神農街(神農老街)は昼と夜で雰囲気が変わる古民家リノベ商店街
歴史のある古都台南は観光地だらけですが、遠くまで行かなくても市内の中心部でも十分楽しめるのが良いところです。
神農街(神農老街)もその一つ。昼と夜で雰囲気が変わり、いつ行っても楽しめる小さなレトロ商店街です。
でも神農街だけの観光ではもったいない。周辺にも見所がいっぱい。
ここでは神農街の紹介だけでなく、昼間と夜間でそれぞれどんな観光モデルコースがあるのか写真を交えてご紹介します。
神農街の基礎知識
神農街の読み方
日本語読みすると「しんのうがい」。台湾華語では「シェンノンジェ(Shénnóng jiē)」。英語では「シェンノンストリート(Shennong Street)」です。
神農老街という呼び方をする場合もあります。それぞれ「しんのうろうがい」「シェンノンラオジェ」「Shennong Old Street」となります。
神農街の歴史
かつてはこの辺りは運河で、安平港から運ばれてくる物資がそのまま船で届き、それらを売る店が多かったそうです。
この辺りは運河が入り組んでおり五條港という5つの港がありました。現在の神農街、国華街、正興街あたりは全て五條港の中にありました。
この五條港は安海港、佛頭港、南勢港、南河港、新港からなり、南勢港の北側に位置したことから神農街は当時は北勢街と呼ばれていました。
現在は運河のほとんどが埋め立てられましたが、神農街の道幅は当時の運河を埋めた道幅のまま(約4メートル)です。
日本統治時代も北勢街と呼ばれ、貿易の拠点となっていましたが、日本統治時代の終了とともに衰退に向かいます。
神農街と言えば、多くの人は中心に位置する台南市定古跡である金華府という廟に触れますが、実は神農街の端にある台南薬王廟(三協境全台開基薬王廟)の方が圧倒的に重要です。
台南薬王廟は台湾府城七寺八廟の一つであり、医薬と農業を司る神様を祀る薬王廟にちなんで神農街という名前になったのです。
日本統治終了後、空き家が多くなっていた神農街。
しかし近年になり次々とリノベーションされ、土産物店、カフェ、雑貨店などが開店しました。台湾はリノベーションが得意技ですね。
こうして古い街並みを残しながら、新しく生まれ変わった商店街(老街)として注目される場所となったのです。
2013年には台湾映画「総舖師」のロケ地にもなり、一層人気になってきたのが神農街です。
神農街へのアクセス
行き方としては台鉄台南駅から歩くと約20分。お散歩好きな人はのんびり歩きましょう。
バスで行くのなら土日なら台鉄台南駅(南站)から88番バスで神農街下車。
平日で歩くのが苦手な人はUberかタクシーで行きましょう。数分なので料金もたいしてかかりません。
神農街の観光所要時間はただ歩くだけなら10〜20分。途中のお店を覗いたり、買い物していると30分〜1時間程度です。
昼と夜の神農街
昼間は古い街並みが目を引き、レトロ感を強く感じます。
写真は割と早い時間だったので、まだ営業していないお店が多いですが、お昼頃になると多くのお店が開店します。
神農街の中心にある金華府は昼と夜でかなり雰囲気も違います。
明かりが灯ると印象はかなり変わりますね。
所々にランタンがあるのが夜の通りに柔らかい光を与え、人々をも明るくさせます。
街灯よりもランタンの優しい灯りが素晴らしいですね。台南らしさを感じます。
こういうオブジェも良い雰囲気を醸し出します。
昼間の神農街と観光モデルコース
神農街に行くのなら、近くの観光地にもぜひ行ってみてください。
神農街だけではすぐ終わってしまいます。
国華街
歩いて行動することを考えると、どこまで歩く脚力があるかにもよりますが、神農街とセットで行くべき最優先観光スポットは国華街です。
神農街から歩いて10分もかからないでしょう。
