台湾は一度旅行に行くとリピーターになることが多いと言います。
若い人には見るもの全てが可愛らしく、新鮮に感じられ、昭和世代の私たちには街に郷愁を感じたります。
そして中には「もう台湾に移住したい!」と思う人もいると思います。
台湾に移住すると多くのメリットがある反面、デメリットもあります。移住してから気がつくことも多いと思いますが、まずは想定されるメリットとデメリットを把握しましょう。
この記事はシニア世代夫婦で台湾移住を考えている人向けに書いています。今ではなくても将来ぼんやりとイメージしている、そんなあなたへの記事です。
ちなみに私は50歳を過ぎていますが、いつの日か移住するかもしれません。
ここではシニア世代(ここでは定年後の55歳以上を想定)の台湾移住にあたってのメリットとデメリット、そして解決しなくてはならない問題点を解説します。
若者なら気にならないことでもシニアならではの注意点もありますよ。
台湾移住のメリット

台南市神農街
移住したいと考えているからには、勿論メリットが多そうだと漠然とでも考えていると思います。しかしここで一度メリットを見直してみるのも良いと思います。
物価が安い
生活コストが少なくて済みます。総合的にみて日本と比べると2/3程度と言われています。
安いもの
- 家賃
- 交通費
- 食費
- 水道光熱費
高いもの
- 電化製品
- 外国製のもの(日本製含む)
- ダイソー(39元均一=約150円)
- 牛乳、チーズなど乳製品
日用品などはあまり変わりません。安いもの、高いものありますが高いものは日本に一時帰国したときに必要なものは買ってくるというのが対策になります。
食費は安いと書きましたが、それはローカル店や屋台での話で百貨店などに入っているレストランなどはそれなりに高いです(日本とそう変わらない)。
生活水準は人により様々ですが、豪勢な暮らしをしなければ1人10万円もあれば余裕で1ヶ月普通に暮らせます。月5万円で生活してる人もいるようです。
なお、台北市以外ならもっと家賃、物価がかなり安くなるので生活費はもっと安くすることも可能です。
年金受給者であれば、年金だけでの生活も不可能ではないでしょう。
ただし円安(台湾ドル高)になると段々厳しくなってくるのは認識しておかなければならないでしょう。
例えば2021年10月現在1元=4.0円を超える推移になっています。2年前の同じ頃は1元=3.5円くらいでした。
当たり前ですが為替レートは日々変動します。円高になれば得した感じになりますが、円安になれば懐が厳しくなることは外国にいれば当たり前です。心しておきましょう。
また、台湾は年々物価が上昇しています。今は台湾に移住することで節約できますが、将来的には日本とそんなに変わらないなんていうこともあるかもしれません。
日本のGDP成長率は長らく低迷しており
近年のGDP成長率
- 日本 2019年度0.3% 2020年度-4.8%
- 台湾 2019年度2.7% 2020年度2.98%
コロナの影響もあって2020年度はついに大きくマイナスとなりました。一方台湾はコロナ禍でも成長を続けています。
衰退する日本、発展する台湾。
今後どうなるのかはわかりませんが、この辺のことも頭に入れておかねばなりませんね。
ビザランが可能
台湾では観光ビザ(ノービザ)で90日間の滞在が許可されています。90日毎に台湾から出て、また台湾に戻ることを繰り返すことが可能でこれをビザランと呼びます。
気軽に台湾に生活の拠点を移せるというのは大きなメリットです。
ただし当然デメリットもあり、基本的に観光客と同じ扱いになるので、携帯電話の契約が難しくなったり、銀行口座を作れなかったり台湾の健康保険にも加入できません。
こうしたデメリットを理解しつつ、メリットが上回ると判断すればビザランは手軽な移住方法になるでしょう。
親日国なので日本に対してフレンドリー
台湾は世界有数の親日国です。
日台間の年間渡航者数はこんな感じです。
日台間渡航者数
- 日本→台湾 約216万人
- 台湾→日本 約491万人
(出典:2019年度、台北駐日経済代表処)
人口は約1/5ほどなのにも関わらずこの数字です。台湾人は日本が大好きなのです。
日本の人口に換算すると2500万人が台湾に行っているようなものです。延べ人数だとしても台湾人の日本好きが数字に現れていると思います。
台湾のテレビでは日本のニュースの映像がそのまま流れていたり、音楽やアニメなども若い世代に好まれており、日本語を勉強している人も多いです。
