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台湾の素食文化を知ろう
台湾素食とは台湾の精進料理であり、ヴィーガン料理。台湾料理の大きな特徴の一つでもあります。
粗食ではありません。素食と書きます。
元々は仏教的な理由で肉食を食べない人がいたことが始まりですが、現代では健康や動物保護の理由からも普及し、世界でも有名なベジタリアン系料理の一つになっています。
肉が大好きだ!と言う人も台湾が好きなら台湾の素食文化を知ることも、食べる食べないは別としても台湾を知ることにつながります。
本記事では、その特徴や台湾や日本で食べられる素食店、日本のベジタリアン対応などについて解説していきます。
台湾素食の特徴
素食が日常食の一つになっている台湾では、素食の専門店を表す卍マークを看板に表示した食堂やレストランを多く見ることができます。
日本の菜食主義者は5.9%というデータ(ForbesJAPAN)がありますが、台湾では13%が菜食主義者(台湾留学センター)であり、世界ではインドに次いで2番目の多さです。
台湾素食は三厭(天厭、地厭、水厭)および五葷を一切用いず、肉や動物由来の油、卵、乳製品も使いません。また、出汁にも肉や魚介類を使いません。
三厭と五葷とは
- 天厭 = 天(空)を飛ぶ動物 = 鳥類
- 地厭 = 地を這う動物 = 牛や豚
- 水厭 = 水の中の魚介類 = 魚や貝
- 五葷 = ねぎ、ニラ、ニンニク、らっきょう、玉ねぎ
ベジタリアンやヴィーガンとの関係
台湾素食は菜食やヴィーガン食に近く、動物性食品を徹底的に避ける人々に人気があります。ヴィーガンは牛乳や卵も摂取しないため、植物性の出汁や食材を食べます。
台湾ではベジタリアンやヴィーガンの人々も楽しめる食材が豊富で、回転素寿司店では肉や魚を使わずにこんにゃくなどで作った寿司が提供されています。
回転素寿司店とは
回転寿司ではあるが、魚は蒟蒻などの代替品を使い、皿の色によって乳製品や卵を使っているかどうかをわかるようにしているお店が多い。
工夫された食材と調理法
一般的に台湾素食は、菜食料理を食べなれない者でも満足できる味付けと工夫がされており、ゆばや豆干、グルテン、蒟蒻などの食材を用いて肉や魚やイカの食感を表現しています。
また、台湾の食文化の影響を受けながらも独自の発展を見せており、洋菓子を乳製品なしで作ったり、和食の刺身風のものを用意したりしています。
台湾素食の背景と発展
台湾素食は、宗教や文化の影響を受けながらも、徐々に浸透してきた食事スタイルです。以下では、その背景や発展について詳しく見ていきましょう。
宗教的背景と欧米の影響
1980年代以前は、素食主義は仏教や道教と結びついているとされていました。しかし、1980年代以降では、欧米で生まれた新しいベジタリアンの考え方が台湾の素食文化に追加基盤となりました。
欧米のベジタリアンは、環境保護や動物愛護、健康などを重視しており、宗教的な要素はあまり重要ではありませんでした。
最近では、台湾でも環境保護や動物愛護の観点から素食運動が発展しています。
台湾政府も素食文化を推進・支援しており、県や市、学校の食堂では週に1日を「ミートレスデー」として素食プログラムを実施しています。
台湾素食の現状と今後の展望
現在の台湾素食文化は、国内外の影響を受けながらも独自の発展を遂げており、ますます多くの人々に受け入れられています。
著名人の影響も大きく、女優の徐熙媛(Barbie Hsu)が素食主義を提唱して多くの人に影響を与えています。
台湾素食は一時的なトレンドではなく、歴史的・文化的な背景により形成されており、広く深く浸透しているのです。
今後も台湾素食がさらに発展し、世界中で認知度が高まることが期待されています。
台湾で楽しめる素食のお店
素食の自助餐(ビュッフェ形式のセルフサービス食堂)が台湾各地にあります。
また、日本にある台湾素食のお店では、酢豚やローストチキン、餃子などの中華料理を提供していますが、実はこれらの料理にはお肉は一切使われていません。
また、台湾では市場や夜市の屋台でも素食が豊富に提供されています。これにより、ベジタリアンやヴィーガンの人々も台湾で食事を楽しむことができます。
養心茶楼 蔬食飲茶
台北の松江南京駅近くにあるこのお店は台北市内で最も有名な素食店の一つです。
高級感のある綺麗な店内で、ホテルで修行を積んだシェフが食材にこだわり、素材の味を十分に生かした料理は盛り付けも綺麗で食欲をそそられます。
→ 養心茶楼
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三来素食館
こちらのお店は気軽に誰でも来店できるローカルなお店ですが、自助餐形式の台湾素食を提供しています。
自分の好きなものだけを好きな量だけ食べることができます。料金は重さで決まります。
→ 三來素食館
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寛心園精致蔬食料理 台北安和店
台中に本店があるこのお店は落ち着いた雰囲気の素食レストラン。台北安和店は地下1階と1階を使った大型店。
