
台北新四国八十八ヶ所霊場とは、日本統治時代の台湾で日本人によって創設された写し四国霊場。
札所として機能した石仏の幾つかは今でも残されており、私はここ数年残された石仏を訪ねる旅をしています。
台北新四国八十八ヶ所霊場について詳しく知りたい人は、霊場タグの過去記事から読んでみてください。
今回は2度目の訪問になりますが、台北市北投にある北投文物館へ。
長い間個人所有のため非公開となっていた69番の石仏を見に行きました。
2025年4月に北投文物館で公開されました
残された石仏の内、個人所有のため公開されていない石仏は幾つかあり、69番の石仏も林承緯氏の著書「宗教造型與民俗傳承」に画像が掲載されていたことから、その存在は有志の中でも知られてきました。
その個人所有であった69番石仏がどういう経緯で北投文物館で突如公開となったのかは定かではないですが、北投文物館には既に40番と66番の石仏が保存されていることもあり、所有者が寄贈したのかもしれません。
2023年に上述の40番と66番の石仏を見に北投文物館に行ったことがあった私は、再び北投に向かいました。2026年2月のことです。
以前訪れた時のお話は下記です。
→ 【台北新四国八十八ヶ所霊場】残された石仏を訪ねて〜北投編
ランチに刈包
以前来た時も少し散策したので、多少の土地勘はありました。
北投駅に降り立った私は、少し腹ごしらえしてから石仏を見に行こうと思い、市場方面に歩きました。

北投市場の周辺には結構飲食店がありますが、市場に着く前に刈包のお店を見つけました。軽食で良いと思っていたので、これにしました。

刈包は台湾式バーガーと言われる食べ物で、台湾各地で食べることができます。
私も過去に何度か食べたことがあり、大変美味しかったので、ここの刈包も食べてみようと思ったのです。

それほど期待せず食べましたが、これが抜群に美味かったのです。少なくても今まで食べた刈包ではトップ。柔らかい生地に挟まれた豚肉、ピーナッツ粉、パクチーが絶妙なバランス。驚くほどの美味しさでした。
しかし、現時点(2026年7月)ではこのお店は閉店してしまっているようで、移転先を模索中とのこと。
屋台に毛が生えたようなお店でしたので、何らかの事情で立ち退きになったのかもしれません。
しかしこれだけ美味しいのなら地元の顧客が付いているはずなので、そう遠くない場所に移転するはずと思います。坤儀刈包というお店です。北投のどこかで見かけたら食べてみてください。
北投文物館へのアクセス
北投文物館は、日本統治時代の建物を使った博物館で、日本統治時代を含む歴史のある物を展示し、またカルチャーセンター的なこともしているところです。
アクセス方法は台北MRT淡水信義線北投駅からバスの「230」または「小25」に乗車し、北投文物館で下車。
今回紹介する69番石仏は、建物内に安置されていますので、観覧には入場券が必要になります。(40番と66番は建物外にあるので入場料不要で見ることができます)
私はバスで行く予定でしたが、刈包を食べて、向かいのカフェでお茶してたら、開門時間に間に合わなくなってきたので、Uber呼んで向かいました。
北投文物館に到着
バス停からだと1分くらい歩くと到着します。ちょうど開門した時間でした。

この入口と奥の建物を見る限り、まるで日本です。北投文物館の建物は日本統治時代は佳山旅館という温泉宿だったものをリノベーションしたものです。

建物入口前には40番と66番、そして弘法大師の石仏があります。
前回訪れた時にはなかった案内プレートが置かれていました。これは大変嬉しいことでした。
何もないとほとんどの観光客はこれらがどういうものなのか全くわからなかったと思います。前回来た時も誰は見向きもしていなかったのです。

しかしこれがあることで、台北新四国八十八ヶ所霊場の認知度も上がります。実際何人かの恐らく台湾人観光客がこの説明を読んでいました。
北投文物館には台北新四国八十八ヶ所霊場を世に知らしめた林承緯氏のお弟子さんがいるらしいので、彼が作ったのかもしれません。
中国語繁体字と英語での説明がありますが、日本語もあるともっと良かったかなと思います。

入場料は120元。靴を脱ぎ、渡された靴下をスリッパ代わりにして館内へ。
館内は宴会ができそうな大きな部屋があったり、台湾の歴史に関わる展示物があったり、2階では催し物か文化体験教室のようなものが開催されていました。
私が向かったのは中庭にある69番の石仏です。

中庭は日本庭園風になっており、そこに石仏が安置されています。ただし、外にある石仏と違い、案内板などはありません。

しかし、この石仏は直に見ることはできません。中庭に面した窓越しに見るしかないので、つまりは触れることはできませんが、360度から見ることはできます。
石仏の下部には六十九番観音寺と記されています。台北新四国八十八ヶ所霊場の石仏で間違いありません。
少し傷ついているところも見受けられますが、状態はそんなに悪くないようです。
残された石仏はこのように突然公開されたり、どこかで新たに発見されたりすることが最近でも毎年のようにあり、今年に入ってからも新たに83番の石仏が陽明山中で発見され、現在は北投普済寺に保管されています。
今後もそういったことはありそうな気がします。
さて、帰りはとりあえずバス停に行ってみました。

長い時間待つならUber呼ぼうと思いましたが、7分待ち。
これくらいなら待てるので、バスに乗って北投駅に戻りました。
ちなみに台湾のバスは始発以外のバス停の時刻表はあってないようなものですが、このように「後何分でバスが到着する」という表示があることが多いです。それを見て確認しましょう。
しかしこういう表示がないバス停もあります(特に地方のバス)。遅れるのならまだわかりますが、台湾のバスは乗降客がいないとバス停をどんどん通過し、時間調整をしません。
つまり時刻表の時間よりも早く出発してしまうこともありますので、早めにバス停に到着してバスを待つことが肝要。リアルタイムでバスの位置がわかるアプリもあるので活用しましょう。
例えば下記。完全日本語で使いやすい無料アプリです。試してみてください。
→ 「台湾トラベル by NAVITIME」台湾旅行必須アプリが登場
台北新四国八十八ヶ所霊場69番石仏まとめ

このように新たに見つかったり、公開される石仏があるため、私は何度もそれを見に行かなくてはならず大変です(でも嬉しい)。
69番石仏は日本統治時代は陽明山の中の紗帽山にあったとされていて、終戦後どのような経緯があったのかは不明ですが、少なくても2012年には淡水の個人宅で保管されていました。
そして今はこのような場所で再び多くの人の目に触れています。私のようにこの石仏がどのようなものかわかっている人も少なからずいます。石仏としても感無量だろうと思います。
上述していますが、今年新たに発見され公開された83番の石仏も北投普済寺にあるので、私はまたいつか北投に行かなくてはならないようです。
新規公開された石仏が増えているので、北投にはかなりの数の石仏があります。初めて行く人はまとめて見ることができます。当時に思いを馳せながら参拝したい人は下記を参考に行ってみてください。
→ 台北新四国八十八ヶ所霊場石仏を見に行くための巡拝ガイドブック
台北新四国八十八ヶ所霊場の詳細がわかる日本で唯一の本ができました。拙著です。ぜひ読んでみてください。
