
「夜市」と「観光夜市」の最も重要な違いは、「観光夜市」は台湾政府または(県や市の)自治体政府が観光客誘致のために設置の許可をしている夜市であること。
一方の通常の「夜市」は民間の運営あるいは小さい単位の自治体(県や市ではなくその下の行政区画である區や里など)が運営に携わる地元民の食卓として運営されています。
我々観光客は特に気にせず楽しめますが、この違いから色々と異なる点が派生しているのです。これは後述します。
このページでは、台湾の夜の定番観光コースである夜市に関する様々な素朴な疑問に、台湾検定1級の筆者がお答えしていきます。
以下の目次から興味のある項目だけでも読んでみてください。
目次
- 台湾の夜市文化Q&A
- 「夜市」と「観光夜市」の違いは何?
- 夜市って何時から営業しているの?
- 言葉(台湾華語)を話せなくても注文できる?
- 支払い方法は?クレジットカード使える?
- 夜市の歴史は?
- 夜市はどこにあるの?
- 何を食べれば良いの?
- 値切っても良い?
- ベジタリアン向けの屋台はある?
- アレルギー対応はしていますか?
- 夜市でお腹を壊すことがあるって聞いたけど本当?
- 臭豆腐って何であんなに臭いの?
- 屋台の食べ物をテイクアウトすることはできますか?
- お酒は売っていますか?
- トイレはありますか?
- ゴミ捨てはどうすれば良いですか?
- 夜市で買ったものはどこで食べるのですか?
- 人気の夜市はどこですか?
- 雨の日でも営業していますか?
- 夜市の出店者のビジネスモデルは?
- 夜市にはどのようなタイプがありますか?
- 台湾の夜市Q&Aまとめ
台湾の夜市文化Q&A
台湾には少なくても500ヶ所以上の夜市があり、観光客にも非常に人気で、日本人だけでなく外国人も多く訪れます。
あなたもきっとどこかの夜市を訪れたことがあるでしょう。
このページでは今さら聞けない夜市に関する素朴な疑問から、知っているとちょっと台湾通になれる疑問まで解決していきたいと思います。

台湾旅行に行く前にぜひ読んでみてください。
「夜市」と「観光夜市」の違いは何?
冒頭で述べた通り、運営母体が違うことが多いことから以下のような違いがあります。(一概には言えないので一般論として参考程度に)
比較項目 | 夜市 | 観光夜市 |
管理主体 | 民間または地元の自治体 | 台湾政府観光署または自治体政府 |
対象者 | 主に地元民 | 主に観光客 |
価格 | 安いことが多い | やや高い観光客価格のことがある |
グルメ | 台湾人が好む料理 | 観光客が好む料理 |
夜市の内容 | 雑貨も多い | グルメメイン |
設備や案内 | 簡素なことが多い | 整備されていることが多い |
安全性 | 検査などがない場合がある | 衛生検査などを行う場合がある |
トイレ | ほぼない場合がある | 整備されていることが多い |
観光夜市は台湾政府や自治体政府が観光客誘致の目的を持って設置された夜市なのですが、だからと言って観光夜市に観光客がたくさん来るとは限りません。
自治体政府って?
日本で言う都道府県に当たる行政区画である直轄市(台北市など)、県(彰化県など)、省轄市(基隆市など)の自治体の地方行政を担う政府機関のこと。
この自治体政府の上に位置する行政組織が台湾政府になります。
当初の目論見通りにはならず、観光客が少なく、地元民ばかりになってしまうこともありますし、その逆もあります。
観光夜市は要は運営にそれなりの資金が投入されていますので、トイレが設置されたり、案内看板があったり、屋台で統一のメニュー看板があったりすることが多いです。
一部の観光夜市では地面や電柱などに電源が設置され、発電機を使わなくても電力を確保して運営できるところもあります。

グルメに関しては一般の夜市では台湾人相手を想定していますので、観光客があまり好まない料理、例えば蛇、カエル、スッポン、ザリガニ、虫などの料理があったりもします。
最近は結構淘汰されてきたようですが、観光客の多い一部の観光夜市ではぼったくり(フルーツなど)価格もありました。しかし地元民相手の夜市にはそういうお店はありません。
なお、正式には観光夜市と名が付く夜市も、「観光」を省略して呼ぶことも多いです。例えば高雄市の六合観光夜市は、一般的に「観光」が省略され六合夜市と呼ばれます。
→ 六合夜市-台湾高雄市最大の夜市でグルメを堪能し散策してみる
このように「観光夜市」か一般の「夜市」かは利用者に取ってはあまり差異はなくなっています。特に気にせず楽しみましょう。
夜市って何時から営業しているの?
これは夜市により異なりますし、また店舗によっても異なります。
Google Mapで調べると夜市の営業時間は書いてありますが、これは目安です。
早いところでは16:00頃から、遅くても18:00にはスタートするのが一般的で、終了はだいたい23:00頃ですが、場所によっては24:00を過ぎても営業している場合もあります。

