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安倍晋三元首相の銅像がある高雄市の紅毛港保安堂に参拝してきました

2022年11月10日

2022年9月24日に除幕式が開催された安倍晋三の銅像

紅毛港保安堂の安倍晋三像

紅毛港保安堂の安倍晋三像

安倍晋三元首相の銅像除幕式から1ヶ月ほど経過した2022年10月25日に私は台湾高雄市にある紅毛港保安堂に行ってきました。

安倍さんの銅像が完成後にここを訪れた日本人観光客はまだ非常に少ないと思います。

私がここに興味を持ったのは、ニュースを見て単に「安倍さんの銅像なんて多分まだ日本にもないのに、台湾にあるのか」と思い、それなら見てこようと思っただけです。私の政治的思想は特に右でも左でもありません。

日本人の銅像が異国に建立されるということに興味を持っただけ。なので安倍さんではなくても行ったかもしれません。

でも、紅毛港保安堂って一体どういう場所なのか?そしてなぜここに安倍さんの銅像が建立されたのか?そんな疑問を持ちながら行きました。

YouTube紅毛港保安堂と安倍晋三の銅像

動画も撮影してきましたので、動画で見たい人はどうぞ。

上記Youtubeで台湾人から多くの台湾人を代表するようなコメントがあったので紹介します。

台湾人として、台湾が中国共産党によって孤立していた時代に多大な援助をしてくれた日本に感謝します。

台湾が世界から見捨てられ、無力で絶望的だと感じていたときに、安倍晋三が台湾を支持する演説をしたことには、いくら感謝してもしきれません。

彼は私の夜に光をもたらしてくれました。

この功績により台湾では安倍さんの認知度が高く、また人気もあるようです。

紅毛港保安堂の安倍晋三の銅像

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

台湾高雄市にある紅毛港保安堂に安倍晋三元首相の銅像があります。場所は高雄MRT紅線の草衙駅が最寄り。

新幹線で台北方面から来た人は左営駅でMRT紅線に乗り換えて30分ほどで草衙駅に到着します。

高雄国際空港からだと上記MRTで1駅です。

草衙駅から紅毛港保安堂までは歩くと20分はかかりますが、私はUberTaxiを使いました。タクシーではなくUberTaxiが安全です。是非使ってください。

→ 台湾ではタクシーよりUber taxiがおすすめ!使い方とメリット


廟の正面に向かって右手にその銅像がありました。等身大のようです。台座には「台湾は永遠に友達」と書かれています。安倍さんもまさか台湾に自分の銅像が建つとは思ってなかったでしょうね。

スーツを着用した立派な銅像で、本人そっくり。挨拶するような感じで右手を挙げています。

紅毛港保安堂安倍晋三

紅毛港保安堂安倍晋三

横には恐らく安倍さんの直筆と思われる「台湾加油」と書かれた石碑もあります。冒頭の写真のようにバックには日本を象徴する富士山。

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

台座の下に置かれているプレートです。

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

日本語に翻訳するとこんな内容です。

安倍晋三銅像

安倍晋三前首相記念銅像

安倍首相は日本の偉大な政治家であり、生前は台湾を全面的に支持しており、台湾人は感謝の気持ちを込めて銅像を作りました。これは人間性の輝きです。この銅像は紅毛港保安堂の会長である張吉雄氏と魏二郎氏、許志傑氏の立案者と社会団体が共同で資金調達を開始し、この作品は台湾の芸術家周瑞明氏と葉金城氏とその生徒が依頼を受け、彫刻を完成させました。安倍氏の銅像は高雄市の鳳山紅毛港保安堂に安置され、世の人に永遠に記憶されます。

張吉雄 2022年9月24日

日本人として、他国に日本人の銅像が建立されたり、日本人が祀られたり、尊敬されたりしているのは少し奇異に感じるとともに、誇らしくもあり、嬉しくもあります。

安倍さんの功績には賛否あると思いますが、少なくても台湾ではこの銅像建立が大きなニュースになるほど関心があり、「安倍さんは台日友好に大きな役割を果たした」と思われているようです。

