
日本と同じように台湾にも祝日があります。
近年、台湾では祝日が増える傾向があり、またそれに伴い連休も増えています。
このページでは2026年の祝日日程と、その祝日の意味、観光客への影響を含めて台湾検定1級の筆者が解説していきます。
祝日の意味を知ることは台湾の文化や歴史を知ることに繋がります。
また、我々旅行者にとっては「祝日でお店が閉まっていた」「祝日開催のイベントにぜひ行きたい」など様々な影響がありますので、旅行の日程を考える際に参考になると思いますよ。
目次
祝日制度改正の概要

2025年5月28日に施行された「記念日及び節日実施法」により、台湾では祝日が拡充されました。2026年は新しい祝日が追加されて初めての1年になります。
民間や政府間でこれまで限定的または観察日扱いであったものが、正式な国民の祝日として認定されるようになったり、今まで祝日とならなかった労働節がすべての労働者に対象が拡大されたりしました。
主な新設・再設置された祝日としては、
この改正によって、2026年には祝日数が増え、連休を取りやすくする拡張休日制度も見直され、旧正月(春節/過年)などでは最低でも7日間の休暇が保障され、場合によっては9~10日の大型連休が可能になりました。
観光客にとっては、こうした祝日増加・拡張休日制度の変更は、旅行計画や宿泊・交通の手配に大きく影響します。
日本の祝日だけを気にしていると、旅程が狂う場合もあるのでご注意を。
以下、2026年の祝日をひとつひとつチェックしていきます。
2026年の台湾の祝日一覧と観光客向け解説
まずは台湾行政院が公布した2026年のカレンダーをご覧ください。ピンク色の日がお休みとなります。

2026台湾日曆(画像:行政院人事行政總處)
1. 建国記念日/1月1日
台湾の元日は、新年をお祝いする祝日ではなく中華民国開国紀念日とされ、西暦の1月1日と重なっているだけです。
孫文が中華民国を開国した日で、この日が現在の台湾の源流であるという考え方に基づいています。
元日は全国的に休業となる祝日で、公共施設、銀行、学校、多くの企業が休業します。一般の店舗などもお休みの場合があります。
台湾の本来の正月は旧正月であるため、正月らしいイベントや初詣的な習慣は台湾には日本ほど多くありませんが、都市部ではデパートや大型商業施設で新年セールや冬季の装飾を楽しめます。
2. 春節休假/2月14日~22日
2026年の春節休暇は、2月14日(土)から2月22日(日)までの9日間が祝日として設定されています。
春節とは日本で言うお正月です。年末年始のお休みという位置付けです。正確に言うと16日が除夕、17日が春節であり、その前後が土日含めお休みになる感じです。
春節を含め、台湾の祝日は旧暦が多く、毎年西暦での日程は変わります。大体1月下旬から3月上旬頃に春節を迎えることが多く、通常7〜10日間程度の連休になります。台湾最大の連休です。
この長期休暇は、旧暦の正月を祝う期間で、家族が集まって過ごす最重要の祝祭期です。親戚への訪問、年夜飯(大晦日のご馳走)、お年玉(紅包)、爆竹、ランタンや様々な祝賀イベントが特徴です。
3. 和平記念日/2月27日〜3月1日

2月28日は「和平記念日」として、1947年の2.28事件を追悼する国民の祝日です。
2026年は 2月27日(金)を振替休日とし、2月28日(土)本番、さらに翌日3月1日(日)も日曜日のため、3日間の連休となります。
4. 児童節・清明節/4月3〜6日
2026年の子どもの日(4月4日)は、4月3日(金)が振替休日となっており、さらに4月4日(土)子どもの日、4月5日(日)清明節(お墓参りの日)、さらに4月6日(月)が清明節祝日の振替休日という流れで、4連休になっています。
子どもの日は子どもたちの健やかな成長や権利を促進する趣旨の祝日です。
清明節は祖先を敬いお墓参りをする日で掃墓節とも呼ばれ、台湾でも伝統的に家族が揃って墓地を訪ねたり、先祖の墓を掃除したり、お供えを捧げたりする日です。
5. 労働節及びその振替休日/5月1〜3日
2026年の労働節(メーデー)は 5月1日(金) で、その直前後を含めて、5月1日から5月3日(日)までの3連休が設定されています。
これは、2025年の祝日法改正で労働節が全国民の祝日に拡大された結果、すべての労働者が対象となり、しかも振替休日制度が適用されるようになったため、連休化が可能になったものです。
5月1日はメーデーとされていますが、発祥はアメリカで、1886年5月1日に労働者たちが長時間労働の改善を求めてストライキを行ったことに由来します。
これのおかげで今では世界的に一般的な1日8時間労働が定着しました。
世界的にメーデーは祝日となっていることが多く、台湾でも祝日となりましたが、日本では祝日にはなっていません。
6. 端午節およびその振替休日/6月19〜21日
2026年の端午節は 6月19日(金) 本番で、その直後 6月20日(土)、6月21日(日) も振替休日が設定され、3連休となっています。
端午節は屈原の故事にちなむ伝統的な中国系祝祭で、台湾では粽(チマキ)を食べたり、ドラゴンボートレースを観戦したりする文化が強く残っています。
また台湾各地の寺廟でもお祭りが開催されることがあります。
ドラゴンボートレースは台北市の新店碧潭や基隆河、宜蘭県の冬山河や二龍村、彰化県の鹿港、高雄市の愛河など台湾各地で開催されます。

