目次
- 日本統治時代の台南に想いを馳せながら台南の街を歩く
- 台南駅から徒歩圏にある日本統治時代の建築物20選
- 臺南縣知事官邸(知事官邸生活館)
- 臺南廳長官邸(旧台南庁長官邸)
- 竹園町臺南州職員宿舎(卓也竹園町)
- 臺南公會堂(吳園藝文中心)
- 柳下食堂(十八卯茶屋)
- 旭峯號(僾果鮮)
- 原臺南測候所(交通部中央氣象署臺灣南區氣象中心)
- 鶯料理(鷲嶺食肆)
- 臺南州庁(國立臺灣文學館・文化資產保存研究中心)
- 原臺南合同廳舍(臺南市消防史料館)
- 台南林百貨
- 日本勸業銀行台南支店(臺灣土地銀行台南分行)
- 臺南山林事務所(葉石濤文學紀念館)
- 臺南武德殿(忠義国民小学校講堂)
- 臺南愛國婦人会館臺南支部(文創plus 台南創意中心)
- 臺南地方法院(臺灣司法博物館)
- 五福商店
- 臺南警察署(臺南市美術館1館)
- 臺灣總督府專賣局臺南支局臺南出張所(臺南文化創意產業園區)
- 臺灣鉄道臺南車站
- 台南市内の日本統治時代の建築物まとめ
日本統治時代の台南に想いを馳せながら台南の街を歩く
古都台南はオランダ領時代からの建築物を含め、今なお多くのレトロ建築物が残されています。
台北、台中、高雄ほど開発されていないことや、古い建物をリノベーションして大切に使い、残すという台湾人の得意技が影響しているものと思われます。
台南の市街地にもたくさんの日本統治時代の建物がリノベーションされ、今も現役で使われています。
今回は、台湾鉄道台南駅から徒歩圏内にある日本統治時代の建築物をいくつかご紹介します。
台南駅から徒歩圏にある日本統治時代の建築物20選
日本統治時代(1895〜1945年)の間に建てられた建物は、いかにも日本風の建物もあれば、洋風バロック建築風の建物もあります。
老街ではなく、街中に点在している形ではありますが、散歩がてら歩いて回ることもできる場所にあります。
臺南縣知事官邸(知事官邸生活館)
台南知事官邸はその名の通り、台南県知事(後に台南州知事)の官邸として、同時に皇族の御宿泊所として1900年に建造されました。
裕仁皇太子(昭和天皇)を始め、約20人の日本の皇族が宿泊したそうです。また、大韓帝国最後の皇太子である李垠皇太子も宿泊した記録があるそうです。
当時は現在残されているこの洋館以外にも和館などの建築物があり、テニスコート2面もありましたが、老朽化などもあり取り壊され、敷地も徐々に縮小されてきました。
戦時中には防空壕も作られ、これはまだ残されています。
戦後は台湾のいくつかの公的機関が使ってきましたが、1998年に市定古跡となり、すぐ近くにある国立成功大学の協力により調査、修復計画を策定。その後修復が進みました。
2010年には運営を外部に委託し、知事官邸音樂會館というコンサート会場としての利用、1900食光というレストランを経て、現在は知事官邸生活館としてカフェや雑貨などを販売するお店が中に入っています。
知事官邸生活館の営業情報
基本情報
- 住所 台南市東區衛民街1號
- 定休日 月曜日
- 営業時間 11:00-20:00
- 知事官邸生活館
臺南廳長官邸(旧台南庁長官邸)
旧台南知事官邸のすぐ近くにある旧台南庁長官邸は1898〜1906年の間(一説によると1900年)に建造されたと推定されています。
当初は台南州内務部長官舎として建てられましたが、その後台南庁長官邸となりました。
台南地区の最高行政長官の宿舎として利用されてきた建物です。台南州発足後は州知事邸として上述の台南知事官邸が使用されたため、再び台南州内務部長官舎として使われました。
戦後は中華民国政府の官邸として活用されていましたが、後に国立台南第一高級中学校の敷地となり、教職員が使用していました。
写真は洋館ですが、当初は和館もありました。しかし1998年に火災で焼失。
残された洋館は2001年に市定古跡となり、修復工事を行い、2016年に終了。2017年より台南市への来賓をもてなす場所として使用されていました。