年末になり日本の国会議員が紅毛港保安堂を訪れたニュースがありました。そこでこの安倍晋三の銅像をもう一体作成し、日本に寄進するとの意向が示されました。(フォーカス台湾2022/12/28

仮に日本に寄進されてどこかに設置されても私はわざわざ行きませんが、そもそも実現するのでしょうか?一体どこに設置するのでしょう?山口県かな。

紅毛港保安堂とは

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

そもそもこの紅毛港保安堂とはどういった廟なのでしょう?

紅毛港保安堂は実は公式サイトがあります。ちょっとカオスなサイトですが、ここにその成り立ちなども日本語で詳しく書かれていますので、詳細を知りたい人はご覧ください。

簡単にその成り立ちを書いておきます。

紅毛港保安堂

高雄の紅毛港という漁村では漁の最中に人骨を見つけた場合には、祠を建てて祀る習慣がありました。1946年頭蓋骨が網にかかり、慣わし通りに祠に安置してお祀りしました。この直後から大漁が続き、人々はこの祠を海府と呼び、保安堂を建立することになりました。

1976年になり、高雄の港の建設のために来ていた日本人技師の夢枕に大日本帝国海軍士官が現れ「日本式の廟を建立してほしい」と言ったそうです。また、同時期に日本語を話せないはずのある漁師が突然「自分は大東亜戦争でバシー海峡において米国潜水艦に撃沈された三十八号艦の艦長である」と流暢な日本語を話したそうです。

そんなことがあり、廟は日本風にデザインされましたが、第38号軍艦についてはその存在は発見されたものの、デザインなど詳細は不明のまま「38にっぽんぐんかん」が保安堂に奉納されたそうです。

こうして台湾で唯一、大日本帝国の軍艦と戦没者の英霊を祀る廟が完成したのです。その後、この保安堂は港の近くを離れ現在の場所に遷座しました。

台湾の廟は一般的に非常に派手です。日本の神社仏閣はかなり地味ですので初めて見た人は驚くことでしょう。色彩が鮮やかなだけでなく、電飾の掲示板や扁額があるのも一般的です。

しかしこの紅毛港保安堂は確かに地味です。日本と比べればそれでも派手なように見えますが、台湾ではかなり地味な雰囲気です。

ちなみに紅毛港保安堂は道教の廟で、軍艦や安倍晋三に目を奪われがちですが郭府千歳、宗府元帥、海府大元帥などが祀られています

成り立ちから考えると明らかに陰廟ですが、ご利益もあり寄進も多かったのでしょう。やがてこのように立派な陽廟となった良い例でしょう。

陰廟や陽廟、そして廟そのものについて良くわからない人はまずは下記を参照ください。

→ 台湾の廟とは?道教、仏教、儒教そして民間信仰について解説します

なお、紅毛港保安堂はTwitterもやっていますのでチェックしてみてください。

38にっぽんぐんかん

紅毛港保安堂の38にっぽんぐんかん

紅毛港保安堂の38にっぽんぐんかん

デザインも何もわからないまま祀られた第38号軍艦ですが、その後、蓬三十八号哨戒艇であることが判明し、高田又男大尉が艦長であったこともわかり、現在は祭壇の正面右にその御影が祀られています。

