台湾で今流行っているドリンクスタンドベスト10発表
台湾に行くとドリンクスタンドがたくさんあるけど、どのお店が良いのかわからない。
そんな人に参考にしてほしい手軽に美味しい台湾の飲み物が飲めるドリンク専門店の人気店を紹介します。
タピオカミルクティーしか思い浮かばない人もいるかもしれませんが、台湾のドリンクスタンドの多くはタピオカはメニューの一つに過ぎません。
基本はお茶(台湾茶)です。緑茶、青茶(烏龍茶など)、紅茶、黒茶(プーアル茶など)といった台湾茶をベースににフルーツや黒糖、ミルク、タピオカなどを追加する形が多いです。
台湾茶の種類については下記をご覧ください。
→ 【台湾茶の基礎知識】歴史と種類と特徴そして美味しい淹れ方
今、流行のドリンクスタンドはどこなのでしょう?
台湾のドリンクスタンド
台湾は暑いです。平均気温は日本を大きく上回り、1年中水分補給は必須です。
従って台湾では至る所に飲み物を売るドリンクスタンドがあります。
このようなドリンクスタンドを台湾では手揺店、ドリンクは手揺飲料と言います。
台湾ドリンクスタンドの歴史
台湾は昔からお茶を飲む習慣がありました。台湾茶は世界に認知されており、茶器も含め重要な産業の一つでもありました。
1983年に陽羨茶行という茶器店の店主が、若い人たちにもお茶をもっと味わってもらいたいと、自ら考案したお茶と氷をシェイクした冷たい飲み物を提供したところ人気になりました。
シェイクすることで泡が出ることから、この飲み物はバブルティーとも言われます。
それまではお茶は温かくして飲むというものが普通で、年配の人に好まれ、若者にはあまり好まれなかったものが受け入れられたことで、陽羨茶行は別にバブルティー専門店を開店しました。
台中に開店したこのお店は春水堂という店名で、若者に支持を受け、1987年にはバブルティーを進化させる形で、タピオカミルクティーを考案。
バブルティーはタピオカミルクティーの代名詞となり、人気は爆発しました。
同じ1987年には清心福全がカウンターで注文してテイクアウトでバブルティーを提供するスタンド形式の店舗を開発。
この形式は少ない資金で簡単に開店できることや、暑い台湾で若者を中心に大きな需要があると思われたことで、お店がどんどん増えていき、現在の状況になるわけです。
台湾ドリンクスタンド店舗数
台湾のドリンクスタンドの数は2013年で15,886軒、2022年で28,140軒と更に増加しています(ニューズウィーク日本版)。
2024年現在ではこの右肩上がりの推移から見て恐らく30,000軒を超えているでしょう。
ちなみに4大コンビニの総数で約13,000軒なので、コンビニの倍以上ドリンクスタンドが存在します。
この背景には、小規模店や屋台で起業することができ、利益率が高く、また特色も出しやすいことから個人での参入が多いことがあります。
そうやって屋台1店舗でスタートしたドリンクスタンドでも、今や世界中に店舗を構えているチェーン店もあるのです。
今回はそんな台湾のドリンクスタンドの人気店ランキングを、メニューの特色や創業地などとともに発表します。
データは網路温度計の2023年のデータを参照。SNS、ニュース、メディア、ブログなどインターネット上のビッグデータから算出したランキングです。
つまり売上や店舗数での順位ではなく、どれだけ話題になったかを示すランキングです。
台湾ドリンクスタンド人気ベスト10発表
第10位 迷客夏(milk sha)
2004年台南で発祥したブランドです。
迷客夏の特徴はミルクです。
2004年当時のドリンクスタンドはクリームパウダーを使っているお店がほとんどであった中で、新鮮なミルクを使った迷客夏はその美味しさで評判になりました。
現在は自社で牧場を持ち、成分無調整の新鮮なミルクを使ったドリンクを提供しています。
自社牧場を持っているというのは最大の特色であり、強みです。
台湾で200店舗以上、香港、シンガポール、オーストラリア、マカオにも店舗を持ち、日本にもかつてはありましたが、残念ながら現在は日本からは撤退しています。台湾に行かないと飲めません。
第9位 珍煮丹(TRUEDAN)
珍煮丹は2010年に台北の士林夜市の屋台からスタートしました。
特色は添加物を使用しないこと、そして天然の黒糖を使ったタピオカです。この黒糖に合う「鉄観音」「アッサム」「ジャスミン」のお茶を厳選。
8.5ミリの最高の歯応えを実現させた黒糖タピオカミルクティーが看板メニューです。
屋台から始まったこのドリンクスタンドは現在はアジアを中心に12ヶ国100店舗以上を展開。日本にも渋谷にお店があります。
