沖縄から台湾に行く船はあるのか?
沖縄からだろうがどこからだろうが、今や多くの人は台湾へは飛行機で行くと思います。しかし飛行機は苦手という人もいますし、のんびりと船旅を楽しみたい人もいます。
本州と違い、沖縄は台湾に近いです。隣県と言っても良い位置です。那覇空港からなら福岡空港に行くより桃園空港の方が近い場所なのです。きっと船旅もできる?
2024年の現在、沖縄から台湾へ船で行けるのか?その疑問にお答えします。
沖縄と台湾を結ぶフェリー(高速船)
結論から言うと沖縄から台湾へ行くフェリーは現在存在しません。沖縄本島からも石垣島からも宮古島からも台湾に行くフェリーは出航していません。高速船ももちろんありません。
フェリーと高速船の違い
フェリーの方が速度が遅いです。大雑把に言うとフェリーで2時間かかる航路ならば、高速船で1時間。ただし高速船の方がフェリーの2倍の料金になります。
2008年までは那覇から基隆まで就航していたフェリーが存在しました。しかし運行していた有村産業という会社が倒産してしまい、その後この便は消滅しています。
有村産業
1950年に会社設立後、主に宮古島や石垣島そして台湾を結ぶフェリーを就航していたが1999年に経営破綻。その後、会社更生法により再建中であったが、2008年原油価格の高騰の煽りを受け完全に破綻。フェリーも動かなくなってしまった。
沖縄県の八重山列島や宮古列島への船舶が消滅し、これらの島々へも現在は飛行機でのアクセスのみとなっています。(貨物船は運行しています)
一時期は有村産業のフェリーが名古屋、大阪から那覇や石垣島を経由して基隆や高雄の港まで運行していましたが、残念な最後となってしまいました。
しかし沖縄の島々を経由しての台湾への便は需要はあると思いますので、今後どこかの会社が就航してくれることを願います。
石垣島から基隆へのフェリー2025年秋に就航
石垣島から台湾の基隆市へ向かう定期高速船が計画されています。(2023/6/21八重山毎日新聞社)
こちらは2023年7月に検討委員会を立ち上げていましたが、何だかすごい勢いで話が進んだ様子で、2024年に開設するという報道もあります。(2023/12/27琉球新報)
距離は約230キロ、まずは週3〜4回の就航を想定も、需要があれば1日1回の就航もあり得るそうです。
航路で使用する船舶はかつては日本の企業が保有していたナッチャン・レラ号の予定でしたが、これは売却されてしまったらしく(2024/3/24沖縄タイムス)、現在は韓国のPANSTAR DREAMという大型クルーズ船が最有力候補。
ナッチャン・レラ号は高速船でしたので片道5時間と言われていましたが、PANSTAR DREAMは客船なので7〜8時間要するらしいです。
ちなみにPANSTAR DREAMは現在大阪から瀬戸内かを通って釜山に行く航路を運行中で、こちらにその詳細がありますので、どんな船なのかチェックしてみてください。
船内にはサウナ付きの大浴場、レストラン、コンビニ、免税ショップなどを完備したなかなかの船のようです(2024/5/24沖縄タイムス)。
どうやら与那国島からの就航より早く実現しそうな勢いです。2024年初めには石垣市役所に定期航路開設準備課が設置されたそうです。
2025年秋から就航
韓国のPANSTAR DREAM号を購入し、2025年に秋の就航に向けて動き出しました。(八重山毎日新聞社2024/8/28)
予定では週に3往復6便、片道8時間程度。夜に石垣島を出発し、朝に基隆に到着するイメージのようです。
料金は1万円〜数万円程度。
本土から石垣島観光に来て、その後に台湾観光に行けてしまう新しい観光ルート実現までもう少しと思われます。
石垣島なら那覇だけでなく、羽田、成田や中部セントレア、関空、福岡からの路線もあるので、例えば、東京から石垣島に来て海や自然を満喫した後に、台湾の基隆にフェリーで行き、基隆や台北観光をしてから飛行機で東京に戻るような観光コースができあがります。
羽田空港 → 石垣島 → 基隆 → 松山空港 → 羽田空港
というような旅行も簡単に可能になります。これは旅行会社のツアー担当者も手ぐすね引いて待っていそうですし、確かに魅力的ですね。
与那国島から花蓮への高速船計画も進行中
与那国島は台湾まで110kmの距離にある島です。天候の条件が良ければ与那国島から台湾が見えることもあるくらい近い場所にあります。日本で最も西にある島です。
ちなみに与那国島から那覇は500km離れています。宜蘭(110km)や花蓮(150km)の方が近いですね。
与那国島はかつての日本統治時代は台湾との船での交流が盛んでしたが現在では途絶えています。これを高速船を使って行き来できるようにしようという計画が持ち上がっています(2020/9/28J-castニュース)。