紅毛港保安堂の蓬三十八号哨戒艇

紅毛港保安堂の蓬三十八号哨戒艇

そしてそのデザインが判明後新たに蓬三十八号哨戒艇の模型も祀られています。

高田又男大尉の息子さんが80年ぶりの再会

神様の息子である高田鳴海さんが英霊であり、神様として祀られている父に会いに行ったようです。(熊本日日新聞

「38にっぽんぐんかん」が何なのかが分かったのは2018年。艦長であった高田又男さんのことがわかったのもその時だそうです。

そして高田又男さんの息子である高田鳴海さんが熊本県に存命ということも判明し、今回鳴海さんは紅毛港保安堂に招かれたようです。

「神様の息子」なわけで、大歓迎を受けたようです。鳴海さんも80年の時を経て、父親が神様として祀られているところで再会するとは感無量でしょう。

高田又男さんも息子が会いに来てくれたと天国で喜んでいることでしょう。

紅毛港保安堂の様子

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂はよく見るとすごく凝った作りです。壁や天井に至るまで非常に素晴らしい。もしこれを読んでいるあなたがここに行くことがあったらじっくりと観察してほしいです。

紅毛港保安堂おみくじ

紅毛港保安堂おみくじ

おみくじはこのようなタイプとガチャガチャもあります。更にグッズもかなりの種類販売しており、私も「台日友好」と書いてあるバッジを購入し、カバンに付けていたのですが、旅行中に外れてしまい紛失してしまいました。無念です。

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

棚にこんなものが大量に置いてあります。台湾南部の廟には必ずと言っても良いほどこれが置いてありますが、知らない人もいると思うので書いておきます。これは金紙と言います。

金紙とは

金紙とは紙でできたお金のことで神様に捧げるお金、または冥界で死者が使うお金とされています。冥銭、紙銭とも言います。ご先祖や神様にお祈りするとき、線香をあげたりしますが、この金紙も日常的に燃やします。

台湾でも南部ではこの風習がまだ多く残っていますが、北部では廃れてきているようです。

特に旧暦の7月は鬼月と言い、死者が地上界に降りてくるとされ、金紙がそこらじゅうで燃やされます。

台湾安倍晋三友の会

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

実は安倍さんの生前より友の会発足が計画されており、本人の許可も得ていたそうです。

生前の安倍さんはこの紅毛港保安堂のことを気にかけており、146人の英霊を日本に迎え入れることを検討していましたが、コロナでその手続きが延期になり、その後凶弾に倒れてしまいました。

そんなこともあって、ここに銅像が建立されたのだろうと思います。いや、この紅毛港保安堂こそ安倍晋三の銅像が建つべき場所であったのかもしれません。

残念ながら友の会は死後に発足することになってしまいましたが、今後は安倍さんの功績を讃えるとともに日台交流の礎になるような活動をしていくとのことです(台湾新聞2022/12/21)。

2023年7月、この安倍晋三友の会の招きにより夫人の昭恵さんが訪台しました(台北駐日経済文化代表処2023/7/18)。昭恵さんもご主人の銅像に会えたようです。

政治的なことは置いておいて、一人の人間として異国にある夫の銅像に会えたというのは嬉しかったものと思います。

日本の政治家にも台湾との交流を深めるべきという考えの人たちもたくさんいます。これから益々多方面での協力ができれば良いなと思います。

紅毛港保安堂と安倍晋三銅像まとめ

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂

紅毛港保安堂の社務所にいる沖田さん(実名ではないと思いますが、神主であり常任理事)は台湾人ですが、日本語を勉強中とのことで、日本語で丁寧にこの廟の解説をしてくれました。また記念撮影もしていただきました。お世話になりました。ありがとうございました。

安倍さんの銅像があり、日本の軍艦とその英霊を祀る変わった台湾の廟というだけで興味を持って行った紅毛港保安堂ですが、本当に行って良かったです。

これを読んでいる人も、もし高雄に行くことがあったら是非寄ってみてください。

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  • この記事を書いた人

NOBU

東京生まれ、東京育ちの50代男。2022年6月より沖縄在住。文筆業・ネットショップ運営の個人事業主。
曽祖父、祖父が日本統治時代に台北に住んでいたこともあり、実父も台北生まれ。 好きな街は鹿港と台南。住んでみたい街は台中。台湾旅行で得た情報や楽しく快適に旅行できるノウハウなど台湾情報を発信中。
台湾華語検定(TOCFL) A1級 / 台湾検定(国際知識検定) 受験予定

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