第8位 茶の魔手(Tea & MagicHand)
(画像引用:茶の魔手facebook)
1993年に台南で発祥したドリンクスタンド。
創業時は1日に7杯しか売れなかったこのお店は、現在では台湾南部を中心に600店舗以上を展開しています。
台北には長い間店舗がありませんでしたが、2024年3月下旬に南京復興駅付近に開店しました。
ちなみに海外初進出として日本の渋谷に店舗が完成していますが、まだオープンしていないようです。
茶の魔手の最大の特徴は51万坪にも及ぶ自社農園を保有し、100%台湾産の茶葉を使用していることです。
自社農園を持っているのと言うのは最大の強みですし、茶の魔手の特徴です。
南投県にある自社農園の厳選した茶葉を使った美味しいお茶が特徴で、プラム、冬瓜、レモン、梅などとのブレンド茶も人気です。
第7位 麻古茶坊(MACU)
2008年台南発祥の麻古茶坊は台湾南部を中心に約350店舗を数え、アメリカやカナダにも進出をしました。
特にフルーツティーが人気があり、クリームチーズスムージー+季節のフルーツの組み合わせで一気に知名度を上げました。
他社にはない特色である「スムージー」と「チーズ」というキーワードで今までにない味の飲み物を生み出した革新性がすごいです。
また、夏季限定である楊枝甘露はマンゴー、グレープフルーツ、ココナツミルクを使ったドリンクで麻古茶坊の名前を一躍有名にしたドリンクでいまだに一番人気だそうです。
夏に台湾に行ったら飲んでみましょう!
第6位 再睡5分鐘(NAP TEA)
2020年台北に1号店を開店したこの妙な名前のお店は、日本語に訳すと「もう5分寝かせて」。つまり二度寝です。
ナマケモノをイメージキャラクターにしたインパクトのあるこのお店は、台湾で登録者数100万人を超える人気女性YouTuber滴妹さんが開いたお店。
まだ新しい上に店舗数も15店舗程度と、このベスト10の中でも極端に店舗数が少ない状態ですが、その話題性は絶大で、ファミリーマートとコラボも果たしました。
ファミマでこのナマケモノのキャラクターが描かれたドリンクを飲んだことがある人も多いかもしれません。
芋頭(タロイモ)を使ったドリンクやお茶とミルクを組み合わせたドリンクが人気のようです。
第5位 可不可熟成紅茶(KEBUKE)
(画像引用:可不可facebook)
2008年台中発のドリンクスタンドです。
このお店はブリティッシュスタイルのシンプルな店舗デザインで落ち着いた雰囲気。
他社のように派手さもなければ、可愛らしさもユニークさもない上に、独創的なメニューがあるわけでもありません。
また、限定メニューは多いものの、他社のように何十もの定番メニューがあるわけでもありません。
可不可の特徴は店名にもあるように紅茶です。フルーティで美味しい熟成紅茶を売りにして台湾で約300店舗を構えるまでに成長。香港にも進出しました。
そしてもう一つの特徴はキャラクターとのコラボです。ポケモンやディズニー、スヌーピーなどとのコラボで話題性は抜群でした。
第4位 拾汣茶屋(19TeaHouse)
(Photo:facebook拾汣茶屋)
2023年に台北でスタートしたばかりの拾汣茶屋は1年間で50店舗以上をOPENするという凄まじい勢いのあるドリンクスタンドです。
人気YouTuberであるToyzさんのお店で、タピオカの他、フルーツを贅沢に使ったメニューが人気です。
また、基本のお茶メニューは19元と非常にリーズナブルなのも特徴です。
再睡5分鐘もそうですが、ネット発のお店だからこそ、その情報伝達は早く、認知度は計り知れないものがあるようです。
第3位 清心福全
1987年台南発祥の老舗ドリンクスタンドで、台湾国内で900店舗以上を展開する巨大チェーンです。
老舗中の老舗である清心福全は、現在の台湾のドリンクスタンド業界の礎を築いたブランドです。
カウンターで注文してテイクアウトという現在では当たり前のスタイルの原点は清心福全です。
清心福全の特徴はお茶に徹底的にこだわること。
他社はどこかの産地の茶葉を厳選して使うといったスタイルが標準ですが、清心福全はどの茶葉をどの程度の割合で他の茶葉とブレンドし、またどのように煮出し、混ぜ、蒸らすかまで研究を重ねます。
烏龍緑茶などはこうしてできた人気のお茶です。
第2位 春水堂
(画像引用:春水堂facebook)
1983年台中で創業した春水堂はタピオカミルクティー発祥のお店です。
1987年に発売したタピオカミルクティーは今や台湾では定番飲料化し、一時期は日本でも爆発的に売れていました。
そして春水堂のもう一つの特色は飲料だけでなく、麺類や魯肉飯などの食事メニューが充実していることです。