都会の街中にもよく探すと色々な日本語を見つけることができます。
東日本大震災の時に義援金の額に驚愕し感謝した人も多いでしょう。それだけ日本のことを気にかけている証拠です。
また、日本も今回の新型コロナワクチンを無償提供するなど、台湾と良好な関係を築いています。
こういった状況は移住するに当たって、大きなメリットになると思います。
また同じアジア人なので差別もありません。
比較的治安が良い
アジアでも一部の国では治安が心配な国もありますが、台湾はまずまず安心です。
人口10万人当たりの刑法犯認知件数は日本の1.9倍(2019年)とはいえ、比較的多いのはスリや置き引きで、夜市など混雑している場所で被害に合う事例もあります。
台湾人は私たちが日本人であるということを瞬時に見分ける能力があります。
お金を持っていると思われると悪い奴らに狙われる恐れがあるので、念のため混雑している場所では貴重品は分散して持つなど注意を払いましょう。
またシニア世代の方は夜間の一人歩きは場所によっては念のため避けたほうが良いかもしれません。
食事が美味しい
一般的に日本人の舌に合うと言われています。しかし台湾の肉料理などは日本ではあまり使われない調味料である八角や五香粉を使うことが多く、これらが苦手という方もいます。
その内慣れてきて美味しくなってくるという方もいます。八角を使っていない料理もたくさんありますので色々試してみると良いと思いますが、総じて美味しくて、しかも安いです。
またスイーツや果物は誰でも美味しいと感じるはずです。日本食が恋しくなったら余程の地方都市に住まない限り日本食の店もたくさんあります。恐らく食で困ることはないでしょう。
漢字が何となくわかる
これもメリットではあるでしょう。聞いたり、読んだりすることはすぐには難しくても文字を読めば意味がある程度わかることが多いです。
台湾は中国語の繁体字(台湾華語)で文字が書かれています。簡体字よりは日本の漢字に近く、意味が想像しやすいです。
とは言っても日本の漢字とは微妙に(時にはかなり)意味が違う文字もありますので注意は必要です。
医療費が安い
物価が安いというところに入れても良いのですが、医療費は安いです。ちょっとした風邪や怪我程度なら保険などなくてもなんとかなります。
とは言え、何があるかわかりません。観光旅行にしろ、移住するにしろいざという時のために海外旅行保険には入っておいたほうが良いです。
特にシニア世代は若い人よりも健康に留意しなければなりません。移住後も健康を心がけるのは当然として、それでも何かあった時のことを考えておく必要があります。
年会費・入会費無料でも海外旅行疾病保険で270万円までの治療費を負担(新型コロナ治療も保証対象)してくれるエポスカードは海外に行く人は必携です。事前に取得しておくと安心です。
また心配な人は一般の保険会社の海外旅行保険に加入することも検討してみましょう。
温暖な気候
いやいや暑いでしょという意見もありそうですが、寒いのが苦手な人こそ日本より暖かい台湾に魅力を感じるはずです。
年平均気温
- 台北市 23.2度
- 高雄市 24.7度
- 東京都 15.4度
- 札幌市 8.9度
東京都と比較しても相当暖かいです。夏の最高気温は大きくは変わりませんが、冬の最低気温はかなり違います。
北海道から移住する人がいたらその違いは極端なものになります。
一年中温暖な気候の台湾に魅力を感じる人も多いのではないかと思います。
特にシニア世代になると寒さが厳しく感じてきます。日本と比べて温暖な台湾は最高ですね。
気候、天候の詳しい解説は下記を参考にしてください。
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参考台湾と日本の気候を比較-気温・湿度・降水量・日照時間・風速の違い
目次1 台湾の天候を徹底検証1.1 比較する場所1.2 台湾と日本の気温1.3 台湾と日本の相対湿度1.4 台湾と日本の降水量1.5 台湾と日本の日照時間1.6 台湾と日本の風速1.7 台湾の天気予報 ...
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花粉症にならない
花粉症になる多くの人は杉花粉に反応します。しかし台湾で花粉症の人はいないそうです。それはなぜか?
答えは簡単です。台湾には杉の木がほぼないからです。
春が近づくと毎年鼻はズルズル、涙目になり、ひどい人は喉も痛くなり、頭痛にもなってしまうあの花粉症が台湾に行けばスッキリ爽やかな春を満喫できるのです!
