沖縄に移住したいと思っている人の参考に
早いもので東京から沖縄県那覇市に移住して1年が経ちました。1年住んでみてわかったこと、思ったことを記しておこうと思います。
生まれ育った東京と比較している部分が多いですが、いつか沖縄に移住したいと思っている人の参考になればと思います。
私が何故沖縄に移住することを決めたのかは下記を参照してください。
移住後1ヶ月後の感想は下記です。
→ 日本国内で台湾に最も近い沖縄県に移住して1ヶ月経過後の感想
1年間沖縄で過ごしてわかったこと
春夏秋冬、1年を経験したことでわかってきたこともあります。沖縄の生活とはどんなものなのか、お話ししていきます。
台風はなかなか強烈
移住した昨年(2022年)は大した台風は接近しませんでしたが、今年は既に一度台風が接近しました。台風2号です。
大型でしたがまだ真夏になっておらず海面温度が低かったことが幸いして接近するにつれ徐々に弱体化していましたが、それでもかなりの強風でした。
どのくらいかと言われると表現に困りますが、東京で台風が接近した時に感じるよりは明らかに酷い状態でした。雨もそれなりに酷かったですが、雨より風の方がインパクトありました。
沖縄の人に聞くとこの台風は「大したことなかった」「ここ数年は本当にやばい台風は来ない」なんて言いますが、東京在住だった私には結構やばい台風でした。
台風が過ぎた後街中を歩きましたが、木が折れていたり標識や看板が倒れていたりしていました。それなりに大きな台風だったと思っています。
さて、沖縄では台風が近づくと危険度を測る指標があります。
- ゆいレールが止まる
- バスが止まる
- スーパーが閉店する
- ユニオンが閉店する
今回の台風2号は上記の3まで進みました。1のゆいレールが止まるケースは比較的多いようで、今回も早めに止まったようです。なお、ゆいレールが止まる状態だとほぼ飛行機も欠航になります。
2のバスが止まるですが、バスが止まるとほとんどのスーパーが閉店を決め、会社や他の商店などもお休みとなるところが急増します。
沖縄にはいくつかチェーンのスーパーがあり、イオン(マックスバリュー)、かねひで、サンエー、リウボウなどは今回は台風接近に伴い続々と閉店しました。
問題はユニオンです。ユニオンとは沖縄にあるスーパーのチェーン店ですが、ユニオンが閉店するという事態になると沖縄県民は「これは本当にヤバイ」という認識をします。
逆に言うとユニオンから閉店のアナウンスがない限りは「この台風は大したことない」と言う認識でいるのです。
今回の台風2号ではユニオンはずっと開店していたようです。そういうわけなので今後はユニオンをチェックしていきたいと思っています。
毎日のように轟音が鳴り響く
沖縄には米軍の基地が多く、また自衛隊の駐屯地もあるので、軍用機やヘリコプターがかなりの頻度で空を飛んでいます。
かなりの低空を飛ぶこともあって、沖縄では日常的に空に轟音が鳴り響いています。
旅行者は何事かと思って空を見上げたりもしますが、沖縄人は気にもしていません。移住後しばらくは私もうるさいなあと思っていましたが、今はそれが日常になり慣れました。
沖縄は湿度が高くカビに注意
移住する前から「沖縄は一年中湿度が高いから部屋の中にあるものがカビるから気をつけろ」という情報は把握していました。
確かに沖縄は湿度が高いのです。東京と比べるとかなり違います。
詳しくは下記に沖縄、東京、台湾の湿度の違いをまとめてあるので参考にしてください。
→ 台湾と日本の気候を比較-気温・湿度・降水量・日照時間・風速の違い
そんなわけで事前に高性能な除湿機を購入しました。この除湿機は寝ている間は電源を切っていますが、昼間はほぼ付けっぱなしです。
これのおかげで今のところカビの被害はありません。除湿機、優秀です。
屋外の湿度にもよりますが、湿度が高い時期は12時間ほどで4.5リットルのタンクが満杯になります。こんなに水が貯まるの?と最初は驚きましたが、本当に水が貯まるのです。
逆にこれだけの水分が空気中にあり、部屋に常時蔓延していると思うと、確かにカビは発生するでしょう。
なので沖縄に住むのならある程度高性能な除湿機は必須です。雨の時は衣類乾燥機にもなるのでかなり便利です。
那覇市は都会?
