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【台北新四国八十八ヶ所霊場】残された石仏を訪ねて〜北投編

2023年10月25日

台北新四国八十八ヶ所霊場シリーズその2「北投編」

石仏を訪ねて北投へ

石仏を訪ねて北投へ

台湾にも四国八十八ヶ所霊場の写し霊場がかつて存在していました。

四国八十八ヶ所霊場の札所のご本尊の石仏を造り、それを札所として巡拝していたのです。

しかし、多くの石仏は遺失してしまいました。この記事は残された石仏を訪ねる企画第2回目です。

第1回目の記事は下記リンクの1番上ですので、まだ読んでいない方はまず下記をどうぞ。台北新四国八十八ヶ所霊場とは何?という概略もあります。

今回は台北市北投区の3ヶ所の場所を訪ねました。

「台北新四国八十八ヶ所霊場」北投龍雲寺

私が行ったのは2023年10月19日。1年ぶりに台湾に到着したその日でした。

歩くのが好きな私は本当は北投駅で降りて、ランチを食べてからのんびり歩いて向かうつもりでしたが、まさかの飛行機の遅延、更に入国手続きが激混みでトータル2時間近いロス。

北投駅で下車後、仕方なくコンビニで買ったサンドイッチを食べながらUberを呼んだら、30秒で到着してしまったので、慌ててサンドイッチを飲み込みながら乗車しました。

実際、結構な上り坂なので、Uber呼んだ方がベターだったと思います。台湾ではタクシーよりUberおすすめです。

→ 台湾ではタクシーよりUber taxiがおすすめ!使い方とメリット

北投龍雲寺のYouTube動画

動画もぜひご覧ください。

北投龍雲寺へのアクセス

駅前とかではないので、アクセス難易度は高めです。しかもこのお寺はAppleのMapやYahoo!Mapなどでは表示されません。

非常に小さな、忘れ去られたようなお寺で、観光客が来るわけでもない場所です。Google Mapでのみ表示されます。

北投駅から車で10分少々で到着しましたが、歩くと1時間近くかかると思います。私は北投駅からUberに乗ってしまいましたが、最寄駅は新北投駅です。

単に乗り換えるのが面倒くさかったからです。

バスで行く場合は北投駅から「小25」または「230」で北投文物館で下車。そこから徒歩10分程度歩く感じです。

北投龍雲寺の中にある81番を探して

北投龍雲寺入口

北投龍雲寺入口

Uberの運転手が「この辺かなあ」という祠の前のところで降りました。その祠は北投不動明王石窟というところで、これも日本統治時代の遺物があるようでしたが、今回の目的とは違うのでスルー。

そこから更に50メートルほど奥に歩いた場所にこの案内板がありました。

つまり道路沿いにお寺があるわけではないのです。この案内板を見つけないと辿り着けません。

北投龍雲寺入口

北投龍雲寺入口

案内板の横の鬱蒼とした階段を登っていくと正面に扉がありました。最初は「ここなのかな?」と思って扉を叩きましたが、何も応答がありません。

右手を見ると塀があるもののお寺らしき建物があります(別のお寺でした)。

しかし左手を見ると龍雲寺と書かれた門がありました(上の写真の場所です)。「こっちか!」と思い、開けようとしましたが、門は開かず。

ドンドンと門を叩き、応答を待ちましたが、隣の家の犬の鳴き声しか聞こえません。

そうそう、犬と言えば、先ほどの案内板のあるところまで来ると道路沿いの家の犬がワンワン鳴いてきます。

これは庭の中なので問題ないですが、道路には野犬なのか、首輪を付けない近所の犬なのかわかりませんが、犬がワンワン鳴いて寄ってきます。野犬だと危険なので注意が必要です。(台湾では市街地から外れた場所にたまに野犬が普通にいます)

さて、門が開かないので、一瞬諦めかけましたが、日本からわざわざこんな遠くまで来たのです。そう簡単に諦めるわけにはいきません。

ふと門の横を見るとインターホンらしきものがありました。ダメもとでボタンを押したところ、子供の声で応答がありました。

「私は日本人です。日本の石仏を見たいのです。見ることはできますか?」と中国語で聞くと、門の鍵が自動でガチャ!と外れました。(中国語が話せない場合はGoogle 翻訳などでお願いしましょう)