花粉症がひどい人ほどメリットが大きいです。花粉症の人は台湾への移住を考えましょう!
台湾移住のデメリット

台南市廟
メリットだらけではありません。日本に住むことと比べてデメリットもあります。しっかりと把握しておきましょう。
中国の干渉
2021年7月1日、中国共産党習近平主席は中国共産党創立100年の記念式典で「台湾統一は歴史的任務」であると述べました。「台湾独立のたくらみを断固として粉砕しなくてはならない」とも話しています。
すぐに何かが起こるとは思いませんが、今後あの手この手で揺さぶりをかけてくることは想像に難くありません。
台湾は香港のようになってしまうかもしれませんし、少なくても生活するにおいて何らかの弊害が出てくる可能性は否定できません。
何もないことを祈りますが、何かがあるかもしれないというリスクは把握しておく必要があります。
交通マナーが悪い
行ったことのある人はわかるはずですが、交通マナーはかなり悪いです。バイクが多く、平気で信号を無視したり、騎楼部分を走ったり、路地を猛スピードで走り抜けたりもします。
そういう状況ですから、当然交通事故も多いです。人口10万人当たりの交通事故発生件数は日本の4.5倍(2019年)もあります。
若い人と比べるとシニア世代は反射神経も判断力も鈍ってきます。街を歩いているだけでも日本にいるとき以上に常に周囲に気を配り、安全を確かめる必要があります。
実際に日本人が青信号で横断歩道を渡っている最中に事故に合うというケースも報告されています。台湾に行った際にはどこを歩いていたとしても充分な注意を怠らないようにしましょう。
また、交通マナーとは関係ないですが、歩道や騎楼の下を歩いていても路面状況はかなり悪いところがあります。
段差があったり、陥没してるところがあったり。よそ見して歩いていると転びます。特に年配で足腰に自信のない人は注意してください。
空気が悪い
空気が悪いと言われ続けてきましたが、実は近年急激に改善されつつあります。
台湾全土のPM2.5濃度指数で赤色の警告回数は2015年には年間997回もありました。しかし2019年には146回と激減しています。
これは2ストロークバイクの販売停止、火力発電所などに大気汚染防止策を課した効果です。
大陸要因の大気汚染は仕方ないとしても、台湾国内での改善策は着々と進行しているようです。
とは言え、それでも日によっては空気の悪化する日もありコロナとは関係なくマスクをする人もいるようです。
台湾の現在の大気汚染状況は下記を見てください。
給料が安い
台湾人の平均月収は年々上がっており日本円にして約22万円。日本は約33万円とされていますのでかなり少ないです。
当然ですがこの数字は大富豪なども含まれており、現実には22万円以上貰っている台湾人は全体の30%程度で、それ以下の人が70%です。つまりほとんどの人は月に十数万円しか稼いでいません。
日本人が就労ビザを取得して働く場合最低約17万円は保証されていますが、同じ仕事内容にも関わらず多くの台湾人はもっと給料が安いのが普通だそうです。
いずれにしろ日本にいる時と同じように稼ぐには難しい現状があります。勿論その分物価は安いので、それなりに生活はできます。
ただシニア世代で、台湾で働くつもりがなく、のんびりと暮らすだけならばこれは気にしなくて良いです。
言葉の壁がある
メリットとして漢字がある程度読めて意味がわかると書きましたが、そうは言っても話したり、聞いたりするのは難関です。
言葉なんかわからなくても何とかなると言えば何とかなりますが、現地の人たちとコミュニケーションを取ってみたいと思っているのならある程度の学習は必要になります。
対策としてはPOCKETALK(ポケトーク)を駆使すれば言葉の壁は打破できるのでこういった機器を使うのも手です。
あるいは語学留学で台湾の学校に通う手もあります。また最近はオンラインで台湾華語を手軽に学習もできます。私もHaotalksと言うオンライン台湾華語をチャレンジしています。
シニア世代になるとパソコンやスマホが苦手という人が多いかもしれませんが、そうは言っても現代ではスマホくらいは手にしているはずです。
そのスマホを有効利用しましょう。スマホは便利な翻訳機になります。
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参考台湾旅行用翻訳アプリ3選!これでもう中国語(台湾華語)で困らない
目次1 台湾って日本語通じるの?1.1 台湾で話す言葉は台湾語?1.2 台湾は親日国だが・・・2 翻訳アプリがあるとかなり便利2.1 Google 翻訳2.2 Microsoft 翻訳2.3 Voic ...