このため食事+お茶で客単価が上がり、ドリンクスタンドというよりも食堂化してきていることは大きなオリジナリティです。
現在では台湾で約50店舗、日本でも10店舗以上を展開しています。
第1位 50嵐
1994年に台南で1号店を開店した50嵐は、老舗であるとともに知名度も抜群で、ドリンクスタンドといえば50嵐しか行かないという人もいると思います。
たくさんの新興勢力が店舗を拡大していく中でも、不動のトップを守るというのはすごいことだと思います。
台湾のドリンクスタンドの多くは外国人にも読みやすいように英語名もあります。
しかし50嵐はないので、読み方がわからない人も多いと思います。
50嵐(ウーシーラン/Wǔshílán)は五十嵐(イガラシ)。そう、日本の五十嵐さんの名前から取ったと言われています。
50嵐の創業者は台湾人ですが、たまたま日本人の五十嵐という名前を見て、面白半分で店の名前にしたそうです。
品質を徹底管理し、どこの店舗でも同じ味を味わえるようにしながら店舗を増やし、台湾では500店舗以上を展開する巨大チェーンになりました。
他社はフランチャイズ契約するだけでお店を始められますが、50嵐は契約後に1年間の修行を義務付けているそうです。これによってどのお店でも美味しいドリンクが飲めるのですね。
台湾以外の国ではKOI Thé(コイティー)の店舗名で出店し、日本でも東京や沖縄、広島で飲むことができます。
台湾のドリンクスタンドあれこれ
さて、最近話題になっているドリンクスタンドのことはわかったと思いますが、最近の台湾のドリンクスタンドは他にも変化していることがあります。
マイボトルで割引
台湾は環境問題に敏感です。それは日本以上に先行している感があります。
例えばコンビニのビニール袋を有料化したのも、日本よりずっと早いですし、マイバッグが一般化したのも早かったのです。
ビニールストローの廃止や、ホテルの一部無料アメニティの廃止、寺廟での線香や蝋燭の廃止など、一歩先を行く政策を現在も進めています。
そんな中でドリンクスタンドのカップもマイボトルが推奨されています。
全店舗ではありませんが、2022年7月より上記のような大手チェーン店はほぼ全てのお店で対応しています。しかも2元程度割引になります。
マイボトルは水筒でもコンビニのカップでも何でもOK(容量が入るものであれば)です。
ちなみにセブンやファミマのコンビニコーヒーや、スタバや85°Cなどのカフェでも割引になります。お店やサイズにより割引は違いますが、コンビニは3元、カフェは5〜10元程度のようです。
台湾に行くならマイボトル持参が良いかもしれませんね。
買一送一
(画像引用:麻古茶坊facebook)
ドリンクスタンドだけではないですが、台湾でこんな看板表示を見たことがある人もいると思います。ドラッグストアやスーパーにも多いです。
「買x送x」の意味はいくつか買うと、いくつかもらえるという意味です。
「買一送一」だと1杯の料金でもう1杯もらえます。「買3送1」、「買5送1」などこういったキャンペーンをドリンクスタンドでもよく見かけます。
限定商品や季節の商品、新商品、開店記念などでこういう販売方法を台湾ではよく行なっています。
ドリンクの場合は2杯飲むのは大変かもしれませんが、友達と一緒ならお得ですね。
台湾のドリンクスタンドまとめ
台南市発祥のお店が多いことに気がついた人もいるでしょう。
台南は本当にユニークで魅力的な場所です。このように新しいものが生まれる背景には、かつて台湾の首都であったこと、そして現在は台湾3大都市に含まれていないことがあると思います。
外国資本の多くはまず台北、次に高雄や台中に投下されます。台北の街を歩けばすぐにわかると思います。
日本やアメリカのブランドの看板がそこらじゅうにありますよね。
対して台南はそうなっていないので、負けじと独自の食文化が生まれるのです。
古い伝統的な食文化が残り、そしてまたこのように独自の新しい食文化が生まれる街が台南です。
そしてYouTuberのお店というのが最近の人気のようです。これは一過性のものなのか、今後巨大なブランド化していくのか注視していきたいところです。
さて、台湾には個人店、チェーン店含めてもっともっと多くのドリンクスタンドがありますが、日本人にも馴染み深い世界最大のドリンクチェーン店CoCo都可はどうなってしまったのでしょう?
実はCoCo都可は19位でした。固定客が多く、安定した人気はあるのでしょうが、少なくても2023年は話題に欠けたのかもしれません。
台湾に行ったらぜひこの話題の10店舗で、美味しいドリンクを飲んでみてくださいね!