国華街二段から三段に続く通り(市道182號〜成功路)で、たくさんのお店が立ち並び、また永楽市場、水仙宮市場といった市場も隣接しているので、朝から人が多く集まります。
人が多く集まるということは早朝から営業しているお店も多数あり、今では台南市内随一のグルメスポットとも呼ばれています。
朝から人気店には行列ができていて活気がある永楽市場周辺は特におすすめです。
例えば台南名物の美味しい碗粿が食べられる富盛號碗粿、台湾カステラなど伝統的なお菓子が人気の阿美現烤古早味蛋糕、台湾風春巻きの名店である金得春捲など人気グルメ店が市場の周辺を埋め尽くしています。
永楽市場からは少し離れますが、日本にも支店がある有名店の本店もあります。アイスクリームの蜷尾家、台湾カステラ専門店の名東現烤蛋糕。
台湾では市場の近くに美味しくて安いお店がある、これは常識です。国華街の特に市場の周辺をぐるっと散策してみましょう。
→ 【台南市】名物の林家白糖粿を食べて国華街を永楽市場まで歩く
蝸牛巷
もう少し歩きます(神農街から徒歩15分)が、蝸牛巷もおすすめです。
蝸牛とはカタツムリのこと。巷は小道や路地のこと。
蝸牛巷という名前は台湾の高名な作家で、この地区に家もあった葉石濤さんの小説の中に登場する名称。
入り組んだ住宅地の路地の中に、カタツムリのオブジェやウォールアートがあり、また小さいながらお洒落で可愛らしい店もたくさんあります。
風情のあるこの小さな路地はインスタ映えするスポットがたくさんあり、ゆっくりと散策する観光客も多い場所です。
台南は路地散策こそ醍醐味の一つです。
蝸牛巷まで歩いたのなら、林百貨まで行ってお土産を買うのも良いですね。
さらに度小月で担仔麺を食べて、台南孔子廟まで見学すれば、素敵な観光を楽しめるでしょう。
夜間の神農街と観光モデルコース
台南は夜市が人気。夜はどこかの夜市に行ってみましょう。
武聖夜市
神農街の端に鎮座する薬王廟から徒歩15分で武聖夜市に行けます。
台南3大夜市の一つで、グルメだけでなくゲームや移動式遊園地まであるので、お子様連れも楽しめます。ただし、水・金・土曜日しか営業していないのでご注意ください。
→ 【台南市】武聖夜市はグルメはもちろんゲームが豊富でもはや遊園地状態
台南市は台湾の中でも夜市が活発な地域です。市内には60ヶ所を超える夜市があります。
台南に来て夜市に行かないなんていう選択肢はありません。絶対に一度は行ってください。
台北の夜市とは全く雰囲気が違います。活気溢れる台南の夜市をぜひ味わってください。
曜日によっては武聖夜市に行けません。少し離れるのでタクシーかUberで行くしかないですが、花園夜市、小北新成功夜市、新永華夜市が候補です。
最も混雑しますが、台湾南部最大規模の花園夜市は一度は行ってほしい夜市です。
普済殿
また、春節の時期には普済殿周辺には綺麗なランタンが吊り下げられ、幻想的な雰囲気を味わえます。
国華街の近くですので神農街から歩いても数分です。
春節の時期のみですが、素敵な散策が楽しめるでしょう。神農街から徒歩5分くらいです。
神農街まとめ
こういう台湾の古い街並みが好きな人は台湾各地にある老街散策に行ってみましょう。
神農街は通りの名前そのものですが、神農老街とも言われ、台湾の古い街並みの一つとして有名です。
→ 【台湾老街ランキング】データで判明した楽しすぎる老街はココです
台南市内にも安平老街、新化老街、少し離れていますが、橋南老街、菁寮老街などそれぞれ特色のある老街があります。
老街は台湾らしさが詰まった場所ですが、日本統治時代の建物が残る老街も多く、懐かしさを感じることもできます。
まずは神農街を満喫してみてください。
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