明治時代の木造洋風建築です。現在は公開されており、内部を参観することができます。
旧台南庁長官邸の営業情報
基本情報
- 住所 台南市東區育樂街197巷2號
- 定休日 月・火・水・木曜日
- 営業時間 9:00-17:00
- 原臺南廳長官邸
竹園町臺南州職員宿舎(卓也竹園町)
1935年建造の木造建築です。日本統治時代の建物で木造建築が現存しているのは、数少ないので大変貴重でもあります。
日本統治時代は台南州の職員宿舎でした。周辺には当時、多くの職員宿舎がありましたが、残っているのはここだけ。財務課と税務課の職員が利用していました。
戦後は放置されていて、ボロボロの状態に近かったようですが、2016年になって台南市が修復を開始し、2021年に苗栗に本社がある卓也小屋がここに卓也竹園町の名称でカフェの営業を始めました。
竹園町は日本統治時代のこの辺りの町名です。
石灯籠、座敷、茶室などを兼ね揃えた純日本風の佇まいが台湾人に人気のようです。
卓也竹園町の営業情報
基本情報
- 住所 台南市東區前鋒路119巷12號
- 定休日 火曜日・水曜日
- 営業時間 10:00-19:00
- 卓也小屋
臺南公會堂(吳園藝文中心)
1911年に台南公館として建造され、1923年には台南公会堂と改称。台南で最初の集会所的役割がある公会堂でした。
戦後は中山堂と改称され、一時期は空軍の関連施設として使われていましたが、1955年からは省立台南社教館となっていました。
1995年以降に改修され、1998年市定古跡。現在は呉園芸術文化センターとなっており、アート系の展示会を開催していますが、敷地は庭園風になっており、入場料無料で自由に散策できます。
この旧台南公会堂は洋風、隣にある(後述の)十八卯茶屋は和風、民族路二段側にある王育德紀念館とその前の池は中国風となっており、ある意味カオス。
カオスですが、霧峰莱園(台中市)、北郭園(新竹市)、板橋林本源園邸(新北市)とともに台湾四大名園の一つとされています。
今では市民の憩いの場的な雰囲気しかないのに台湾四大名園というのは意外な気もしますが、ここは元々は吳園という清朝時代に造られた庭園で、当時はもっと広大な敷地だったようです。
吳園藝文中心の営業情報
基本情報
- 住所 台南市中西區民權路二段30號
- 定休日 なし
- 営業時間 10:00-18:00
- 原臺南公會堂
柳下食堂(十八卯茶屋)
1918年に建造された木造建築で、日本統治時代は柳下食堂(後に柳屋食堂)という名称の飲食店(料亭)でした。
上述の台南公会堂に多くの人が集まるため、すぐ隣にあったこの食堂は大人気で、特に幕の内弁当が名物だったそうです。
戦後は吳園の観光案内所として長く使われていたようです。
現在は奉茶というお茶屋さんが運営。奉茶は公園路を隔てた向かいに台南総店(台南市中西區公園路85號)があり、奉茶のオーナーでもある葉東泰さんが十八卯茶屋の店主です。
2012年に開店したこの十八卯茶屋は茶藝館です。美味しい台湾茶が飲めますし、茶器や雑貨なども販売しています。
十八卯茶屋の名前の由来は元々の柳下食堂の「柳」という字を解体して名付けたそうです(「木」を「十八」にして「卯」はそのまま)。
2018年には100周年を記念したイベントも開催され、創業した柳下勇三氏の子孫の方も招かれ、幕の内弁当も現定数で振る舞われました。
十八卯茶屋の営業情報
基本情報
- 住所 台南市中西區民權路二段30號
- 定休日 月曜日
- 営業時間 10:00-18:00
- 奉茶.十八卯
旭峯號(僾果鮮)
旭峯號は1932年に建てられた建物で、金物屋でした。
私は昭和世代の人間なので金物屋で意味は通じますが、現在では金物屋は街中に非常に少ないので知らない人もいるかもしれません。
金物屋とは鍋やフライパン、包丁などの金物をメインに調理用具や生活雑貨などを売るお店です。現代風に言うと小さなホームセンターのようなお店です。
戦後も長い間、金物屋を営んでいましたが、店主の高齢化で営業を続けるのが難しくなったため、貸し出すことになりました。
