台湾の天候を徹底検証
台湾は日本よりずっと南にあるけど、どのくらい暑いんだろう?どんな服装で行けば良いのだろう?半袖?長袖?
真夏の時期は暑いに決まっているので服装は半袖で良いとしても、特に冬の時期はどの程度寒いのだろう?
初めて台湾に行くような場合、結構悩むと思います。
ここでは気温だけではなく、体感温度に大きく影響する湿度、それから雨の量と日照時間、風速も比較します。
これを読めば服装の悩みや傘が必要な時期かどうかの結論も出ると思いますよ。
比較する場所
台湾は北部と南部で気候が違います。北部は亜熱帯地方、南部は熱帯地方に属し、かなりの違いがあります。そのため台湾は台北だけでなく、高雄もピックアップしました。
日本は東京(千代田区)と沖縄(那覇市)をピックアップ。北海道との比較はあまりにも違うことが想像できると思いますので、人口の多い東京と台北と同じ亜熱帯地方に属し、私が住んでいる沖縄にしました。
なお、このページで言及するすべてのデータは1991〜2020年までの30年間の平均データを使用し、データ元は信頼性の最も高い各国政府機関発表のデータです。
台湾と日本の気温
東京都 | 沖縄県 | 台北市 | 高雄市 | |
1月 | 5.4 | 17.3 | 16.6 | 19.7 |
2月 | 6.1 | 17.5 | 17.2 | 20.7 |
3月 | 9.4 | 19.1 | 19.0 | 23.0 |
4月 | 14.3 | 21.5 | 22.5 | 25.7 |
5月 | 18.8 | 24.2 | 25.8 | 27.8 |
6月 | 21.9 | 27.2 | 28.3 | 28.9 |
7月 | 25.7 | 29.1 | 30.1 | 29.4 |
8月 | 26.9 | 29.0 | 29.7 | 28.9 |
9月 | 23.3 | 27.9 | 27.8 | 28.5 |
10月 | 18.0 | 25.5 | 24.7 | 26.9 |
11月 | 12.5 | 22.5 | 22.0 | 24.5 |
12月 | 7.7 | 19.0 | 18.2 | 21.2 |
まず一番知りたい気温です。当然東京は全ての月で一番涼しいです。沖縄は台湾に地理的にも気候的にも近いこともあって、台湾とそう大きくは変わりません。
とは言え9〜3月までは台北より沖縄の方が暑いことがわかります。沖縄よりずっと南にある台北の方が寒いのです。
台北は冬の時期はかなり寒く、山沿いでは稀にですが雪が降ることがあります。大して沖縄本土では記録によれば雪(みぞれ)が降ったのは過去に一度だけです。
ちなみに台湾の人も沖縄の人も気温が20度を下回るとダウンを着る人が増えます。私からすればまだTシャツでも大丈夫なレベルでも寒がりの人は多いのです。
一方で真夏は南部の高雄より北部の台北の方が暑いのです。つまり熱帯の高雄は年間を通じて安定して気温が高いのに対し、亜熱帯の台北は夏と冬で気温の変動が大きいことがわかります。
台湾と日本の相対湿度
東京都 | 沖縄県 | 台北市 | 高雄市 | |
1月 | 51 | 66 | 77.2 | 71.6 |
2月 | 52 | 69 | 77.8 | 71.8 |
3月 | 57 | 71 | 76.1 | 71.9 |
4月 | 62 | 75 | 74.9 | 74.2 |
5月 | 68 | 78 | 74.7 | 76.6 |
6月 | 75 | 83 | 75.3 | 79.0 |
7月 | 76 | 78 | 70.2 | 78.0 |
8月 | 74 | 78 | 72.1 | 79.9 |
9月 | 75 | 75 | 73.9 | 77.5 |
10月 | 71 | 72 | 74.4 | 74.2 |
11月 | 64 | 69 | 75.0 | 73.1 |
12月 | 56 | 73 | 75.9 | 71.6 |
これはグラフを見ればわかりやすいです。東京は冬は乾燥しますので湿度は低いですが、夏の間は高く台湾とそう変わりません。蒸し暑いのです。
また沖縄、台北、高雄は月別に見てそう大きな差はなく、年間を通して湿度が高いことがわかります。
湿度は実際の体感温度に大きく影響しており、一般に以下のことが言えます。
湿度のポイント
- 気温が高く、湿度が低い場合は体感温度は下がります
- 気温が低く、湿度が高い場合は体感温度は上がります
日差しは強いけど意外とそんなに暑くない、雪が降ってきたけどそこまで寒いとは感じない、そんなことありますよね。これには温度だけでなく湿度(そして風速)が大きく影響しているのです。
台湾と日本の降水量
東京都 | 沖縄県 | 台北市 | 高雄市 | |
1月 | 59.7 | 101.6 | 93.8 | 19.1 |