火鍋なども楽しむことができますが、台湾料理にとどまらず様々な国の創作料理を提供しています。人気店で、休日には予約が必要です。
→ 寛心園精致蔬食
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日本で楽しめる素食のお店
台湾素食は、肉や魚を使わずヘルシーな台湾版ヴィーガン料理であり、台湾まで行かなくても東京でも楽しむことができます。
東京都国立市にある「中一素食店」は、1986年創業の歴史あるお店で、ベジタリアンやヴィーガンに人気があります。
台湾素食レストラン「ベジハウス古民家」
かつては東京の錦糸町にあった「ベジハウス苓々菜館」は千葉県に移転後も、肉や魚を一切使わず低カロリーな中華料理を提供しています。
湯葉を利用した料理も人気で、湯葉は日本のものと比べて肉厚で歯ごたえがあり、魚のような食感になるそうです。
餃子もお肉を一切使わず、大豆と野菜で作られたヘルシーなものです。この餃子はお持ち帰りもできるそうです。
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国立市「中一素食店 健福」
東京都国立市にある「中一素食店 健福」では、肉や魚、卵を使わない台湾菜食料理が楽しめ、大豆たんぱくや豆腐、湯葉、こんにゃくなどを使ったメニューは本物のお肉と見分けがつかないほど美味しいです。
さらに、北京ダックや酢豚、麺や点心などバリエーション豊かな台湾精進料理も楽しめます。店内は円卓を囲んでの会食や個室、大人数での利用も可能で、ランチやディナー、宴会にも対応しています。
→ 中一素食店 健福
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那覇市「金壺食堂」
那覇市にある金壺食堂では湯葉を使った料理や、お粥、春巻き、水餃子などの素食を楽しむことができます。
自助餐のスタイルなので、バイキングのように選んで好きなものを食べることができ、尚且つリーズナブルなのが特徴で地元でも大人気です。
また、名物はちまき(粽)。沖縄に観光に来たら行ってみたいお店です。
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日本のベジタリアン対応の現状
一方、日本のホテルやレストランはベジタリアン対応がまだ高くないため、台湾人旅行客が不満や不便を感じる可能性があります。
台湾のベジタリアン市場は約330万人で世界2位の比率であり、台湾のベジタリアン料理は世界的に有名です。
日本のホテルやレストランの改善点
日本のホテルやレストランは台湾のベジタリアン対策を参考にして、ベジタリアンフレンドリーな対応を取るべきです。台湾人のインバウンド需要が本格化する前に、日本のレストランは取り組むべきです。
もしレストランがSNSでベジタリアン向けメニューや情報を発信してくれると、台湾人にとってその店を選びやすくなると思います。
訪日台湾人観光客はコロナ前の状況に戻りつつあり、2023年は420万人(訪日ラボ)。円安も追い風になっており、2024年以降はコロナ前より増加する可能性が高いです。
増大する台湾人観光客を引き寄せ、他店や他ホテルとの差別化を図り、台湾人の満足度を上げるためにも素食メニューの充実をぜひともお願いしたいです。
よくある質問
Q1: 台湾素食とは何ですか?
A1: 台湾素食は、台湾の精進料理であり、動物性の食材を使わずに豆腐やグルテンなどを使って肉や魚の食感を再現した料理です。
Q2: どんな食材が使用されますか?
A2: 台湾素食では、五葷(にんじん、じゃがいも、たまねぎ、にんにく、らっきょう)と呼ばれる食材を避け、雑穀や野菜を選り分けられたものを使用します。
Q3: 特徴は何ですか?
A3: 台湾素食は、化学調味料や添加物を一切使用せず、自然の素材だけで調理されます。また、肉や魚の代わりに豆腐やグルテン、蒟蒻などを使用して、肉や魚の食感を再現します。
Q4: 台湾での台湾素食の普及度はどうですか?
A4: 台湾では国民の13%が菜食主義者であり、素食は日常食の一つになっています。
台湾には素食専門店がたくさんあり、自助餐や夜市などでも手軽に楽しむことができます。
Q5: 日本でも楽しむことができますか?
A5: はい、日本でも台湾素食を楽しむことができるお店があります。千葉の「ベジハウス」と国立市の「中一素食店」、那覇市の「金壺食堂」がおすすめです。
Q6: 一時的なトレンドですか?
A6: 台湾素食は一時的なトレンドではなく、宗教や文化の影響を受けながらも歴史的・文化的な背景により形成された食事スタイルです。
今後もさらに発展し、世界中で認知度が高まることが期待されています。
台湾素食まとめ
台湾素食は、世界的にも知名度が高く、健康や環境を意識した食事として注目を集めています。
台湾では様々な店舗が存在し、日本でもその魅力を味わうことができるお店が存在しています。
一方で、日本のホテルやレストランのベジタリアン対応がまだ高くないため、今後改善が求められます。
ヴィーガンでもヴィーガンでなくても我々も台湾に行ったら、一度素食を食べてみましょう。
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