台中市大甲區大甲鎮瀾宮
台湾には500ほどの媽祖(天上聖母)廟があると言われていますが、いつも参拝客が絶えないような媽祖廟はそう多くはありません。
台中市にあるこの大甲鎮瀾宮はその一つで、台湾で最も有名な媽祖廟の一つです。
台湾あるあるですが、有名な廟の周辺は繁華街になっており、多くの店が立ち並びます。そのおかげで更に人が増える。そんな感じの場所がこの大甲鎮瀾宮です。
そもそも媽祖って何?廟って何?という人はまずは下記をご参照ください。
→ 台湾の廟とは?道教、仏教、儒教そして民間信仰について解説します
大甲鎮瀾宮へのアクセス
最寄駅は台湾鉄道の大甲駅になりますが、大甲駅周辺に宿泊する人は少ないでしょう。そもそもそんなにホテルもありません。
台中駅周辺に宿泊し、足を伸ばして参拝するというパターンが観光客では一般的かと思います。
台中駅から大甲駅まで1時間弱。料金は61元です(私が行った2022年11月1日時点)。
のんびりと電車の旅を楽しむことができますよ。車窓を眺めるのは楽しいものです。
大甲駅からは徒歩5分。駅前の道を駅を背にして真っ直ぐ進むだけなので迷いようがありません。タクシーに乗るまでもない距離です。周りのお店を覗きながら歩きましょう。
大甲駅にはコインロッカーはある?
私は台中駅から次の目的地に向かう途中で大甲鎮瀾宮に寄ったので、荷物を持っています。できれば大甲駅にコインロッカーがあると良いなと思い、ネットで少し調べました。
調べた結果、わかりませんでした。「ある」と書いてありコインロッカーの写真を載せている人もいれば、「ない」と言っている人もいました。ひょっとしたらかつてはあったが今はないのかもしれませんでした。
ひとまず駅の構内や周辺を見てまわりましたが、コインロッカーはありません。念の為、掃除をしていた駅の係員に聞いたら「コインロッカーはない」とのことでした。
そこで思い出したのが行李房です。今度は駅の切符売り場で聞いてみました。すると「行李房はあるよ!」という返事。良かったです。
行李房とは
行李房とは荷物預かり所のことです。大きさで料金が変わります。駅によってはお昼時間は休みなどの場合もあるので注意が必要です。
台中駅のような大きな駅だと行李房は独立して存在しますが、大甲駅のような小さい駅の場合は駅の事務所が行李房を兼ねているところがあります。
大甲駅に向かって駅舎沿いを左に進みます。
駅事務所と行李房が一緒です。ここの扉を開けて荷物を預けたいことを伝えます。どうやって伝えれば良いのかわからない人はこちらの翻訳アプリを使いましょう。
「手荷物一時預かりサービス」の日本語の説明書ですが、重大な誤りがあります。料金の表記は円ではなく元です。私たちは100センチ以下の荷物2個で60元でした。
一応重要なところを書き出しておきますね。
大甲駅行李房料金
- 自転車、ベビーカー 1台50元
- 3辺合計サイズ100cmまで 30元
- 3辺合計サイズ150cmまで 50元
- 3辺合計サイズ151cm以上 70元
上記は1日(駅の営業が終わるまで)の料金です(2022年10月時点)。
荷物を預けると半券をもらいます。これは大切に保存しておいて、荷物を引き取る時に渡せばOKです。なお、駅が営業している時間内でしか受け渡しはできませんのでご注意ください。
大甲鎮瀾宮を参拝
大甲鎮瀾宮は非常に印象に残る廟でした。映像もありますのでご覧ください。
駅から5分歩いて大甲鎮瀾宮入口に来ました。
荷物を駅の行李房に預けたので、身軽な状態で大甲鎮瀾宮を参拝し、周辺を散策します。
大甲鎮瀾宮は1732年の創建です。台湾ではかなりの古刹の一つです。
廟内で一番驚くのは天井や柱の彫刻です。精緻で美しい。参拝客がかなりいました。写真はお供物のようです。
お寺や神社の参拝方法は知っていても廟の参拝方法は私はいまだに良く理解していません。以前台北の龍山寺でお寺の人に教えてもらいましたが、忘れてしまったので、いつもその場所にいる参拝客の真似をして参拝しています。
媽祖様の他に幾つかの神様も祀られているようでした。
台湾の廟は派手なところも多いですが、大甲鎮瀾宮は派手というよりは重厚さと荘厳さを感じます。
媽祖様は航海の神様です。かつての渡航は命懸けでした。船と人員の安全を祈願するということから台湾で広まったようです。