2月 | 56.5 | 114.5 | 129.4 | 17.7 |
3月 | 116.0 | 142.8 | 157.8 | 32.3 |
4月 | 133.7 | 161.0 | 151.4 | 68.4 |
5月 | 139.7 | 245.3 | 245.2 | 202.2 |
6月 | 167.8 | 284.4 | 354.6 | 416.2 |
7月 | 156.2 | 188.1 | 214.2 | 377.2 |
8月 | 154.7 | 240.0 | 336.5 | 512.4 |
9月 | 224.9 | 275.2 | 336.8 | 224.5 |
10月 | 234.8 | 179.2 | 162.6 | 53.4 |
11月 | 96.3 | 119.1 | 89.3 | 25.6 |
12月 | 57.9 | 110.0 | 96.9 | 19.2 |
グラフを見てまず目を引くのは高雄の降水量です。高雄は完全に雨季と乾季に分かれており、夏は雨が多く、冬は雨が非常に少ないことがわかります。
高雄は熱帯地方です。熱帯地方の多くの場所は乾季がほぼなく、年間を通じて雨が多いことが特徴でもありますが、亜熱帯高気圧の影響を大きく受ける場所ではこのように雨季と乾季がはっきりとします。
夏から秋にかけて各地点で雨量が多くなるのは台風の影響も大きいと思われます。
東京は梅雨の時期より実は秋の方が雨が多いのは結構知られた話です。しかし沖縄も台湾もそれ以上に雨が降ります。
沖縄と台北は比較的似ていて年間を通して雨が安定的に多いです。ちなみに私が住んでいる沖縄は冬は「曇り時々雨」のような天気が毎日続きます。快晴の日は少ないです。台北含む台湾の北部は似たような感じだと思います。
台湾と日本の日照時間
東京都 | 沖縄県 | 台北市 | 高雄市 | |
1月 | 192.6 | 93.1 | 76.1 | 177.0 |
2月 | 170.4 | 93.1 | 79.3 | 176.0 |
3月 | 175.3 | 115.3 | 95.1 | 194.7 |
4月 | 178.8 | 120.9 | 96.9 | 197.2 |
5月 | 179.6 | 138.2 | 113.6 | 207.7 |
6月 | 124.4 | 159.5 | 114.8 | 215.0 |
7月 | 151.4 | 227.0 | 176.9 | 220.7 |
8月 | 174.2 | 206.3 | 182.8 | 189.3 |
9月 | 126.7 | 181.3 | 151.7 | 188.6 |
10月 | 129.4 | 163.3 | 114.7 | 191.9 |
11月 | 149.8 | 121.7 | 93.3 | 166.5 |
12月 | 174.4 | 107.4 | 78.6 | 157.2 |
台北は雨が多いと言われますが、日照時間を見ても台北は晴れの日が年間を通して少なそうです。曇りか雨。運が良ければ晴れるというパターンが台北です。
沖縄は台北よりは日照時間が長いですが、やはり冬には曇りの日が多いため日照時間は短めです。東京は冬は高雄よりも日照時間が長いです。冬晴れの日が多いのですね。
高雄は年間を通して日照時間が長いことがわかります。しかし前述のように夏から秋の降雨量は尋常ではないので、夏から秋にかけての雨は一気に大量に降る雨であろうと想像できます。
台湾と日本の風速
東京都 | 沖縄県 | 台北市 | 高雄市 | |
1月 | 2.7 | 5.3 | 2.7 | 2.2 |
2月 | 3.0 | 5.2 | 2.5 | 2.2 |
3月 | 3.1 | 5.2 | 2.6 | 2.1 |
4月 | 3.2 | 5.1 | 2.5 | 2.1 |
5月 | 3.1 | 4.8 | 2.4 | 2.0 |
6月 | 2.8 | 5.5 | 1.9 | 2.2 |
7月 | 3.2 | 5.3 | 2.1 | 2.4 |
8月 | 2.9 | 5.2 | 2.2 | 2.3 |
9月 | 2.7 | 5.3 | 2.7 | 2.2 |
10月 | 2.6 | 5.5 | 3.0 | 1.9 |
11月 | 2.5 | 5.3 | 3.1 | 1.9 |
12月 | 2.6 | 5.3 | 2.6 | 2.1 |
風速は圧倒的に沖縄が強いです。住んでいる私の感覚だと無風という感じの日はほぼなく、毎日風が吹いている感覚です。
沖縄の風が強い原因は高い山がないため海からの風が抜けていくためだと思います。
対して東京、台北、高雄は風速は大差ありませんが、特に高雄は年間を通じて強い風はあまり吹かないようです。
風速は上述の気温、湿度とともに体感温度に大きく影響します。
風速のポイント
