台湾では台風が来ると仕事も学校も強制的にお休みに
画像:flickr 阿泰104
日本では台風が近づいてきても各施設や会社、店舗、学校はそれぞれの判断で休みにするかどうかを決めますが、台湾はどうなのでしょうか?
ブラック企業も多い日本は少々の台風だと出勤しなければならなかったり、電車が止まったら帰って良いとか意味不明な会社もあります。
気象警報が出ていても大学が休校にならなかったりもしますが、従業員や生徒の安全を最大限に考えて対応するところもありますね。
一方で台湾では国や自治体が「お前ら休め!」と指導します。それはどんなものなのでしょうか?
停班停課とは?
画像出典:行政院人事行政總處
被害が出そうな規模の台風が接近すると各自治体政府が停班停課を発表します。
停班停課とは?
「停止上班、停止上課」の略語です。反対語は「照常上班、照常上課」になります。
「停止」の意味はそのまま日本語と同じです。
「上班」は仕事に行く、会社に行くという意味で、下班は退勤することを意味します。
「上課」は授業を受ける、学校に行くという意味で、下課は放課後を意味します。
つまり停班停課は、仕事も学校も休みにしなさいという意味です。更に略して停班課と言うこともあります。
上の画像の「今天」は今日という意味です。
上記画像の意味
「今天停止上班、停止上課」と書いてある赤字の部分は、今日は会社も学校もお休み!という意味になります。
市や県の首長が最終判断をしますが、台風の場合、予想される風速など一定の基準があるため、無闇に勝手な発令はできません。
また、台風だけでなく地震でも停班停課が発令されます。
2024年4月に発生した花蓮を震源とする地震では、TVで「花蓮停班停課」の文字が見えます。
各市や県が発表したものを台湾行政院がまとめて公表していますので、誰でも確認が可能です。Twitterでも速報が流れます。
また台湾のテレビでも速報が流れ国民に知らせます。
日本にいる我々も、台風で台湾が心配な時は下記のリンクを参照してみてください。
下のXの引用は台風の時のお知らせです。
🟩狀態:已完成統整
⚠️ 【小犬颱風】明日(10/05,星期四)全國停班停課情形:#北部》
基隆市|🔵 照常上班、照常上課
臺北市|🔵 照常上班、照常上課
新北市|🔵 照常上班、照常上課
桃園市|🔵 照常上班、照常上課
新竹縣|🔴 停止上班、停止上課
新竹市|🔴 停止上班、停止上課#中部》… pic.twitter.com/8NEyU37rDO— 停班停課最新通知 Taiwan Alerts (@TaiwanAlerts) October 4, 2023
停班停課になるとどうなる?
停班停課になると、まず公的機関や学校は全て強制的にお休みとなります。ほとんどの一般企業もそれに倣いお休みとなりますが、これは強制ではなく推奨です。
路線バスや鉄道も運休になったり、減便します。当然飛行機も欠航が増えます。
休みとなる場合はいわゆる有給休暇となります。
なのでこれを楽しみにしている台湾人も多いようですが、遊ぶ場所もほとんど休みになるので、家に閉じこもっているしかありませんよね。
停班停課でも開いているところは百貨店、コンビニ、スーパー、カラオケ、マクドナルド、映画館、ホテルなどの一部だけです。
街中のお店はほぼ閉店しますが、個人商店などは店主の判断で開いているお店もあるようです。
台湾の台風は強烈
何故お役所が停班停課を発令するかというと、何か大きな事故があった時のための保険のようなものなのです。
「だから、外出するなって言っただろ!」と、まあそんな感じのようです。
台湾の台風は強烈です。台風の発生源から近いインドネシア、台湾、沖縄あたりに接近する台風は日本本土に接近する台風とは格が違います。
台湾の街中で目線を上に上げればわかりますが、道路に突き出たたくさんの看板が見えるでしょう。お店の看板、道路看板、標識・・・。
あのような看板や個人宅の植木鉢やエアコンの室外機なども落ちてくる場合があるそうです。直撃したら本当に命に関わります。
また、街路樹の倒木の恐れも高いです。
なので、万が一旅行中に停班停課が出た場合はホテルに籠ることが基本で、どうしても外出しなければならない場合は可能な限り騎楼の下を歩きましょう。
→ 商店街?台湾の騎楼(亭仔脚)を知れば台湾観光旅行がもっと楽しい!
騎楼は日差しや雨を凌ぐだけでなく、こんな時にも役に立つのです。騎楼がない場合やちょっと遠くの場合はタクシーかUber呼びましょう。(来るかどうかはわかりませんが)
→ 台湾ではタクシーよりUber taxiがおすすめ!使い方とメリット
また、万が一怪我をして入院なんていうことに備えて海外旅行保険も検討しましょう。少なくても無料で加入できるエポスカードくらいは入っておいた方が良いと思います。
→ エポスカードはなぜ台湾旅行におすすめなのか?詳しく解説します
台湾旅行中での被災
台湾旅行中に台風や地震などの災害にあってしまう場合も十分あり得ます。
台風はある程度予測は可能ですが、地震は突然きます。
日本にいれば、テレビやラジオ、ネットで情報をすぐに集めることができるでしょう。でも台湾にいたらあなたはどうする?
中国語がわからないと厳しい状態になりますし、最悪は命に関わります。
そんな時のために、海外にいても日本語で最新の安全情報を日本の外務省から受け取ることができるサービスがあります。
たびレジと言います。自然災害だけでなく、危険度の高い事件の発生や、暴動化の恐れのあるデモなどの情報を日本語のメールかLINEメッセージで受信できます。
無料で利用できますので、台湾だけでなく海外旅行の際には登録しておくと安心です。
まとめ
2023年8月、私が住む沖縄に台風6号が接近しました。930hPaという状態でしたので、それはもうとんでもない強さの台風で、空港もモノレールもバスも学校もほとんどのお店や会社も休みになりました。
この台風6号は沖縄を過ぎた後台湾北部に接近するため台北市や宜蘭市、新北市、基隆市などでは停班停課が発令されました。
勢力を増したまま接近する台風の強烈さは日本の本土に上陸する台風とは比較にならないものです。
沖縄に来て初めてそれを実感しました。特に暴風が強烈でほぼ丸2日間恐怖しか感じませんでした。初めての停電も経験しました(24時間後に復旧)。
南国の台風は遭遇しないと実感できないと思いますが、もし台湾への旅行中に台風が接近した場合は予定を切り上げてでも早めに帰国することをおすすめします。
むしろ事前に台風の接近が判明しているのなら旅行を延期すべきです。今回の台風でも沖縄に旅行に来て台風で欠航になり帰れなくなった人が何万人もいたようです。
停班停課になるような事態には遭遇したくないですね。旅行に行くのならその前に天気予報を毎日確認しましょう。
海外で安全・快適にインターネット接続する方法はこちら!
データで判明したどこにもないベスト10はこちら!