
私は台北新四国八十八ヶ所霊場の研究を始め、ネットで(ほぼ台湾からの)情報を集め、台湾の国立図書館などで古い資料を閲覧してきました。
一方で現在入手可能な書籍は非常に限られています。
今回は、私同様に研究したいというかなりマニアックな人向けに、それらの書籍を紹介したいと思います。
台北新四国八十八ヶ所霊場についての最新情報は霊場タグから検索してみてください。
目次
全ては一冊の本から再注目されることに
事実上1945年に終焉を迎えた台北新四国八十八ヶ所霊場ですが、その後は石仏は盗まれたり、廃棄されたりもする一方で、霊場自体の記憶も台湾人の中では薄れていきました。
終戦時から世代も変わり、記憶は受け継がれることはほとんどありませんでした。
しかし1冊の書籍が日本との絆を大切にしたい、あるいは日本統治時代の歴史に興味のある一部の台湾人の眼を覚ますことになります。
「宗教造型與民俗傳承」林承緯
林承緯氏は大阪大学大学院博士課程を修了し、この書籍発刊当時は国立台北芸術大学文化資源学院の助理教授という肩書きで、人文学や民俗学の権威。
現在は国立台北芸術大学文化資源学院の学院長であり教授。そして日本でも江戸川大学の教授を務め、國學院大学大学院、関西学院大学大学院でも教鞭を取っています。
林氏は2012年に「宗教造型與民俗傳承」を発行。

この本は日本統治時代の台湾の庶民信仰について書かれた内容で、四国八十八ヶ所や西国三十三観音霊場の写し霊場などについて、初めて書籍化され、台湾人の関心を集めました。
台湾では日本が残していったものを大切に保存し、あるいは修復してリノベーションして使うということが一般的に行われています。
台湾各地に残る日本統治時代の建物や老街などを見ればわかると思います。
この本がきっかけになり台北新四国八十八ヶ所霊場も再脚光を浴びることになったのです。
現在はこの本に影響を受けた台湾人有志が新たな石仏をいくつも発見し、当時の遍路道を歩くツアーも開催されています。
「從弘法寺到天后宮」王曉鈴
王曉鈴さんは元旅行記者で、現在は日本旅行に関する書籍を書いたりしています。
彼女は艋舺の生まれで小さい頃から龍山寺あたりで遊び、そして同時に信仰について身を持って経験してきました。

この本は、王さんが馴染みのある台北天后宮のお話。かつて弘法寺であったここは、台北新四国八十八ヶ所霊場の1番札所でした。
弘法寺関連で台北新四国八十八ヶ所霊場にスポットを当て、現在の石仏所有者にインタビューなども含めた実地調査を行なっています。
また、日本統治時代から残る寺廟など、日台の歴史を織り交ぜた内容です。
「台北新四国八十八ヶ所霊場:残された石仏を訪ねて」小林暢夫
拙著です。私は学者ではありません。単に台北新四国八十八ヶ所霊場を研究している民間人です。
ただ、日本に台北新四国八十八ヶ所霊場に書かれた書籍が1冊もないので、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思い、私が書いてみたのです。

実際に現在残されている石仏を訪ねて台湾を歩く様子を旅行記風に書いています。フィールドワークで得た情報を全て書き記しています。
台湾に慣れていないけど、行ってみたい人向けに詳しいアクセス方法も記載していますので、ある意味ガイドブックでもあり、また学術的側面もあります。
写真が多く(200枚以上)、全ページフルカラーなので、ペーパーバック(紙の本)は高額になってしまいごめんなさい。
なお、台北新四国八十八ヶ所霊場の新情報が入り次第、年1回を目処に内容を更新しています。
「台北新四國遍路尋跡之旅」台北新四國遍路同行二人工作室
これは本というよりハンドブックのようなものです。
台北新四国八十八ヶ所霊場とはどういうものなのか、日本の四国八十八ヶ所のことも含めて記載されています。
また現在発見されている台北新四国八十八ヶ所霊場の石仏の情報や、ツアーの情報などもあります。

特に注目すべき新情報が掲載されているわけではありませんが、要点が良くまとまっており、カラーで見やすい本です。
ただ入手方法については日本から取り寄せはできないので、台湾まで行く必要があります。
販売場所は西門紅楼前にあります。先日購入してきましたので、詳しく案内しておきます。

台北旅行の定番観光スポットでもあるので、西門紅楼は多くの人が行ったことがあると思います。
西門紅楼自体も日本統治時代の建物です。

西門紅楼の前にはいくつかのお店が並んでいますが、その中に上記の花屋があります。ここで売っています。

「花」と書かれた大きな看板の横にこのハンドブックの案内があります。

上を見ると台北新四國遍路同行二人工作室と書いてあります。
つまり、この花屋のご主人が代表を務めているようです。
ご主人は、日本人がわざわざ買いに来てくれて嬉しかったのか珍しかったのか、終始ニコニコしてくれて、連絡先を教えてくれと言うので、一応教えました。
台北新四國遍路同行二人分享處という公式facebookグループがあるのですが、恐らく日本人で参加しているのは私だけだし、購入してくれた日本人も恐らく初めてだったのだろうと思います。
「台北新四国八十八ヶ所霊場」入手可能な関連書籍まとめ

台北新四国八十八ヶ所霊場の資料を集めようとするまでの人はなかなかいないとは思いますが、どこかの誰かの参考になればと思い、記しておきました。
今後、新たな書籍が販売され入手できた場合には、このページに追記して紹介いたします。
実際に行ってみたいという人や最新情報を確認したい人はまずは下記ページを読んでみてください。
→ 台北新四国八十八ヶ所霊場石仏を見に行くための巡拝ガイドブック
台湾では上述した2012年の林承緯教授の書籍が発行されて以降、有志の間で様々な情報交換がなされており、主にfacebookで情報が公開されています。
SNSでは日本人はX利用者が多いですが、台湾ではfacebook利用者が圧倒的に多いのです。
台北新四国八十八ヶ所霊場の最新情報を入手するなら、facebookの関連ページをチェックしてみましょう。
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