記文中でも触れていますが、南鯤鯓代天府という台湾最大とも言われる巨大な廟もあります。

私もまだ行ったことがありませんが、台南は狭いようでいてかなり広く、見るべき場所がたくさんあると思っています。

麻豆代天府を参拝した後は、麻豆の市街地を歩いてみませんか?

→ 【台南市】麻豆老街を歩き阿助麻豆碗粿でランチして龍泉冰店でデザート

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  • この記事を書いた人

NOBU

東京出身、沖縄在住の50代男。文筆業・ネットショップ運営の個人事業主。
曽祖父、祖父が日本統治時代に台北に住んでいたこともあり、実父も台北生まれ。 好きな街は鹿港と台南。住んでみたい街は台中。台湾旅行で得た情報や楽しく快適に旅行できるノウハウなど台湾情報を発信中。
台湾華語検定(TOCFL) A1級 / 台湾検定(国際知識検定) 受験予定 / 台北新四国八十八ヶ所霊場研究家

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