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若者と違い年齢を重ねると記憶力も理解力も低下していきます。それは仕方ないことですが、慣れれば使い方は簡単です。チャレンジしてみましょう。
衛生面の問題
衛生面では日本に劣ります。ゴキブリやネズミは多いですし、トイレでは使用後のトイレットペーパーを流さずにゴミ箱に捨てる習慣があります。
ゴキブリをできるだけ見たくない人は移住先で以下のポイントに気をつけましょう。
ポイント
- 低層階より高層階に住む
- 1階に飲食店がある建物の2階に住むことは避ける
- 近所に夜市がある場所の近くには住まない
トイレットペーパーは今は流せるトイレもありますし、流せる紙も販売されていますので、自宅はどうにかなるにしても、外出先ではどうにもなりません。やはり慣れるしかありません。
健康管理
台湾では毎日外食が当たり前になります。自炊するより安く済む上に、そもそもキッチンのないマンション・アパートが多いからです。
それはそれで良いとしても、食事の偏りが健康に影響を及ぼすことも考えられます。特にシニア世代は健康への留意が必要です。
外食だと好きなものばかり食べがちになります。バランスよく色々なものを食べる、野菜を多く食べるなどといったことを心がけましょう。
また、台湾で受けられるなら健康診断を受けましょう。無理なら日本に帰国時でも良いです。年に1度は健康診断を受けて、体調管理に生かしましょう。
また万が一の場合を考えて海外旅行保険も入っておいた方が良いかもしれません。
90日以内の短期プチ移住の場合はエポスカードがおすすめです。2023年より新型コロナの治療費も旅行者や外国人は自己負担となってしまいます。
新型コロナで治療、入院なんていうことになったら・・・。心配ですよね。
エポスカード
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ネット申し込み限定の特典あるかも?
持っているだけで大きな安心が手に入ります。発行無料ですので必ず持って行きましょう。
シニア世代の台湾移住で考えるべき問題
ネットで情報を漁る限り、台湾へ移住する人の多くは割と若い人(20〜30代)が多い気がします。
ワーホリや語学留学、仕事や台湾人との結婚。そんな若い人が多いです。
しかし実際はシニア世代(ここでは仮に55歳以上とします)で台湾に移住している人も結構いるようです。
なんでそういう情報がネット上に少ないかと言うと、シニア世代はネットでブログやSNSをやって情報発信する人が少ないからでしょう。
シニアで既に移住している人がいるということは今後移住を考える人もきっと多いかと思います。
老後は暖かい南国でゆっくりのんびりとしたい。そんな夢を叶えるには最適な選択の一つとも言える台湾移住。
上述のシニア世代の移住におけるメリットとデメリットを把握した上で、一体現実的にどのような問題があるのか把握しておきましょう。
台湾での問題
移住の方法
移住するためのビザをどうするかと言うのがまず問題になります。シニア世代で現実的なのは下記の3つの方法です。
この他にも起業家ビザや投資家ビザといったものも選択肢としてはありますが、ハードルが高い上にそれが可能な人は限られます。
やろうと思えばほぼ誰でも可能なのが下の3つです。
ビザの内容は予告なく変更になることもあるので、詳しくは台北駐日経済文化代表処のページをご覧ください。
ビザ
- 観光ビザでビザラン
- 退職者ビザ
- 語学留学ビザ
一つずつ確認してみましょう。
観光ビザ
観光ビザでのビザランが最も簡単な方法になりますが、デメリットもあります。
ビザランとは?