那覇市は沖縄県の県庁所在地。それなりに都会で色々なお店も多く、生活するのに不自由はしません。ドンキやダイソー、無印、ユニクロ、家電量販店もいくつかあるし、スーパーも多いので、全く問題ないです。
とは言っても東京から来ると「やはり地方だな」と感じることがあります。
例えば道路。東京都内では歩道も含めて道路は良く整備されており、陥没やひび割れが発生しているようなところはほとんどなく、足元を気にすることなく歩けました。
しかし沖縄の道路は那覇市でさえ、かなり危ないです。陥没していたり、歩道のレンガブロックみたいなものが外れて転びそうになるようなことがあります。ちゃんと整備されていないのです。
これは沖縄に限った話ではないのかもしれません。地方に行くと同じようなことが結構あります。東京都の財政が恵まれているのでしょう。
それと東京に居た頃、良く某県にスタバが初出店で大行列!なんていうニュースを目にしましたが、先日沖縄でも同じようなことがありました。
沖縄県に鳥貴族が初出店!というニュースです。ええええ?と思いました。そして案の定大行列です。
私はスタバも鳥貴族も普段行くことはありませんが、百歩譲ってスタバは理解できますが、トリキは有り得ない。トリキなんかで大騒ぎになるというのはやはり地方なんですね。
そこら辺がちょっと残念なところです。
虫や生き物
沖縄はGがデカくて多いという噂を移住前から聞いていました。1年経過してどうかというと生きているGはほぼ見ていません。
当初住んでいたところは1階に飲食店のある古い小さなアパートの4階でしたが、7ヶ月住んでいて一度もGを見ませんでした。その後猫を拾ったためペット可の物件に引っ越しました。
その引越し先の前住人が部屋を大変汚してひどい状態であったので、引越し前にバルサンを使いました。1日経過して見に行った結果は大小のGが15匹くらい死んでいました。
そんなことがあったので引越し後も多少Gの出現を覚悟していましたが、5ヶ月経過した今も一度もGは出てきません。バルサンが効いているのかもしれません。
ちなみにここも4階です。下層階に住んだり1階に飲食店があるとGの出現率は高まるそうなのでGが苦手な人は出来るだけ上層階に住むようにしましょう。
G以外の虫ですが、家で良く出現するのは小蠅です。どこから湧くのかよくわかりません。排水溝などは掃除していますが、なかなか駆除できません。
それから先日小さなアリが数回出現しました。しかし設置したアリの巣コロリが効いたのか最近は見かけません。
何という虫かわかりませんが、蜂くらいの大きさの見たことのない妙な黒い飛ぶ虫が風呂場に一度に2匹いたことがあります。窓がなく換気扇しかない風呂場なのでこれは謎でした。
蚊は家の中では一度も見ませんが、公園などに行くと結構います。蛾はほぼ見ないです。蝉は本土とは違う声で鳴く蝉が夏には多いです。
公園などの草むらに行くとバッタや蝶などはたくさんいます。見たことのない綺麗な蝶もいます。
沖縄でも北部の山間部に行くとまた違うと思いますが、南部の那覇市の市街地だとこんな感じですね。
それ以外の動物では野鳥が多いです。聴いたことのない声で鳴く鳥が非常に多くて南国を感じさせてくれます。一方で東京と比べると鳩、カラス、スズメなどは少なめです。
生きている姿は沖縄では見たことがないのですが、ネズミは多そうです。良く道路で死んでいます。
それから野良猫が多いです。その多くは地域猫として避妊、去勢手術が施されており、地域で飼われている猫です。野良犬は見かけたことがないです。
不発弾処理がある
引用:Yahoo!防災速報アプリ
かつて沖縄の特に南部は戦火にまみれ、その痕跡をいまだに残しています。
たまにですが、街中で不発弾が見つかります。ほとんどは工事現場で掘り返している時に見つかるようです。不発弾が見つかると近隣の住民は避難を強いられ、道路も封鎖されてしまいます。
自衛隊不発弾処理隊により多くの場合は安全に無力化されますが、爆破させなければならないこともあり、近くだと結構な衝撃が伝わります。
一度あったのは「あれ?今のは地震?」と感じたことです。震度1くらいの感覚でしたが、調べたところどうやら海の方で爆破させたようでした。
不発弾処理は場所にもよると思いますが、平均すると2〜3ヶ月に1回くらいは那覇市内であるのではないでしょうか。
不発弾が近くで発見されると何度か通知が届きます。
- 不発弾を発見したので、今後の予定を通知します
- 現地対策本部が設置されました
- 対象地域の地域の住民は指定の避難場所に避難してください
- 不発弾処理が開始されました
- 不発弾処理が終了しました。避難は解除します