一方、例えば台北の景美夜市や華西街観光夜市など屋台が少なく、商店街の路面店自体が夜市になっている場所では昼間から営業しているお店もあります。
→ 「景美夜市」はローカル感を味わいたい人におすすめなアーケード夜市
→ 台北龍山寺周辺夜市散策その3【華西街観光夜市(艋舺夜市)】
また台北の観光客の多い夜市は毎日営業していますが、地方に行くほど営業曜日が決まっていることが多いので、行く前には必ず確認しましょう。
言葉(台湾華語)を話せなくても注文できる?
心配無用です。指差しでメニューを指定して、欲しい個数を指で1とか2とか示すだけでOKです。「これを2つください」というのをジェスチャーする感じです。
英語なら通用する?と思うかもしれませんが、観光客の多い夜市ならある程度通用しますが、観光客の少ない夜市ほど通用しません。
日本語も同様で、日本語が通じるのは台北の有名夜市の一部店舗だけ。ただし、英語や日本語メニューを置いてあるお店は(特に台北市内では)それなりにあります。
何か特別な注文や質問などがあっても、スマホさえあれば翻訳できます。言葉がわからなくても何とかなる時代なのです。
→ 台湾旅行用「翻訳アプリ」3選!これでもう中国語(台湾華語)で困らない
支払い方法は?クレジットカード使える?
基本的に現金のみと思っていた方が良いです。そして、大きい単位のお札は敬遠されることがあるので、小銭と100元札を用意していけば問題ありません。
クレジットカードを使える夜市は現状は非常に少ないです(タッチ決済なら多少あり)。
台北の一部の夜市や路面店が店先に屋台を出しているようなお店では、路面店自体がクレカ可なら普通に使える場合がありますが、個人店が多いので、望み薄でしょう。

台湾のLINE PAYや街口支付などのQRコード決済が使える夜市やお店は一部にはありますが、日本のPayPayや楽天Payなどは使えません。
ただし、一部の夜市ではApple Payや悠遊カード(台湾のICカード)での支払いができます。悠遊カードを持っている人は多いと思いますので、ロゴマークが貼ってあったら使ってみてください。
夜市の歴史は?
夜市の発祥と歴史は諸説あり、明確にはなっていません。
夜市の原型は19世紀頃から農家や町民が夕方から食材を売ったりしていたことが始まりとも言われています。それだけ需要があったのでしょう。
それが進化し、一般には台北の士林夜市が最古とも言われ、1909年から始まった説があります。その後1930年代には士林市場がOPENし、昼から夜にかけて賑わいを見せたそうです。

当時は日本統治時代で、台湾料理だけでなく、日本のお祭り屋台文化も取り入れられ、たこ焼きなども売られていたそうです。(今でもたこ焼きは各地の夜市にあります。台湾では章魚燒と言います)
当初は昼間の営業だったものが、暑さもあって徐々に夜型になったとも言われ、また人々が仕事帰りに食事することが定着したこともあり、現在の姿になったとも言われます。
元々台湾では外食文化が非常に浸透しており、どこかで何か買って帰る、食べて帰るというのが普通でしたので、その需要に応えていたら夜営業になったという感じでしょうか。
新北市の楽華夜市も1940年頃から始まったとされる古い夜市です。
台南市の夜市が最古という説もありますが、これは間違いで、台南最古夜市でも1983年の武聖夜市です。その後すぐ花園夜市が登場し、この成功事例が各地に伝播したと言われます。
なので、台湾の多くの夜市は1980年代以降から始まった夜市が多いです。そういう意味では台南の夜市は最古ではありませんが、現在の夜市のモデルケースになったとも言えるかもしれません。
今では地元民の食事処としてだけでなく、多くの観光客を惹きつける観光スポットとなっている夜市も多く、自治体の後押しもあり、どんどん進化しています。
夜市はどこにあるの?
台湾各地に点在しており、少なくても500ヶ所以上あります。
あなたが宿泊する予定の地域にも必ずありますので、探してみてください。
このようなアプリで場所を調べることもできます。
アプリではなくても、例えば台北夜市などと検索すると、ネット上の記事がいくらでも出てきます。そういった記事や本屋でガイドブックを購入して参考にしてみましょう。
何を食べれば良いの?
日本人に人気があるメニューは例えば、胡椒餅、大腸包小腸、鹽酥雞、雞排、蚵仔煎、魯肉飯、牛排、滷味、地瓜球、臭豆腐などです。
何を食べるかは好みにもよりますので、何とも言えませんが、ひとまず夜市をぐるっと回ってみて、美味しそうなもの、あるいは他ではなかなか食べられないものを食べるのも良いかもしれません。