7. 中秋節および教師節・孔子誕生記念日/9月25〜28日
2026年の中秋節は 9月25日(金) に本番が置かれており、9月28日(月)教師節/孔子誕生記念日を含めた4連休が設定されています。
中秋節は月餅を食べ、家族や友人で月を観賞しながら団欒する習慣があり、台湾では「月餅を贈る習慣」「屋外でのバーベキューをする習慣」が特に強いことが知られています。
月餅は非常に甘く一つで満腹になってしまうこともあり、台湾人は実はあまり好まない人も多いと聞きますが、風習としてあるため、家に月餅セットが何個も届いて困るらしいです。
教師節・孔子誕生記念日(9月28日)は、2025年の祝日法改正により正式な国民の祝日とされました。
台湾では教師や教育関係者を尊敬する文化が強く、孔子が教育の象徴として尊重されていることから、教師節として記念日でもあり、お世話になった先生に感謝カードや贈り物を送ったりすることもあります。
学校で人気のある先生は贈り物だらけになり、近所にお裾分けすることもあるとか。日本にはそういう日はありませんね。
8. 中華民国国慶日/10月9〜11日
2026年の国慶日は 10月10日(土) で、10月9日(金)と10月11日(日)を含む3日間の連休となることが、政府の祝日スケジュールで発表されています。
なお、10月10日は10が二つ並ぶことから、別名雙十節とも呼ばれます。
国慶日は1911年の武昌起義(辛亥革命)の発生日を記念する日であり、台湾(中華民国)では最大級のナショナルデー(建国記念日)です。

総統府の前でパレードなどがあったり、台北101でも花火やドローンショーのイベントがあったり、各地でイベントがあり多くの人で賑わいます。
9. 光復節・金門古寧頭大捷紀念日およびその振替休日/10月24〜26日
2025年の祝日改正で復活した光復節は、10月25日(日) が本来の日付で、2026年は10月26日(月)を振替休日とする3連休になります。
この日は、日本統治時代が終わって中華民國が台湾に統治権を回復した(光復/台湾の復帰)日、および1949年金門で起きた古寧頭の戦いでの勝利を記念する日です。
10. 憲法記念日/12月25〜27日
2025年の祝日法改正によって、12月25日が「憲法記念日(中華民國憲法實施紀念日)」として国民の祝日になりました。行憲記念日とも言います。
2026年も12月25日(金)、およびその前後を含めた3連休(12月25〜27日)が設定されています。
1947年に中華民国の憲法が施行されたことを記念した日で、台湾の社会や文化にとって重要な日であり、国民にとって特別な意味がある祝日となります。
民國暦とは
民国歴は、中華民国が1912年に成立した年を民国1年とし、そこから数える年号制度です。つまり、西暦1912 年=民国元年、その後は年を加えていきます。
西暦との差は1911なので、民国歴+1911=西暦になります。
たとえば、民国114年は2025年にあたり、民国115年は2026年です。
台湾では公的文書、学校の年度表示、政府発表や祝日リストにおいて、しばしばこの民国暦が併記されます。
この感覚は日本の元号も同じですね。大雑把に言うとお役所関係は民国歴を使い、民間では西暦を使うことが多いです。
旅行者が台湾の公式案内やカレンダー、博物館や案内パンフレットを見る際、民国115年等の表記を見かけることがあるので、1911を足すと西暦ということを理解しておくと、現地情報を読む際に役立ちます。
2026年台湾の祝日まとめ

2026年の台湾の祝日は、2025年の祝日法改正によって祝日数の増加、連休化の拡大、振替休日制度の見直しがなされ、観光客にとっては旅行計画を立てやすくなる一方で、逆にピーク混雑期がより明確になったとも言えます。
1月1日のみ週半ばでの単独の祝日ですが、それ以外は全て連休なのです。
旅行を計画する際には、
という点を抑えておくと、台湾祝日をうまく旅程に組み込んだ、充実した台湾旅行が実現できると思います。
また、台湾旅行を安く済ませたいという人は大型連休になる春節前後の旅行は避けた方が無難です。航空券もホテルもかなり高騰します。
それだけでなく、個人商店もお休みになることがあるので、行きたいお店がある場合は事前に休みかどうかを確認したほうが良いです。
他の時期でも良いのなら、できるだけ春節の時期をずらしましょう。