現在のお店は2015年に開店した僾果鮮というお店で、無農薬の果物などを販売し、またそのフレッシュな果物を使ったジュースやアイスクリームを提供しています。
洋風レトロな建物は人気が高く、インスタ映えスポットとなっており、多くの観光客がここに立ち寄っています。
すぐ近くに開隆廟と言う七星娘娘(七夕で有名な織姫と彦星の織姫)を祀る台湾最古の廟があり、中山路沿いには大きな廟門。廟門から廟までランタンがあるので、台南らしさが絶妙な場所です。
→ 【旭峯號之僾果鮮 】日本統治時代の建物がそのまま残るドリンクスタンド
旭峯號之僾果鮮の営業情報
基本情報
- 住所 台南市中西區中山路79巷6號
- 定休日 火曜日
- 営業時間 9:30-17:30
- 旭峯號之僾果鮮
原臺南測候所(交通部中央氣象署臺灣南區氣象中心)
日本統治時代の初期1898年に建造された台南測候所です。現存する台湾最古の測候所。
真ん中に塔があり、その周囲を18角形の建物が囲んでいるというユニークで特徴的な造りになっており、形が似ていることから胡椒管とも呼ばれています。
1895年から始まった日本の統治ですが、今後台湾の経済、文化の発展には気象観測が欠かせないことから、台北、台中、台南、恒春、澎湖の5ヶ所に測候所を設けました。
場所は台南中心地で最も標高が高かった鷲嶺(海抜14メートル)と呼ばれたこの場所に設置されました。
1998年に市定古跡になって以降、修復工事が始まります。2003年に国定古跡。2004年には氣象歷史文物展示場となりました。
現在はすぐ隣に建設された交通部中央氣象署臺灣南區氣象中心に付随する施設となり、見学もできるようになっています。
交通部中央気象署台湾南区気象センターの営業情報
基本情報
- 住所 台南市中西區公園路21號
- 定休日 土曜日・日曜日(毎月第3土曜日は営業)
- 営業時間 9:00-17:00
- 交通部中央氣象署臺灣南區氣象中心
鶯料理(鷲嶺食肆)
1912年にここで鶯料理という料亭が開店しました。鶯(うぐいす)の料理を食べるわけではなく、お店の名前です。
当時の台南で最高の料理人とも言われていた天野久吉という人物の料亭です。
天野氏は1911年まで鶯僊閣というレストランの料理長をしていた人で、そこから感謝の意を込めて「鶯」という名前を使ったとされています。
冒頭に紹介した台南知事官邸に宿泊した裕仁皇太子(昭和天皇)もここの料理を召し上がったそうです。
鷲嶺は地名で、上述の台南測候所の隣に位置します。
当時周辺には台南州庁など行政府関連施設が多く、要人の会合の場でもあったようで、影の政策決定場とも言われていました。
戦後は国立台南第一高級中学の宿舎として利用されていましたが、その後放置状態。
2013年に修復され古い資料などの展示場となっていましたが、2018年には鷲嶺食肆(カフェ・軽食)が開店しました。
鷲嶺食肆の営業情報
基本情報
- 住所 700台灣台南市中西區忠義路二段84巷18號
- 定休日 月曜日・火曜日
- 営業時間 10:00-18:00
- 鷲嶺食肆-原鶯料理
臺南州庁(國立臺灣文學館・文化資產保存研究中心)
1916年に建造されたこの建物は台南庁舎として建てられました。
1920年に行政区分が変更となり五州二廳制となってから台南州庁となりました。
台南州は現在の雲林県、嘉義県、嘉義市、台南市に跨る広さがあり、その台南州を統括する機関の位置付けでした。
台南州の最高行政機関になることもあったためか、手狭になったためか1918年〜1920年に両翼が拡張されました。
戦後は中華民国空軍の施設となっていましたが、1969年以降は台南市庁舎として使われていました。
1998年から建物の修復が始まり、2003年には国定古跡に指定され国家台湾文学館として再スタート。
今見ても威厳があり、歴史的価値も高いこの建物は2007年に台湾国立文学館と改称し、観光客も自由に参観できます。
国立台湾文学館の営業情報
基本情報
- 住所 台南市中西區湯德章大道1號