日本統治時代は与那国島はある意味台湾に依存しながら生活していました。船で簡単に行ける距離であることから、学校や医療、仕事の面での往来が多く一つの生活圏のような状態で、まさに隣県状態であったのです。
その後、日本の統治が終わると交流も衰退しましたが、現在は与那国町は花蓮市と姉妹都市となっており、花蓮市や宜蘭、台東との間でこの計画を進めようとしています。
しかしコロナ禍で計画が思うように進まずでしたが、2022年(沖縄タイムス)も2023年(読売新聞オンライン)も静かにこの計画は進行しており、台湾側も乗り気なようですので、実現の可能性はあります。
台湾の東側である宜蘭、花蓮、台東もそして与那国島も人口は少ないものの、行き来できるようになればお互い新たな価値を創造する観光ルートも生まれ、活性化するのではないかと期待しているようです。
実現したとしても那覇から与那国島へは飛行機で80分ほどかかります。そこからフェリーに乗り換えて花蓮市に行くとなると更に2時間程度は乗船することになります。
かなりの手間と時間と労力がかかり大変ではありますが、あえてこのコース(日本最西端から台湾)で行きたい人もきっといるでしょう。逆に台湾からも観光客を呼び込めそうです。
「那覇から台湾」よりも先に「与那国から台湾」へが実現するかもしれません。
続報に期待です。
続報追記
与那国-花蓮間の高速船が早ければ2024年3月に実証実験を行うことになりそうです。
韓国の釜山と長崎県の対馬はフェリーが行き来していますので、そんな感じを目指して経済発展に繋げていきたいようです。
既に台湾、日本それぞれの議員が往来をしており、日本の議員達(日華議員懇談会)は蔡英文総統を初め政府要人とも会談しています。
結構ガチでこの話が進捗しているようなので、そう遠くない未来に定期航路が実現しそうな感じです!
更に続報
2024年3月に予定されていた高速船の実証実験は5〜6月に延期されたそうです。(沖縄タイムス2024/3/21)
沖縄と台湾を結ぶクルーズ船
フェリーや高速船は現在のところ運行していませんが、実はクルーズ船は就航しています。
いわゆる豪華客船での船旅です。多くは横浜や神戸を出発し、基隆に行く途中に那覇や石垣島に立ち寄る感じなのでこういった便は那覇から乗船することはできません。
例えばこんな船便です。一生に一度くらいはこんな豪華客船の船旅も良いですね。
→ 【JTB】ダイヤモンド・プリンセス 南国リゾート 沖縄・台湾クルーズ 10日間
日程の目安は横浜発着だと7〜10日程度、料金は10万円〜50万円くらいです。
しかし那覇を出発し、宮古島や石垣島に寄って基隆に行き、再び那覇に戻ってくる便も存在します。
→ 台湾・基隆と那覇結ぶ大型クルーズが就航 3カ月で13往復(フォーカス台湾)
片道だけの利用も可能なようですね。参考料金はこちら。意外と安いかも?
2023年はまだコロナ禍の影響が残り一部の便は欠航しましたが、2024年にはほぼ元通りになるようです。
那覇を発着、経由する最新の寄港情報は下記をご覧ください。
おすすめサイト
那覇を経由し、台湾へも向かうダイアモンド・プリンセス号やMSCベリッシマ号などの最新情報やクチコミ情報は日本発着クルーズ旅行の魅力を丁寧に紹介している下記サイトがおすすめです。
国際便の寄港地「那覇クルーズターミナル」
那覇空港からタクシーで10分ほどの那覇港の一角にあるのが那覇クルーズターミナル。大型客船はこのターミナルに寄港します。
徒歩だとゆいレール県庁前駅から約15分程度。若狭海浜公園の前にあります。ここから歩いてすぐ行けるところとしては波の上ビーチや波上宮があります。
1週間以上の休みなんて取れないので、那覇まで飛行機で行ってからクルーズ船の旅を楽しみたい人もいると思いますし、船旅の途中で寄港する人もいると思います。
那覇の国際通りあたりの市街地へ行く手近なバス停はないので、タクシーを使った方が良いです。タクシーが捕まらなくても沖縄はUberやDiDiも使えますので車で市街地や近隣の観光地に是非立ち寄ってみてください。
数時間の那覇滞在かもしれませんが、結構いろんなところに行けますよ。
沖縄・台湾間の船はあるのか?まとめ
沖縄から台湾へ行く船についてまとめると、フェリーや高速船は現在存在しないが、クルーズ船はある、ということになります。
クルーズ船の旅で台湾に行くなんて時間とお金がないと無理と思うかもしれませんが、那覇からであれば可能かもしれません。一度くらいは乗船してみても良いかもしれませんね。
また与那国島と花蓮を結ぶ高速船や、石垣島と基隆を結ぶ高速船の定期就航にも期待が持てそうなので、実現したら旅好きの人は是非行ってみてください。
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