300年ほど前に中国大陸から伝わった媽祖様ですが、台湾は島国です。交易をするには船しかありませんでした。航海の安全を祈願する教えが広まるのは自然なことであったと思います。
参拝客は皆さん熱心に参拝しています。
なんだか綺麗で圧巻でした。これは祝福の灯と言って寄進した人々の名前が入っていて、寄進した人だけでなく、その家族にも幸福が訪れると言われています。
祝福の灯が多いということは、本当にたくさんの人たちから支持を得ている廟であるということの証です。
日本のお寺とは全く違うので戸惑いますが、非常に印象的です。
廟の中は結構広くて幾つかの神様が祀られ、それぞれに熱心に参拝している人の姿を見ると、日本も台湾も同じだなあと思います。
天井を見上げてみましょう。精微な彫刻に驚くはずです。
何の神様かよくわからないままですが、私も参拝客に混じって手を合わせ首を垂れます。
大量の金紙が積んであります。金紙は神様に捧げるお金、冥界で死者が使うとされるお金で、燃やして使います。この辺りではこの風習が残っていますが、北部に行くほど金紙を燃やす風習は廃れているらしいですね。
台北あたりでは単に風習が廃れたということと、金紙を燃やすことで空気が悪くなるので自粛する方向に進んでいるらしいです。
大甲媽祖遶境
大甲媽祖遶境というお祭りというか巡礼が毎年行われます。元宵節(1月15日)にその日程とルートが決まり、だいたい3月か4月に開催されるようです。
これは媽祖様をお神輿に乗せて、大甲鎮瀾宮から嘉義県の新港奉天宮という廟までみんなで練り歩くという巡礼です。往復300km以上に及ぶ徒歩巡礼です。
これは台湾でも最も有名な宗教イベントであると同時に世界3大宗教イベントの一つとも言われており、世界的にも稀に見る大規模でユニークなお祭りです。
世界3大宗教イベント
- バチカンのクリスマスミサ
- メッカのハッジ
- 大甲媽祖遶境
途中では30ヶ所くらいの別の廟に立ち寄りながら、9日間かけて信者だけでなく、一般人や観光客も自由に参加できます。
9日間で500万人が参加するというこのものすごいお祭りはいかにも台湾らしい民間信仰という気がします。
もちろん9日間ずっとではなくて、途中少しだけの参加でも大丈夫なので、いつか私も参加してみたいです。
大甲鎮瀾宮周辺のグルメ
大甲鎮瀾宮周辺は色んなお店が集まっていて繁華街になっています。大甲老街と呼ばれます。こういう街は大好きです。
大甲鎮瀾宮のすぐ近くに大甲第一市場があり、その周辺は特に栄えています。まずはここのお店でランチ。
元花屋さんだったのかもしれませんがなかなか美味しそうだったのと、店前に屋外席が並んでいたのでここで食べてみます。
台湾のチャーハンはまずどこでも一定レベル以上に美味いです。日本の中華料理屋のチャーハンは逆に当たり外れが大きい気がします。
蝦仁炒麺。これも美味しかったです。炒麺は日本語化すると焼きそばですが、日本の焼きそばと違って少し汁があるのが台湾風。
もう少し何か食べてみようと思って、ここに行ってみることに。
市場の横の方です。かなりの人気がある模様です。
注文票に「正」の字で数量を記入して店のスタッフに渡します。出来立てを出す店なので少し待ちます。
椅子に座って待ってようと思ったら、先客に座られていました。猫トイレが近くにあるのでここで飼われているのでしょう。看板猫ですね。邪魔はしません。おやすみなさい。
ビニールに包まれていてわかりにくいですが、ベーコンの焼餅です。焼餅とはパンの中にパンを挟むという意味不明の台湾グルメですが、挟んであるのは油条と言う揚げパンのようなものです。
日本人には考えつかない食べ物ですが、これが美味いのです。
大甲鎮瀾宮まとめ
大甲鎮瀾宮は一度は行きたい媽祖廟です。周辺の散策も非常に楽しく、台湾らしさを存分に味わえるので観光におすすめです。
台中は観光地が少ないなんていう話をたまに聞きますが、実は結構色々あります。台中駅近辺のホテルに宿泊し、そこを拠点にすれば、いろいろなところに行けます。
- 日月潭
- 高美湿地
- 大甲鎮瀾宮
- 鹿港老街
- 逢甲夜市
- 彩虹眷村
- 第二市場
他にもたくさんあるでしょう。是非台中に数日宿泊して観光を楽しんでください。
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