1から2に進むのに1〜2日、2から5に進むまで1時間半〜2時間くらいです。
東京で不発弾が見つかったらニュースになりそうですが、沖縄では日常ですのでニュースにもなりません。
夏は暑く、冬は暖かい
これは予想していたことですが、感覚的には予想以上でした。
冬は本当に暖かいです。少なくても全然寒くはないです。例として1月の平均気温は
- 沖縄県 最高気温19度 最低気温14度
- 東京都 最高気温10度 最低気温4度
1月でも日によっては夏日(最高気温25度以上)となるような日もあり、半袖で十分なこともあるくらいでした。
20度を下回るような日は沖縄県民の多くはダウンコートやマフラーを着ます。しかし私はせいぜい薄手の長袖を羽織るくらいで十分過ごせました。
一方で夏は暑いです。8月の平均気温は、
- 沖縄県 最高気温31度 最低気温26度
- 東京都 最高気温31度 最低気温24度
数字だけ見ると東京とそんなに変わらないように見えますが、体感は全然違います。沖縄は直射日光が強く太陽が近い感覚。そして昼夜の気温差がない感じです。
それからこれは夏も冬も1年を通して言えることですが、沖縄は日毎の寒暖差が少ないです。
例えば沖縄は8月の平均最高気温31度ですが、毎日ずっと30度〜32度という感じで、稀に33度になることがあっても34度はまずありません。
対して東京は8月でも30度を下回る日があれば35度を超える日もあります。東京の暑さはヒートアイランド現象が大きく影響していますが、沖縄はそれはなく単純に暑いのです。
ヒートアイランド現象
都市部ほど気温が高くなる現象のことで、その原因として考えられているのは
- 木々や緑地、公園、水面の減少
- 地面に土がなく、コンクリートに覆われている
- エアコンや車からの排気
- ビルの林立による風通しの悪化
上記のような原因で都会は暑いのです。沖縄の暑さの原因とは全然違います。体感的には都会の猛暑日の方が耐え難い暑さですね。
ウチナータイム
沖縄時間というやつです。これは広く知られていると思うので詳しくは言及しませんが、沖縄人は時間にルーズというより、何事ものんびりしています。
幸運にも約束の時間に大幅に遅れるという体験をしたことはないですが、少々の時間は結構遅れてきます。そんなものだと知っていればそれほど気にもなりません。
個人店のお店も10時開店なんていうのもお店によっては適当で、11時になったりもします。これもそんなもんだと理解しておけばOKです。
ウチナータイムは完全に慣れだと思います。本土から移住してきた人間でも理解していれば大丈夫です。のんびり生きましょう。
車は不要?
沖縄は車必須とか言われます。都会は公共交通網が発達していますが、地方にはそれがなく移動手段として車は確かに便利です。
しかし私は車は持っておりません。沖縄県と言っても場所によると思いますが、那覇市の中心部に住むのなら特に車は不要ですね。
私の移動手段は徒歩、ゆいレール、自転車、タクシー(Uber)、レンタカー、バスです。これだけで十分で、特に困ることもありません。
事故のリスクや、車の維持費や駐車場代を考えたらずっと安く済みます。
ついでに沖縄の交通渋滞について言及しておきます。沖縄県民の主な移動手段は車です。その為朝夕の通勤時間帯は那覇市や周辺の道路は混雑します。
「沖縄は短い距離のゆいレールしか電車がないので渋滞がひどい」と言われますが、私が見る限りそれほどでもないです。確かに混雑時はノロノロ運転になりますが、それでも全然動かないということもなくそれなりに進みます。
都内の幹線道路や都内周辺の高速道路などでは場合によっては全く進まないレベルの渋滞に巻き込まれることが結構あります。それと比べると沖縄県民が言うほどでもないかなと思いますね。
沖縄県の送料
ネットで買い物する習慣があるので、ついついAmazonや楽天市場などで買い物しますが、「全国送料無料」のものもそれなりにある反面、「北海道・沖縄・離島は送料別途」と言うような場合も結構あります。
Amazonは沖縄に配送センターができたので多少良いですが、Amazon以外だと沖縄は送料が必要なことが多々あります。お買い物合計10000円以上で送料無料というような場合もあります。
先日猫の餌を買おうと思ったら、「全国送料無料だけど沖縄だけは送料3000円」と言われました。猫の餌より高いです。
発送元は本州が多いと思うので、陸路がなく空路か海路で運ぶしかない沖縄は送料がかかってしまうのは仕方ないでしょう。
大抵の物は那覇市内で買うことができますが、ネット通販だと送料がかかる場合がある、というのは沖縄のデメリットですね。
沖縄は物価が高い?