風速1メートルで体感温度は1度下がる
冬場は高雄は若干風が落ち着き、東京と台北はそこそこ風が強いことがあるようです。このため東京や台北では気温以上に寒く感じることもあると思われます。
台湾の天気予報アプリ3選
台湾に旅行に行く時には台湾の天気のチェックは絶対必要です。ここではいくつかのアプリを紹介します。
中央氣象局W
気象局は日本で言う気象庁と同じで台湾の公的機関です。やはり一番信頼性は高いと思います。地点を検索して台湾全土どこでも予報を閲覧できます。
1週間予報では単に天気や気温だけではなく湿度や風速などを加味した体感温度の予報も出ますので、旅行の参考になります。
繁体字の中国語表示しかできませんが、日本人なら直感的に理解できると思います。何か一つインストールしておくならおすすめです。
中央氣象局W - 生活氣象
Central Weather Bureau Taiwan(R.O.C.)無料posted withアプリーチ
Windy.com
こちらのアプリは、10日先までの気温や風、雲の動きなどを世界レベルの3つの気象モデルから予測できるアプリです。
台湾だけでなく世界中の天気を予想できます。特に台風が接近している時の進路予想などは精度が高いようです。
直感的にわかる見やすいマップが他の予想アプリとは一線を画します。
Windy.com - 天気とレーダー
Windyty, SE無料posted withアプリーチ
WeatherNews
これは日本のアプリなので多くの人が既にインストール済みだろうと思いますが、台湾にも対応していますので是非使ってみてください。
上のタブの「編集」から「天気予報の地点を追加」で登録しておけばいつでも確認できます。こうして複数のアプリで天気を確認しておくことで自分なりの判断で予測もできます。
ウェザーニュース
Weathernews Inc.無料posted withアプリーチ
台湾で着る服装
冬はさすがに(特に北部では)Tシャツ1枚では厳しいですが、台湾ではほとんどの時期、Tシャツ1枚で過ごせます。
そこで、台湾人にウケる台湾デザインのTシャツを各種用意しました。全て台湾ウォーキングのオリジナルデザインです。
TシャツトリニティではTシャツだけでなく、パーカーやトレーナーからワンピースまで各種アイテムが揃っています。
台湾のスラングをモチーフにしたTシャツは台湾人にウケるので、コミュニケーションを取るきっかけにもなりますよ。
まとめ&台湾旅行のベストシーズン
よく台湾では何月はこういう服装でとか長袖が必要とか書いている人がいますが、暑い寒いの感覚は人によって大きく違いますし、住んでいる地域で慣れもあるため一概におすすめするのは難しいと思います。
また気温だけのデータで服装を薦めるのもどうかと思います。実際の体感温度は気温だけでなく湿度、風速に大きく左右されます。服装は台湾への渡航直前の天気予報を見て、暑がりなのか寒がりなのかの自覚も含めて判断するしかありません。
そしてその天気予報では気温だけでなく、風速や湿度もチェックしてください。
例えば
- 台北 気温20度 湿度70% 風速10メートル
- 台北 気温15度 湿度80% 風速1メートル
こんな予報の時はどう判断すれば良いでしょう?気温20度もあれば半袖で良いと思ってしまったら危ないです。実際の体感温度は2の方が暖かいはずです。
暑がり、寒がりというのは例えば気温20度の台北ではすでにダウンどころかマフラー、手袋を使う人もいる中で、平気で半袖短パンの人もいます。
台北と気候が似ている沖縄でも同じで、私は半袖でも地元民はダウンコートを着ている人もいます。概して南国に住んでいる人は寒さに弱いです。北海道に住んでいる人は逆でしょう。
さて、上記のデータでわかる台湾に旅行に行くのに最適な時期は
台湾旅行ベストシーズン
台湾旅行に最適な時期は11月〜4月
だと思います。真夏の暑い台湾を経験するのも良いですが、夏場は豪雨や台風に合う可能性が高まります。大型の台風直撃ともなると飛行機が欠航になる恐れもありますので可能ならば台風の時期は避けましょう。
そもそも夏場は雨が多いので予定していた通りに観光できない可能性もあります。
11月〜4月は台風が接近する可能性も低く、雨も少なく、傘を差さずに快適に観光できる可能性が高いです。特に高雄はこの時期全くと言って良いほど雨は降りません。台北は土砂降りはなくても小雨が降り続くことはあるので折り畳み傘は必須です。
日本人観光客の多くは台北など北部に行く人が多いらしいですが、南部の高雄、屏東、台南あたりはこの時期は気候が安定しているので旅行に最適です。たまには違う地方を探索してみるのもおすすめです。
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