恐る恐る門の中に入りました。

北投龍雲寺の中

北投龍雲寺の中

草木で鬱蒼としている道を進んでいくと、階段があり、ここを登りました。

北投龍雲寺本堂

北投龍雲寺本堂

これが北投龍雲寺の本堂です。かなりボロく、屋根も壊れています。訪れる人もほとんどいないのでしょう。そもそも門が閉まっているので用のない人は勝手に入るな、という意思を感じます。

とりあえず本堂の前で手を合わせました。そして本堂に向かって右側に探し求めてきた石仏が安置されていました。

北投龍雲寺にある81番石仏

北投龍雲寺にある81番石仏

一応屋根付きの場所に安置されており、台座もあります。小さな香炉には線香もあるので、きっと龍雲寺のご住職が毎日手入れをしているのでしょう。

石仏の表側は補修のためなのか白く塗られていました。しかし81番サヌキ白峯寺の千手観世音菩薩像で間違いありません。

ちなみに石仏に色を塗ったり装飾したりするのは、中華圏では珍しいことではなく、石仏の老朽化を防ぎ綺麗に保つことが霊力を高めることに繋がるそうです。

この石仏を日本人がネット上で紹介するのは、史上初です。つまり日本初公開。ちなみに今回行った北投の3ヶ所の石仏全てがおそらく日本初公開です。

北投龍雲寺は当時は札所ではなかったはずですが、霊場が廃絶となった時に、当時のご住職が引き取ってくれたのでしょう。大切に保存していただき、感謝です。

写真撮影をしていると、先ほどインターホンで応対してくれたと思われる男の子が出てきてくれました。

私が挨拶すると、ニコニコしながら無言でどこかに行ってしまいました。「変なやつではなさそうだ」と確認したのでしょうか。

でも今日は木曜日の昼間。平日なのに小学校は休みなのかなと少し心配しました。

北投龍雲寺は色んな意味で難易度が高いです。アクセスも不便な上、場所もわかりにくい。周辺には野犬が出る。そして恐らく常時門を閉じているので、インターホンでお願いしないとダメ。

留守だったらもうアウトです。子供がお留守番してくれていて良かったです。

「台北新四国八十八ヶ所霊場」北投文物館

北投文物館

北投文物館入口

北投龍雲寺から歩いて10分くらいの場所に北投文物館があります。山を下っていく感じなのですぐです。

ここは日本統治時代の木造建築がそのまま残り、日本統治時代のものを集めた小さな博物館です。

時間があれば見学していきたかったのですが、今回は石仏だけを探しにいきました。

北投文物館へのアクセス

北投駅や新北投駅からなら北投龍雲寺より少し近いので、車で10分かからないでしょう。

バスの場合は北投龍雲寺と同じく、「小25」または「230」のバスで北投駅で乗車し、北投文物館で下車します。そこからは徒歩1分くらいです。

北投文物館の石仏の動画

北投文物館の2つの石仏と弘法大師像の短い動画です。こちらもぜひご覧ください。

北投文物館にあるはずの石仏を探して

北投文物館は建物に入るには入場料が必要ですが、お目当ての石仏は文物館の建物入口前に安置されていました。つまり入場料は不要です。

ここには40番観自在寺の薬師如来像、66番雲辺寺の千手観世音菩薩像、そして弘法大師像があります

北投文物館の40番石仏と弘法大師像

北投文物館の40番石仏と弘法大師像

実はこの40番観自在寺の薬師如来像と弘法大師像は近年になり、陽明山の山中の崖で見つかり、2022年11月になってこの地に移設されました。

上の画像はFacebookに投稿された陽明山の山中にあった時の画像です。

北投文物館の66番石仏

北投文物館の66番石仏

40番石仏と弘法大師像のすぐ横には66番雲辺寺の千手観世音菩薩像の石仏がありました。66番の石仏もきっとどこかで発見され、ここに移設されてきたのでしょう。

特に案内板とかは何もなく、北投文物館のホームページにも記載は見当たらず、私がここにいた間も何人も観光客が来ましたが、誰も見向きもしていませんでした。

保管してもらっていることは大変感謝していますが、どうせなら案内板くらいは設置しても良いような気がします。

ここは北投です。温泉地で観光地であり、日本人も多く訪れます。しかもここは日本統治時代のものを残した博物館です。

これらの石仏を展示物の一つとして紹介すれば、この博物館の売りの一つになると思うのです。四国八十八ヶ所のことは日本人の多くが知っています。きっと喜ばれると思うんですけどね。

