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台北新四国八十八ヶ所霊場51番石仏から64番石仏に向かう
台北新四国八十八ヶ所霊場関係の記事は霊場タグからご覧ください。
このページは台北新四国八十八ヶ所霊場陽明山探索編PART2です。
台北新四国八十八ヶ所霊場の基本的な知識があることを前提に書いていますので、よくわからない人は上記の霊場タグの古い記事からお読みください。
2025年2月22日、私は51番石仏を参拝した後、徒歩で64番石仏のある場所へ向かいました。
小雨が降る中、64番石仏を目指して歩く
この日は陽明山に入る前から雨が降ったり止んだりで、山の上は雨になるかもと思っていましたが、やはり陽明山でもずっと小雨が降り続いていました。
バスで51番石仏まで来た後は、全て徒歩で巡拝しました。お遍路ですから歩きが基本です。
次の目的地である64番石仏はここです。
遍路道の様子
私と同じように歩いて巡拝する人向けに道中の様子を記しておきます。
山の中ですが舗装路です。普通なら歩きやすいのですが、雨なので場所によっては路面に苔が生えており、滑りやすい場所がいくつもあります。
これはこの区間だけでなく、最後までずっとそうなので、雨の日は滑らないように注意してください。
歩き始めて間も無く大きなパラボラアンテナがいくつも見えました。

陽明山中華電信アンテナ
どうやら中華電信のアンテナのようです。
中華電信は台湾最大の通信事業者です。日本で言えばNTTドコモ的な会社です。

陽明山の桜
桜が咲いていました。ここだけでなく、陽明山中のところどころで見かけました。
日本では大量に固まって桜が植樹されている名所的な場所が多いですが、陽明山の私が通った道ではところどころにある感じでした。
桜を見物に来ている人もちらほら見かけました。雨なのに。
陽明山には何種類かの桜があり、2月〜3月にかけてそれぞれの時期に花を咲かせます。

陽明山国家公園
ここを入っていきます。
ここを入るとすぐ二股になりますが、左側の道を進みます。右側は中華電信の施設や別方向に進んでしまいます。

頭湖福徳宮
途中にあった廟。福徳宮とあるので、土地公ですね。この地域を守る道教の神様の廟です。
福徳正神、福徳宮、福徳祠など「福徳」と名の付く小祠は台湾の特に郊外や地方で見かけます。
福徳正神は財運招来、家内安全、健康長寿などのご利益がある神様で土地公と呼ばれ、各地で祀られています。
日本に置き換えると小さなお稲荷さんやお地蔵さん的な位置付けです。

路口商店
山の中ですが「菁山二」バス停前の小さな集落にある路口商店というお店。
このお店には飲料やお菓子などが売っていますし、バス停横の掲示板前にもベンチがあるので、飲み物を買って少々休憩しました。
51番石仏からここまでほぼ上り坂なので、それなりに体力を消耗します。
トイレはこの入口の右側にあるので、中のおじさんに聞いてから借りました。

菁山路99巷
菁山路99巷まで来れば目的地は間も無くです。この道を道なりに進みます。
台北新四国八十八ヶ所霊場64番前神寺阿弥陀如来石仏
家が点在する菁山路99巷をしばらく歩くと左側に赤い祠と屋根に白い貝殻を乗せた小祠が見えてきました。
ここが目的地です。

64番前神寺阿弥陀如来石仏
民家の入口付近にあります。参拝は自由にできます。
犬が寝ていたので、犬を起こさないようにしながら参拝しました。しかし犬は目覚め、薄目を開けてこちらを見ましたが、どうでも良いと思ったのか、眠気が優ったのかまた寝ました。

64番前神寺阿弥陀如来石仏
51番に続き、この64番がある場所も個人宅の敷地内です。参拝時はお静かに。
このお宅のご主人は1940年生まれ。子供の頃この石仏を見たことがあり、お供物やお賽銭をいただいた記憶があるそうです。
もちろん子供ですし、当時は戦時中なので食べ物にも困っていたのかもしれません。罪の意識もなかったことでしょう。もう時効です。
その後、1970年頃中山楼近くの川底で、子供の頃に見た記憶がある石仏が捨てられているのを見つけました。
それを持ち帰ったのがこの石仏です。
実は2体持ち帰ったそうですが、1体は叔父さんが持って行き、叔父さんはその後売却したそうです。残念。

64番前神寺阿弥陀如来石仏
ご主人は石仏を持ち帰ったものの、仏様として大切にし、その後、観音様であると思い込み、観音様の誕生日である旧暦2月19日には礼拝し、線香を上げていたそうです。
この石仏がどのようなものかわかり、阿弥陀如来だと分かった今でも、毎月旧暦1 日と15日にはお供え物をし、毎日朝晩線香を上げるそうです。
祠の屋根などにはご主人が集めた貝殻を貼り付け、大切にしていることがわかります。

64番前神寺阿弥陀如来石仏の案内
小祠の中には石仏がどういうものかの案内もあります。これは参拝者にも親切ですね。
このお宅でも前回記事の51番石仏同様、この64番石仏のことを「佛祖」として、観音様だろうが阿弥陀様だろうが、要は家を守る神様として祀っています。
ある時、この石仏を4万元で買い取りたいという人が訪ねてきたそうです。しかし家主はこの石仏を大切にしていたので売りませんでした。
貴重な石仏を守っていただいて感謝しかありません。無事に参拝できました。ありがとうございます。
台北新四国八十八ヶ所霊場64番前神寺阿弥陀如来石仏まとめ

64番前神寺阿弥陀如来石仏
山の中なので舗装路とは言え、当然アップダウンがあり、山の風景を見ていると四国の山の中を歩いた日々を思い出します。
51番石仏からここまで約3kmの道のりです。途中の路口商店でちょっと休憩しても1時間前後で来れると思います。
ぜひゆっくり歩いてみてください。
大切にされている石仏を見るのは、本当に嬉しいものです。
64番石仏を無事参拝した私は、次に48番と55番石仏がある空き地へ向かいました。(続く)
台北新四国八十八ヶ所霊場
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