- 定休日 月曜日
- 営業時間 9:00-18:00
- 國立臺灣文學館
原臺南合同廳舍(臺南市消防史料館)
1938年に竣工した台南合同庁舎は、高い塔の部分から向かって左側に消防隊、右側は警察隊と派出所が使っていました。
高い塔の部分は火見楼(火の見櫓の意味)と呼ばれ、昭和天皇御即位を記念して建設された6階建ての塔で、全体の竣工より先の1930年に建設され、御大典記念塔と呼ばれていました。
火見楼は1930年当時の台南では最も高い建築物(25.3メートル)でした。ここから見渡すことで、市内の火災状況を把握する重要な役割があった塔です。
戦後も長い間、消防や警察関係で使われてきましたが、2000年代に入り、老朽化が目立ってきたことから修復作業が進められ、2018年に完了。
翌年には消防資料館と消防局という形になり、現在に至ります。
台南市消防資料間の営業情報
基本情報
- 住所 台南市中西區中正路2-1號
- 定休日 月曜日
- 営業時間 10:00-16:00
- 原臺南合同廳舍
台南林百貨
1932年に山口県出身の実業家であった林方一氏によって創立されたデパートです。
林氏は元々実業家であったわけでもなく、大金持ちであったわけでもありません。山口県から1912年に台湾に渡り、やっとのことで小さなお店を開いたという苦労人でした。
しかしお店が大成功し店舗を増やすとともに、別会社への投資も成功し大金持ちとなり、南台湾随一となるこの百貨店を開店させました。
しかしあまり知られていませんが、林百貨が開店してから5日後に林氏は病のため亡くなります(享年49歳)。その後は妻の林年子氏が経営を引き継いだそうです。
台湾で初めてエレベーターが設置された、当時としては珍しい6階建ての鉄筋コンクリートのビルは流行の最先端として多くの人で賑わっていたそうです(5階建てに見えますが実は6階建てです)。
また台北の菊元百貨店に次ぐ台湾で2番目にできた百貨店でもあります。
戦後は国民党が使っていましたが、1980年台に入ると放置されていました。1998年に市定古跡となり、再建の検討が進められました。
2010年から修復作業が開始され、2014年に再び林百貨としてオープン。
現在の林百貨は台湾製の雑貨(MIT)や衣料品、お菓子、お土産などを販売しており、台南観光の必須立ち寄りスポットとなっています。
基本情報
- 住所 台南市中西區忠義路二段63號
- 定休日 なし
- 営業時間 11:00-21:00
- 林百貨
日本勸業銀行台南支店(臺灣土地銀行台南分行)
日本勧業銀行は日本統治時代に台湾に5ヶ所の支店を作りましたが、その内の1つが1937年に開店したこの台南支店。
ギリシャ神殿のような円柱と台湾らしい騎楼が融合した特徴的な建物で、現在の台南市内でも非常に目立つ存在です。施工は東京清水組(現在の清水建設)。
日本勧業銀行という銀行を知らない世代もいると思いますが、後に第一勧業銀行となり、現在はみずほ銀行。
戦後すぐの1946年には台湾土地銀行となり、現在に至ります。
基本情報
- 住所 台南市中西區中正路28號
- 定休日 土曜日・日曜日
- 営業時間 9:00-15:30
- 台湾土地銀行行史館(pdf)
臺南山林事務所(葉石濤文學紀念館)
1925年以降の日本統治時代に建造されたとされるこの建物は、終戦時には山林事務所が使っていました。
台湾総督府民政局殖産部は林業の近代化のため各地に営林所などを設置していました。
1903年には台南に苗木養成所を設置。苗木事務所は1943年には治水事務所などと合併し、山林事務所となりました。
従って少なくても1943年にはここは山林事務所でしたが、築造年代が明確ではないので、それ以前に築造されていたのであれば、当初は何に使われていたのかは明確ではありません。
戦後は台南山林管理所となり、1959年には楠濃林区管理処と改称、長い間山林関係の施設事務所として使われてきました。
