知っていそうで知らないルーローハンの謎
魯肉飯(ルーローハン・lǔròu fàn)。これを読んでいる台湾好きなあなたはきっと食べたことがあるでしょう。
魯肉飯は台湾の国民食とも言われる定番料理。家庭料理であり、また専門店も多くあり、夜市や定食屋でも食べられる豚肉料理です。
この魯肉飯、いつからどのようにして出来上がった料理なのでしょう?
今回は魯肉飯特集。これを読めばあなたは魯肉飯博士になれるはず?
そして下記の魯肉飯満足度ベスト10を読めば、あなたはもう台北に行く計画を立てることになるでしょう!
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ルーローハンとは?
ルーローハンとは、一般に細切れにした豚肉を醤油、砂糖、酒、酢、生姜、五香粉(八角)、時には干しエビやエシャロット、ニンニクなども使い煮込んだ料理です。
正式には漢字で書くと滷肉飯です。「滷」という字の意味には煮込むという意味があります。煮込んだ肉とご飯という意味の料理です。
台湾では以前から滷肉飯と呼ばれていましたが、なぜこれが魯肉飯となったかというと、日本の中華街などで滷肉飯を提供するにあたり、日本の常用漢字に滷という文字がなかったため、読み方が同じ魯という文字を使ったためと言われています。
日本では魯肉飯の呼び方が定着したため、観光に台湾に来た日本人に分かりやすいように、いわば逆輸入のような形で、台湾でも魯肉飯と呼ばれることが広まったそうです。
つまり滷肉飯=魯肉飯ですが、難解なことに地域により料理の内容がちょっと違います。
お店で魯肉飯を注文すると台北など北部では豚肉の角煮の細切れ(またはそぼろ肉)の想像通りの料理が出てきますが、南部では切っていない肉がどん!とそのまま出てきたります。
メニューに写真があれば確認したほうが良いですが、思ったものと違う料理が出てくるのもまた愉快なものです。
また、大雑把に言うともちろんお店にもよりますが、台湾南部の魯肉飯は一般的に甘めの味付けです。
当たり前の話ですが、魯肉飯は決まった味というものはありません。店によって全然違ったりします。
使う肉の部位も違うし、甘かったり、しょっぱかったり、油っこかったり、さっぱりしていたり、八角が入ってなかったり、胡椒が効いていたり。付け合わせも漬物、煮卵、パクチーなど店によって様々。
何軒かで食べてみて味を比べるのも楽しいものです。
日本では魯肉飯は丼で出てきたりしますが、台湾では茶碗で出てくるのが普通です。なので量は少ないです。魯肉飯と青菜の炒め物とスープという感じでセットで頼むのが一般的。栄養のバランスを考えていますね。
魯肉飯の起源・由来・発祥
実は魯肉飯の起源は明確ではないのです。色んな説があります。例えば
魯肉飯の起源説
- 17世紀以降大陸から移住してきた福建省の人たちが伝えた説
- 中国山東省起源説
- 戦後に台湾の貧しい農民が家族で均等に分けられるよう細くして煮込んだ説
- ある夜市で売り出して人気になった説
この中で山東省起源説は2011年ミシュラン台湾版に掲載されましたが、後に否定されています。山東省の料理を魯菜と呼ぶことからそう解釈されたそうですが、前述のように魯肉飯の魯という字は当て字です。正式には滷肉飯なのでこれはやはり違うでしょう。
台湾のあるニュースによると、戦後に食べ物がなく貧しい農民が少ない材料で美味しく、そして家族で均等に分けられるように作ったのが起源とされています。(TheNewsLens)
この説が正しいのなら太平洋戦争後の1945年以降に発祥ということになります。ただし、他の情報では「戦後」という文字がないものもあります。
もう一つ有力な説は夜市発祥説です。これは1921年〜1999年まで続いた建成圓環夜市が起源とされています。日本統治時代に台北駅の北側、南京西路と重慶北路の交差点付近を中心に栄えた夜市で、特に魯肉飯を提供する店が多く、この夜市から台湾中に広まったとする説です。
この夜市は現在の寧夏夜市の近くであり、当時の店や屋台のいくつかは周囲に今でも店を構えています。
その一つが台湾最古の魯肉飯の店とも言われる1920年創業の三元號です。この店は建成圓環夜市時代から魯肉飯が看板メニューと言われています。現在で創業102年にもなる老舗です。
この説が正しいとすると魯肉飯の歴史は約100年ちょっとということになります。日本統治時代から魯肉飯は存在していたということになります。一説によると当時日本人にも大人気であったとも言われています。
上述のような説を統合し、考察し、勝手に推察すると魯肉飯の起源はこんな感じかと思われます。
魯肉飯の起源推測
1895年以降の日本統治時代に一部の貧しい農民が豚肉を細切れにした上で煮込む料理を家庭で考案。それが広まりやがて建成圓環夜市に店を出店。夜市でも人気になり、一気に広がり、今や台湾全土の郷土食となった。
こんな感じなのかなと思います。もちろん私は台湾の歴史の専門家ではないですし、民俗学者でも料理研究家でもありません。単なる推測なので悪しからず。
魯肉飯まとめ
魯肉飯の名店みたいな情報はネットに溢れているので割愛しましたが、観光客向けの店だから美味しいとは限りません。味は店によってバラバラです。好き嫌いもありますのであまり参考にならない気がします。
上述していますが、油っこかったり、さっぱりしているかだけでも違いますし、八角の風味の強弱でも好き嫌いが分かれます。
なので散策中に適当に食べてみるというもの面白いものです。量も少なく、価格も安いので適当に試すことができます。店選びのポイントは
ポイント
- 地元の人たちで賑わっている店
- 古くから営業しているような雰囲気の店
- GoogleMapで口コミ件数が多い
これらのポイントをチェックしておくと良いかなと思います。多くの人はGoogleMapを片手に散策すると思います。これで気になった店をタップすると口コミ件数や点数が表示されます。
例えば上で紹介した三元號は4000件近い口コミ、評価も4.1と高得点です(記事執筆時)。たまたまこの店の近くを歩いていたら、これならば食べてみる価値はありそうと私は判断して入店しますね。
台北近辺の一部の有名店は開店前から行列ができていることもあります。しかしそんな店に貴重な時間をかけて並ぶより、もっとローカルな店の方が私は好きですね。
今や魯肉飯は日本でも台湾料理専門店だけでなく、ファミレスやコンビニ、弁当屋ですら売っています。しかし店によっては日本風の味付けになっていることも多いです。
やはり本場の味を食べたいですね。
私が今まで一番ダントツに美味しいと思った魯肉飯は下記です。Google Mapレビュー台北市内魯肉飯専門店最高評価のお店です。
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