「台北新四国八十八ヶ所霊場」北投普済寺

北投普済寺

北投普済寺

北投文物館から徒歩12分ほどで北投普済寺に到着します。

当たり前ですが、お寺は仏教の宗教施設です。しかし台湾のお寺は道教と融合し、あるいは儒教の影響も受け、それらの神様を同じ場所に祀ることも多く、例えば台北の龍山寺などはそんな感じです。

北投普済寺はそういう感じは一切なく、純粋に仏教のお寺の雰囲気です。

北投普済寺へのアクセス

最寄駅は新北投駅。北投駅からでも新北投駅からでも車なら5分。歩いても20分くらいでしょう。

バスで行く場合は北投駅から「市民小巴2」に乗車し「普済寺」で下車、すぐ目の前にあります。

北投普済寺の88番石仏の動画

こちらも動画を撮影してあります。どうぞご覧ください。

88番大窪寺の薬師如来像

北投普済寺

北投普済寺

道路から階段を上がっていくと右手に門がありますので、ここを進みます。

北投普済寺

北投普済寺本堂

本堂です。あまり台湾の雰囲気は感じません。質素な色合いで落ち着いたお寺。境内も良く手入れされていて綺麗なお寺です。

本堂は実は鐡真院時代に建造されたものがそのまま残っているので、日本らしいのは当たり前かもしれません。1988年には台北市指定古跡になりました。

鐡真院は1916年の創建時は臨済宗の布教所として創建され、1934年に臨済宗妙心寺派となりました。

戦後に普済寺になってからはチベット仏教や浄土宗の住職がいた時期もあり、70年ほど臨済宗との交流はありませんでした。

しかし2008年には花蓮にある百丈山力行禪寺、また2017年には日本の京都妙心寺霊雲院との兄弟寺となっています。

ネット上の情報では普済寺のことを真言宗や禅宗と表記している記事がありますが、真言宗であったことは一度もありません。

禅宗というのは間違いではないですが、そもそも臨済宗は禅宗の一つです。正確には現在は臨済宗妙心寺派です。湯守観音という北投温泉の守り神が有名なお寺です。

北投普済寺の88番石仏

北投普済寺の88番石仏

本堂に向かって左手の方に進んでいくと立派な台座の上に結願の札所であるサヌキ大窪寺の薬師如来像の石仏がありました。

北投普済寺の88番石仏

北投普済寺の88番石仏

結願の札所である88番石仏は霊場創立時は北投鐡真院にありました。現在の北投普済寺です。

この88番は長らく行方不明で、遺失したと思われていましたが、2019年に陽明山にあるパイナップル農家の路傍で発見されました(発見者はGoogle ストリートビューで石仏を発見し現地で確認したそうです)。

88番石仏は一説によると鐵真院の本堂が1934年に大改修する際に近くの善光寺に移設されたそうです。そしてそのまま終戦まで善光寺に安置されていたとも言われています(諸説あり)。

そんな88番石仏がどういう経緯でパイナップル農家に渡ったのかはわかっていません。

とにかく石仏は今年2023年4月に北投普済寺に里帰りしたのです。(農傳媒2023/5/5

台北新四国八十八ヶ所霊場北投編まとめ

北投文物館の石仏と弘法大師像

北投文物館の石仏と弘法大師像

少し台湾の知識がある方は知っていると思いますが、北投と言えば有名な温泉地です。

先日、台湾人に「北投に行った」という話をしたら「温泉?いいね!」と言われました。「お寺に行っただけ」というとちょっと驚いていました。

時間があれば温泉にも入りたかったですが、地熱谷すら行くこともなく、上記の3ヶ所を回って北投を後にしました。

温泉は入れませんでしたが、目的の場所で目的の石仏を見ることができたので個人的には大満足です。

もし、この記事を見て「私も行きたい」という奇特な人がいましたら、北投駅か新北投駅からUber(もしくはタクシー)で北投龍雲寺まで行ってから残りは歩きながら戻ってくるコースをおすすめします。

北投龍雲寺から駅方面に戻ってくるルートだとほぼ下りなので、歩くのも楽で、途中にある廟や祠なども見てこれます。

時間的余裕のある人は温泉も楽しんでください。

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  • この記事を書いた人

NOBU

東京出身、沖縄在住、50代男。個人事業主。
曽祖父、祖父、父が台湾に住んでいたので、私も生まれた時から台湾に縁があります。 このブログでは台湾旅行で得た情報や楽しく快適に旅行できるノウハウなど台湾情報を発信中。
台湾華語検定(TOCFL) A1級 / 台湾検定(国際知識検定) 受験予定 / 台北新四国八十八ヶ所霊場研究家
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