1989年に楠濃林区管理処が廃止され、その後は放置されていましたが、2002年に市定古跡となり、改修を経て2018年に葉石濤文學紀念館となりました。
葉石濤は台南在住の作家であり、台湾文学研究の第一人者でしたが2008年に亡くなり、その功績を記念して記念館が作られました。
基本情報
- 住所 台南市中西區友愛街8-3號
- 定休日 月曜日・火曜日
- 営業時間 9:00-17:00
- 葉石濤文學紀念館
臺南武德殿(忠義国民小学校講堂)
財団法人大日本武徳会は、1895年に設立された日本古来の古武道の伝承と保存を目的として設立された団体で、戦時中は帝国政府の外郭団体となっていました。
台湾でも台湾支部が日本の武道を普及するため各地に70ヶ所以上の武徳殿を建設していましたが、現存しているのは12ヶ所で、その一つがこの台南武徳殿です。
戦後はGHQによる解散命令があり1946年に解散しました(現在は再興されています)。
日本の伝統的な社殿建築のこの建物は1936年に建造され、武道場や剣道場があり、(現在はないですが)屋外には弓道場もありました。
戦後は中学校と小学校の敷地となり、現在も小学校の講堂として使われていますが、土日は見学できます。1998年には市定古跡となりました。
基本情報
- 住所 台南市中西區忠義路二段2號
- 定休日 月・火・水・木・金曜日
- 営業時間 8:00-18:00
- 原臺南武德殿
臺南愛國婦人会館臺南支部(文創plus 台南創意中心)
愛国婦人会は奥村五百子という女性が1901年に東京で創立。皇族の女性を含む比較的社会的地位の高い女性によって組織され、戦死者の家族や負傷者のアフターケアを目的として活動していました。
台湾でも地域の発展や社会奉仕、愛国思想の拡散を目的として1904年(1905年説もあり)に台北で設立されました。
台湾各地に支部も作られ、この台南支部は1920年(1940年説もあり)に建てられました。
写真に見えるのは前棟で本館と呼ばれ、婦人会支部として使われ、後棟は寮になっていました。
愛国婦人会は1942年に解散、他の組織と合併し大日本婦人会台南支部となります。
戦後は赤十字社、国民党台南市部、アメリカ新聞、台南市中区図書館、台南美術研究会館など次々と変遷。
しかも前棟と後棟で所有者が違う時期も多かったですが、1998年市定古跡となり、2008年から修復工事が行われ、2012年文創plus台南創意中心の事務所となりました。
基本情報
- 住所 70045台灣台南市中西區府前路一段197號
- 定休日 なし
- 営業時間 9:00-17:00
- 文創plus 台南創意中心
臺南地方法院(臺灣司法博物館)
台北の台湾総督府、台湾総督府博物館とともに日本統治時代の三大建築の一つとも言われる台南地方法院は1914年建造。
重厚で威圧感のあるバロック建築は裁判所に相応しい威厳を感じます。
戦後も台湾の台南地方法院として引き続き使われてきました。
当初は西側に塔がありましたが、亀裂が入り、崩壊の恐れがあったため1970年に解体。東側のドームは今もあります。
1991年には国定古跡として登録され、2001年に台南地方法院が移転し修復され、2016年からは司法博物館としてこの建物は新たな役割を果たしています。
基本情報
- 住所 台南市中西區府前路一段307號
- 定休日 月曜日
- 営業時間 9:00-17:00
- 司法博物館
五福商店
五福商店の前の通り(現在の中正路)は日本統治時代は銀座通と呼ばれ、林百貨を初めたくさんの商店が集まる日本の銀座のような通りでした。
1914年に創業した五福商店は1930年に現在地にこの建物を建て移転。雑貨や化粧品、石鹸、レコードなどを扱うショッピング施設で、1階が小売、2階と3階は卸売の売場でした。
また周辺のほとんどのお店が日本人経営だったのに対し、五福商店は台南で最初の台湾人による輸入雑貨店でした。
戦後もしばらくお店は続いていたようですが、その後は貸し出す形で別の店舗が出店。2018年に全ての賃貸契約が終了したことを契機にして台南市から支援を受け、修復計画が進んでいました。