沖縄は結構物価が高いという噂を移住前に聞いていました。実際に住んでみてどう感じたかというと総合的に見て東京よりは安いと思います。
総務省が都道府県別の消費者物価指数を公表しています。下記数値は2021年度の結果です。(総務省:2021年消費者物価指数)
全国平均を100とした場合の指数で最も高いのは東京都で104.5です。沖縄県は上から27番目で98.5でした。
沖縄県は全国的に見れば平均より物価は安いのです。
では何故それでも沖縄は物価が高いと言われるのか?答えは食料品にあります。食料品の指数は101.2なので全国平均より高いことになります。
沖縄県産の野菜や果物などは比較的安価ですが、海を超えて荷物を運ばなくてはならないので本土と比べると送料が上乗せされてしまうのです。
そのためデイリーで消費する食品はやや割高なのです。
ちなみに上の写真のような南国のフルーツはスーパーなどでも多少売っていますが、道の駅に行くと多種多様に販売しています。そして安いです。
沖縄は花粉症がない
東京に住んでいる時は私は毎年花粉症に悩まされ、1年中抗アレルギー剤を服用し、それでも春は厳しかったのですが、沖縄に来てからは薬も飲まないのに全く花粉症の症状が出ません。
これは沖縄に花粉症の原因となるスギやヒノキがほぼないからです。
何故スギやヒノキが沖縄にないのかは下記をご参照ください。
参考花粉症にお悩みの方が春に旅行に行くのは沖縄か北海道か台湾か?
沖縄・北海道・台湾にスギの木はあるのか? 花粉症と言えばスギ花粉症が日本で最も多いそうで、2,500万人もいると推定されているようです。つまり5人に1人は毎年花粉症で辛い日々を送っていると言うことにな ...
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花粉症を気にしないで生活できるというだけで大きなメリットです。花粉症がひどい人はこれだけで沖縄への移住を検討しても良いレベルだと思います。春でも超快適&薬代も不要になります。
沖縄に1年住んだ満足度
東京から移住するに当たり、どこが良いか相当検討しました。行ったことがある場所の中でどこが良いか?
個人的に海が近くにあり、生活に困らないインフラがあることを考えました。
移住先候補地
- 千葉の外房や神奈川の三浦半島
- 函館
- 香川か愛媛
- 那覇
これらが候補になりました。東京にはまだ私の実家があり、帰ることもあるので千葉や神奈川など近場が良いかとも思いましたが、この辺りは海は近いものの生活はやや不便。それこそ車が必要。
函館は大好きなラッキーピエロもあるし、札幌より物価が安く美味しいものが食べられる、市電を使えば生活にはそう困らないし海もあるので良かったのですが、やはり冬の寒さは問題でした。
四国八十八ヶ所を歩いたので四国も候補でした。中でも気候が安定している香川の高松や愛媛の松山は比較的街も大きく食べ物も美味しく魅力的でしたが、市街地から空港が遠い上に台湾行きの飛行機の選択肢が少ないのが難点でした。
那覇は台湾が近く、便数も多いので行くのは楽。それなりに都会なので生活には困らない上に、冬でも温暖。綺麗な海に囲まれているのも魅力的でした。
実家のある東京まで遠くなるような気もしますが、那覇空港まで近いので飛行機に乗ってしまえば中途半端な場所より意外に早く東京に飛んでいけます。
沖縄は今や日本全国で唯一人口が増加している県です(都道府県別人口増加率ランキング)。移住者も非常に多く、沖縄でも何人も会いました。
満足度は非常に高いです。個人的なこともありますが、理由は
沖縄に移住して良かったこと
- 家賃が安い
- 生活に困らないインフラがある
- 沖縄ならではの食べ物や文化、習慣が楽しめる
- 台湾が近い
- 冬でも暖かい
- 温和で優しい人が多い
- 海が近い
- 花粉症がない
特に大きな困難もなく、メリットの方が圧倒的に大きいです。特に沖縄に絶対住んでいなくてはならない事情があるわけでもないですが、当面県外に引越しすることは考えていません。
まとめ
今は大都市に住んでいるけど、いつか地方に移住したいと思っている人もきっといると思います。しかし地方に住むとなると色々と心配もあると思います。
まず仕事。仕事は何でもやってやる!という気概があればどうにでもなります。例えば沖縄は観光がメインの県なので観光関連業ならいくらでも仕事はあります。
例えばお土産屋、飲食店、ホテルなどは常時人材を募集しています。それ以外でも探せばありますし、今はノマドワーカーも多い時代です。
現在の仕事と比べたら収入は減るかもしれませんが、その分出費も減ります。独身であれば生活するにはそれほど困らないと思います。
家族、特にお子様がいる場合は教育のことも考えなければなりませんが、デメリットよりメリットが大きいと思えば即行動です。
人生は一度きりです。以前どこかにも書きましたが、私が考える最悪の人生は、死ぬほど働いて退職したが、退職後は気力も体力もなくなり、そのまま何せずに死んでしまうという人生です。
そんなんだったら生きていた意味がありません。失敗したって良いので何かにチャレンジした方がよほど良いです。
地方移住はあえて不便な場所に住む人もいます。不便を楽しむという心構えが必要だと思いますが、ある程度便利さも必要なら地方の中心地が良いです。
中でも沖縄県那覇市はおすすめです。是非検討してみてください。まずは沖縄に来てリアルな沖縄を感じ取ってください。