台湾への渡航は観光ビザ(パスポートのみ)で最大90日間の滞在が可能です。90日毎に台湾を一旦出国し、また戻ってくることを繰り返し、結果的に長期滞在を可能にするのがビザランです。
とりあえず住むところさえ確保すれば生活可能なのは大きなメリットです。
デメリットは携帯電話の契約、銀行口座作成、台湾の健康保険への加入などが難しくなることです。
あくまで住民ではなく、観光客扱いなのです。
なお、90日以内に1回台湾から出なくてはならないので、年間4回は渡航が必要になります。
日本でなくても良いです。香港でもシンガポールでも良いです。とにかく出国が必要なのでその渡航費用も必要経費として計算しておかねばなりません。
台湾からは日本を含め近隣各国にLCCが多く就航していますので、チェックしてみてください。
退職者ビザ
リタイアメントビザなどとも呼ばれています。シニア世代専用のビザです。最大180日間滞在可能で、期限が切れたら日本で再申請が必要です。
夫婦どちらかが55歳以上で既に退職者であることや一定の預貯金、年金受給資格の証明、無犯罪証明など必要な条件は多数あります。
現実的には書類などが面倒なこともあり、このビザを取得している人は少ないようです。
この退職者ビザを続けるとなると180日毎に日本で更新が必要になるので最低でも年2回の日本への渡航費用が必要経費となります。
語学留学ビザ
停留ビザで最大180日間滞在できます。台湾の指定の大学にある語学センターでの学習になりますが、世界中からシニア世代も多く来ているようです。
費用は大学によって若干の差はありますが、3ヶ月単位で10万円程度です。
旅行に行くだけなら問題ないですが、台湾で生活するとなるとある程度の日常会話くらいは話せたほうがベターです。
語学をある程度習得してから、ビザランまたは退職者ビザを利用すると言うのも手です。
シニア世代でもまた学生気分が味わえると言うのも魅力です。
また180日以上になる場合は台湾で居留ビザに切り替えることも可能です。
世界中から台湾に来た若い人たちとも交流できて、語学を学ぶと言うのは苦労もあると思いますが、これを楽しいと感じる人にはオススメです。
住む場所の確保
数ヶ月程度の滞在であればairbnbでの民泊が良いかもしれませんが、1年以上住む予定であれば賃貸マンションを借りた方がはるかに安くすみます。
中国語(台湾華語)が話せるレベル(もしくは友人に手伝ってもらえる)なら賃貸物件検索サイト591で探すのが良いと思いますが、そう言うツテのない場合は無難に日本語の話せる不動産屋に相談しましょう。
台北ならアパマン、エイブルなど。台中ならさくら不動産、楽房ホームあたりですね。
ただしこれらで扱う物件の多くは駐在員相手のファミリー向けになるので、やや高級賃貸物件が多めです。
メリットは何かトラブルが発生した時に日本語の話せる不動産屋が間に入ってくれるので安心感があることです。これは大きいですね。
また、住む場所もよく考えたほうが良いと思います。例えば仕事などで仕方ない場合を除いて台北に住むことは家賃、生活費にかなり負担がかかります。
シニアで老後を台湾でのんびり生活したいと考えるなら台北以外の街がお勧めです。特に台北である必要はないと思いますから。
どうしても台北の近くが良いならMRTで行ける範囲の新北市が良いですが、台中、台南、高雄だとかなり節約できます。
移住前にこれらの街に行ってしばらく滞在し様子を見ながら良く考えることをお勧めします。
生活費
生活費がいくらくらいかかると言うのを書いているブログを良く見かけますが、どのように生活するかによってそれこそピンキリです。
住むところの家賃さえピンキリなのに、それ以外の食生活や娯楽などで更に大幅に変わります。
夫婦2人だと節約した場合でも最低10万円以上はかかると思っていた方が良いでしょう。
娯楽や旅行も考えて、2人で少し余裕のある生活をするには15〜20万円くらいは必要になると思います。
日本での生活費のおよそ2/3くらいで生活できると言われています。
自分たちの身の丈に合った生活を考えて、月々どのくらいの生活費が必要になるのか考えておいたほうが良いです。
中華民國統一證號基資表の取得
これは何かというと日本で言うマイナンバーのようなもので、居留証を持っていない外国人にも発行される台湾のIDナンバーです。
パスポートと台湾の電話番号があれば誰でも申請できます。
生活していると色々なところでIDナンバーが必要になるので取得必須です。
例えば賃貸物件を借りる時、銀行口座・郵便局口座を作る時などに必要になる場合があります(最近は外国人が銀行口座を作るのは難関なようですが、郵便局口座は比較的簡単に作れるようです)。
また(ビザがないビザランでの移住でも)このIDナンバーとパスポート、日本の免許証などがあれば携帯電話会社のチャージ可能なプリペイド式SIMカードを入手することも可能なようです。
申請は移民署で行います。移民署の場所はこちら[中華民国内政部移民署]で確認できます。台湾各地にありますので移住先に近いところに行きましょう。
