旧正月の台南市普済殿は夜の観光におすすめ!
ランタンの優しい灯りが幻想的な雰囲気とともに、レトロ感を醸し出す。
春節(旧正月。台湾では過年と言います)時期に台湾のどこかの都市で毎年開催される台湾ランタンフェスティバルとは別に、各地で小規模なランタンフェスティバルも開催されています。
台南市にある普濟殿(四聯境普濟殿)もその一つ。
普済殿ランタンフェスティバル(府城普濟燈會または台南普濟燈會)と言います。春節時期に台湾に行くなら超おすすめです。
普済殿の基礎知識とアクセス
普済殿とはどんなところなのでしょう?まずは概略から。
普済殿の歴史
普済殿は明鄭時代の永暦年間(1647-1661年)に創建されました。歴史ある台南の廟ということもあり、かなりの古刹です。
元は観世音菩薩を祀る普済寺(竹林寺とも呼ばれた)というお寺でした。
しかしある時、福建省から来た人物が池府千歲の神像をお寺に残したことがきっかけとなり、台湾府城で初めての王爺廟となります。
池府千歲とは
五府千歳(李府、池府、呉府、朱府、范府)の一つで、五府千歳はそれぞれ李大亮、池夢彪、吳孝寬、朱叔裕、范承業という中国の偉人を指し、道教の王爺信仰となる姓の組み合わせのことを言う。
池夢彪は唐の開国に寄与した名将。
王爺は道教の神様で台湾では媽祖と並び多く信仰されており、疫病退散や魔除け、商売繁盛のご利益があるとされています。特に台湾南部では王爺を祀る寺廟が多いです。
なぜ南部に多いかというと、台南市に王爺の総本山である南鯤鯓代天府があることが影響していると思われます。
台湾では王爺は南部、媽祖は中部と言われており、媽祖は中部に位置する雲林県北港朝天宮が総本山。
またかつての台南は翼を広げた鳳凰のような地形で、普済殿はちょうど鳳凰の鼻の上にあたり、風水的に道路網の中心となり、八卦網と呼ばれる真ん中に位置していたそうで、蜘蛛結網穴とも言われました。
現在では道路が拡幅されたり、変更されていますが、地図を良く見るとかすかにその蜘蛛の巣の真ん中に位置していたことが想像できます。
普済殿は創建後幾度も再建されていますが、現在の建物は1974年に建てられたものです。
主祭神として祀られているのは池府千歳ですが、かつてお寺だったこともあり観世音菩薩、地蔵王菩薩、斉天大聖、弥勒仏、三太子、月老神君、田都元帥、註生娘娘、福徳正神、虎爺など、仏教と道教の神様をたくさん祀っている道教の廟です。
2014年から春節〜元宵節前後にランタンを吊るすランタンフェスティバルを開催。
これらのランタンは子供から大人までの地元民が描いたもので、よく見るとユニークな絵や子供らしい絵も見受けられます。
普済殿へのアクセス
台湾鉄道台南駅から徒歩で20分くらい。
バスだと台湾鉄道台南駅(南站)から3番、7番、18番などに乗車して10分程度です。
付近には永楽市場、国華街、神農街などの観光スポットがあるので、一緒に観光するのがモデルコースです。
- 住所 台南市中西區普濟街79號
- 開門時間 6:00〜21:00
- 府城普濟殿威靈王池府千歲/臺灣最早王爺廟(facebook)
- 普濟文史研究協會(facebook)
開催日程は旧暦を基準にするため毎年変わります。2024年は2月4日〜3月9日でした。近年は春節から元宵節期間を中心に1ヶ月程度開催しているようです。
春節(旧正月・過年)=旧暦1月1日
元宵節=旧暦1月15日
事前に日程は公表されますので、上記のfacebookなどでご確認ください。
普済殿ランタンフェスティバル
場所はもちろん普済殿ですが、その周辺の道路にもランタンが吊り下げられます。
普済殿を中心に蜘蛛の巣のように伸びる周辺の道は細い路地が多いですが、国華街は道幅が広くなかなか壮観ですのでおすすめです。
普済殿周辺のランタン
まずは廟の周辺を見てみましょう。
台湾の夜の廟という感じです。ここだけを見ると普通に見えますが、中や周辺はランタンが吊り下げられています。
周辺の路地はランタンは少ないですが、これはこれで趣があるというか、味があるというか。夜の台南という感じがします。
少なくても日本ではない異国感を感じますね。路地自体が魅力的なのも台南らしいです。
拝殿です。夜でも多くの人が集まっています。ここの周辺は少し道幅が広く、ランタンが空を覆っています。
ランタンをよく見ると色々な絵が描かれているのがわかります。子供が描いたような絵も良いですね。
国華街周辺のランタン
国華街は道幅が広く壮観ですね。空をランタンが埋め尽くす勢いです。
比較的新しいランタン祭りということもあり、台湾では話題になっていても、日本人には知名度はまだまだ。今後超人気スポットになりそうな予感。
ランタンの灯りというのは幻想的であるとともに、人々を優しい気持ちにする効果がありそうです。
日本ではなかなかこんな光景は見れません。
台湾らしさ、台南らしさが詰まった景色はきっと一生思い出に残ります。
普済殿ランタンフェスティバルまとめ
2024年は台南市でランタンフェスティバルが開催され、高鉄台南駅周辺や安平周辺は多くの人で溢れていたようですが、ここ普済殿にもまた観光客が来ていました。
広大な敷地にある巨大なランタンを見るのも楽しいですが、こうして街の片隅でひっそりと開催される地域のお祭りは日本でもそうですが、台湾だと更に魅力的です。
台湾ランタンフェスティバルについては下記をご参照ください。2025年は桃園市での開催です。
→ 台湾ランタンフェスティバルの歴史とその意味、今後の開催予定地
春節のこの時期に台南に行くのなら、あるいはこの時期だからこそ台南に行って、ぜひ普済殿を訪れてみてください。
また、期間は同じではないですが、普済殿から徒歩数分の神農街でも同様にランタンフェスティバルが開催されます。
同時開催になる期間もあるので、日程を確認して一緒に散策するのも夜の観光コースとして良いですね。
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