2024年1月に修復が完了。かつてのそのままの姿の建物を今、見ることができます。
今後どのように活用されるのか楽しみな建物です。
基本情報
- 住所 台南市中西區中正路124、126號
- 定休日 不明
- 営業時間 不明
- 銀座通五福商店
臺南警察署(臺南市美術館1館)
台南警察署は台南州庁内にありましたが、1931年に建設されたアールデコ建築のこの建物に移転しました。
設計は林百貨も設計した梅澤捨次郎という建築家です。
戦後は台南警察局となり、引き続き警察業務の建物として使用され、1998年に市定古跡となりましたが、2010年まで台南警察局でした。
その後修復され、2019年に台南市美術館1館として再スタートを切りました。
また、周辺には日本統治時代の建物が多く、友愛街の道路を挟んで向かい側には嘉南大圳組合事務所(現在の嘉南農田水利会)の建物があり、写真を撮るのを忘れましたが、こちらも1940年竣工の日本統治時代の建物です。
基本情報
- 住所 台南市中西區南門路37號1室
- 定休日 月曜日
- 営業時間 10:00-18:00
- 臺南市美術館
- 台南市美術館入場チケット
臺灣總督府專賣局臺南支局臺南出張所(臺南文化創意產業園區)
臺灣總督府專賣局臺南出張所は塩、タバコ、酒、アヘン、樟脳、石油、燐寸(マッチ・火薬)などの専売所です。
塩の専売は1900年に別の場所に台南塩務局が設置され、タバコの専売はこの場所で1905年から実施されましたが、塩、酒などの専売事業と合併し、1906年にこの建物が建てられ専売局台南出張所となりました。
戦後も台湾省の専売局として同様の機能を持ち存続しました。2003年に市定古跡となり、しばらく放置された後に修復工事が始まりました。
2015年に隣接する建物とともに臺南文化創意產業園區として工房や各種展示会などの会場となってきましたが、日本統治時代のこの建物は2023年にスターバックスに貸し出されました。
現在ここは星巴克台南文創門市(スターバックス台南文創店)となっています。
基本情報
- 住所 台南市東區北門路二段16號
- 定休日 なし
- 営業時間 7:30-19:00
- 星巴克台南文創門市
- 臺南文化創意產業園區
臺灣鉄道臺南車站
1895年、日本の統治が始まった時は既に基隆-台北-新竹は鉄道で結ばれていました。
これを南北縦貫鉄道にすることが模索され、民生部民生長官だった後藤新平が交通局鉄道部長を兼任することになった1899年から台湾総督府鉄道(国有鉄道)として計画と工事が進行し、1908年には基隆-高雄間が開通しました。
その中で台南駅は台南-高雄間が開通した1900年に建てられていましたが、現在の台南駅は1936年に建てられた2代目の姿です。
当初は2階にホテルやレストランがありましたが、戦後にそれぞれ休止。1998年には国定古跡に指定されました。
現在は修復工事中ですが、駅機能の一部は地下化され、かつて2階にあったホテルやレストランを再開させる計画もあるようです。
基本情報
- 住所 台南市東區前鋒路210號
- 定休日 なし
- 営業時間 始発から終電まで
- 臺鐵公司
台南市内の日本統治時代の建築物まとめ
ここに紹介した台南にある日本統治時代の建物は一部であり、他にもたくさんあります。
私がうっかり行き忘れたところ、時間的に行けなかったところがいくつもあります。
他の街にも日本統治時代の建物がたくさん残っているのが台湾の良いところでもありますが、中でも台南は多いような気がします。
新旧の建物が混在し、また街の中に溶け込んでいることに台南の魅力を感じます。
こういった建物もそうですが、独自のグルメも含めて、やはり台南は非常に観光に適した場所です。
いつか再訪した時はまだ行けていない日本統治時代の建物を探訪してみたいと思います。あなたもぜひ台南を訪れてみてください。
台南市おすすめ
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