移民局で手続きをするなんてハードル高そうですが、移民局ですからみんな外国人です。対応する係員も慣れています。何とかこのハードルを超えましょう。
日本での問題
日本から離れてしまえばもうどうでも良いと言うわけにもいきません。日本国民である以上、対応しなければならない問題があります。
国民健康保険
これは保険料を払うか払わないかと言う選択になります。
払わない場合は、当然ですが日本で医療を受ける場合は10割負担になります。
いくら台湾に移住したとしても万が一大きな病気になってしまったら日本の病院に行きたいと言う人は払っていた方が良いでしょう。
シニア世代ともなると健康に留意しているとは思いますが、一方で身体にガタが出てくる年齢です。いざという時は帰国して日本の病院で安心したいという人も多いと思います。
払わないと言う人は民間の海外保険に加入しておくと言う手もあります。
なお、国民健康保険に加入しておくと、海外で怪我や病気をした場合の費用も日本帰国時に領収書など必要書類を持って申請すれば日本と同じ割合で払い戻すことも可能です。
国民年金
これも払わないと言う選択肢もありますが、払わないと年金受給時に満額は受け取れません。
基本的に年金は日本人の義務です。
台湾とは年金協定が締結されていないため台湾で払うと言う選択肢はありません。
後は個人の考え次第ですが、今後のことを考えるのならばこれは払い続けた方が無難だと思います。
国民年金保険料は毎年変動しますが、これは必要経費として考えておくべきだと思います。
国民年金保険料
令和3年度は16,610円/月です。年間で199,320円。夫婦2人だと398,640円となります。
なお、年金は通常なら65歳から受け取ることが可能です。
夫婦2人分の年金が満額受け取れるようになればそれだけで台湾での生活はかなり楽になるはずです。
住民票
日本に家があり、家族が住んでいる人はそのままでも問題ないですが、賃貸の場合は解約することになるでしょう。
その時住民票は実家や親族の家などどこかに登録しておくか、もしくは海外転出届を提出することになります。
海外転出届を提出すると
- 住民税がかからない
- 国民健康保険は加入できない
- 国民年金は任意
となります。住民税が不要になるのは大きいですね。国民年金は任意になるのでどちらでも可能ですがこれは継続するとして、問題は国民健康保険に入れないことです。
そうなると最低でも民間の保険会社やカード会社の海外保険などへの加入は必須となるでしょう。
裏技として日本で医療機関を受診することになった場合は、その時に住民票を戻すと言うことも可能です。
海外転出届を提出するかどうかは要検討ですね。
その他
納税
もう退職していて仕事はしないと言うことであれば問題ないですが、台湾で働くことになって就労ビザを取得した場合は台湾に納税することになります。
またビザランや退職者ビザ、語学留学では基本的に台湾で働くことはできません。不法就労になってしまいます。
フリーランスのノマドワーカーで日本から収入を得ている場合は日本に納税します。例えばブログやクラウドソーシングなどの収入や賃貸物件を貸していて不労所得があれば日本で引き続き納税が課されます。
日本の場合は年間で48万円以上の所得(収入-経費)があれば確定申告が必須となりますのでご注意ください。
税金について判断が難しい環境にある方は税理士など専門家に相談するか、最寄りの自治体の税務署で聞いてみましょう。
永久居留証
上述した3つのビザでは何年台湾に滞在しても永住権はもらえません。
就労ビザなどで7年(年間183日以上滞在)、台湾国籍保有者との結婚で5年などルールが決まっています。
どうしても永住権が欲しい人はビザから考え直すしかありません。
なので普通の方法での移住はあくまで長期滞在者という感じになりますね。
日本人として台湾に滞在させてもらっているという感謝の念を忘れずに、また台湾に迷惑をかけることのないよう心掛けたいものです。
感想&まとめ

台南市神農街
移住するのであれば事前にリサーチは欠かせないと思っています。
メリット、デメリットを理解し、そして考えなくてはならない問題を解決してやっと移住ができます。
徹底的にリサーチして可能な限りの不安を払拭しましょう。
そして移住する候補となる街にある程度の期間滞在して、その街の住みやすさや雰囲気を確認しておきたいですね。
最後に
明らかに日本ではないのに、なぜか懐かしさを感じ、モノに人に親近感を感じます。逆に不安視していることはやはり言葉の壁ですかね。
言葉は何とかカタコトでも日常会話くらいは話せるようになりたいですね。中国との関係は今後どうなるのかわかりませんが、今のままの台湾は残って欲しいと願っています。
理想は台湾で住むところを確保した上で、日本と台湾を行ったり来たりの生活。老後はそんな生活ができたらなあと思いますが現実はなかなか難しいかな。
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