伝統的な台湾料理の他にもドリンクやスイーツのお店も多いです。
水を使わない新鮮なフルーツだけでその場で作ってくれるフルーツドリンクや定番のタピオカミルクティー、豆花や芒果冰なども台湾ならではのスイーツです。
夜市は食の宝庫なのです。
一番おすすめなのは、数人で行って、色々なものを少しずつ試してみること。
美味しいもの、話のネタになるもの、SNS映えするもの。色々食べてみてください。良い思い出になります。
値切っても良い?
夜市のグルメは値切っても安くはしてくれませんので、ダメです。
ただし大量に購入した場合は、店主が自主的に料金を多少おまけしてくれることもあるかもしれません。
しかしこれはこちらからお願いするものではなく、観光客は素直に表示された価格を払いましょう。
そもそも台湾には値切る文化はあまりありません。その代わり店側で「2件9折(2点購入で10%引き)」「買三送一(3点購入で1つプレゼント)」などと表示してあることが多いです。
夜市でも値切れる可能性があるのは雑貨です。それも例えば衣料品とかバッグとか単価の高めのものなら、ダメもとで聞いてみても良いと思います。
ベジタリアン向けの屋台はある?
「素食」あるいは「卍」マークのある屋台はベジタリアン向けです。

台湾では人口の10%がベジタリアンと言われており、素食専門の路面店も街中でよく見かけます。
日本よりはベジタリアン文化が浸透していますので、ベジタリアンの人も食べ物に困ることはないでしょう。
ただし夜市の屋台では素食専門のお店は非常に少ないのが現状ですので、ベジタリアンの人は夜市に拘らず街中の路面店を探してみましょう。
アレルギー対応はしていますか?
基本的にアレルギー対応はしてくれないと思っていた方が良いです。
細かい原材料がお店に表示されているわけでもないので、心配なら聞いてみると良いです。
翻訳アプリを使って「ピーナッツは入っていますか?」などと聞けばOKで、ピーナッツ抜きが可能なら対応してくれる可能性があります。
粉物などで小麦粉抜きは無理でしょうから、材料にもよります。
アレルギーではないですが、嫌いなものを抜いてもらうことも(調理的に可能なら)同様にお願いできます。
例えば台湾料理には良くパクチーが使われますが、嫌いな日本人も多いです。そんな時は不要香菜(Bù yào xiāngcài/ブーヤオシャンツァイ)と伝えましょう。
話せない人はメモを見せるなり、例えば上のようなTシャツを着て文字を指さすなりすればOKです。
夜市でお腹を壊すことがあるって聞いたけど本当?
夜市の衛生管理状態は、一般的に見て日本より劣ると思われますので、お腹を壊す可能性は否定できません。
そもそも屋外で、しかも夜とは言え暑い時期が長い台湾ですから、食材の劣化もありえます。料理に使う水や油自体が合わない場合もありえます。
しかしお腹を壊すかどうかは人それぞれです。

ちなみに筆者は今まで夜市で(台湾で)お腹を壊したことは一度もありませんが、以前女房殿と一緒に台湾に行った時、同じものを食べているのに女房殿はお腹を壊したことがありました。
多分原因は半生になっていたエビ料理だったと思います(それ以外にヤバそうなものは食べた記憶なし)。
台湾では2014年に地溝油事件という食用油に有害物質が含まれる廃油を混ぜて販売していた会社があり、それ以降衛生基準はかなり厳格化しました。
事件以降、定期的に衛生検査を実施する夜市も多いようです。
日本にいてもよくお腹を壊すことがあるような人は、常備薬を用意しておくと安心ですし、できるだけナマモノは避けるようにした方が良いでしょう。
臭豆腐って何であんなに臭いの?
夜市を歩いていると、日本人にはあまり馴染みのないとんでもなく臭い強烈な匂いが漂っていることがあります。原因は臭豆腐という台湾では一般的な料理です。
日本で言えばくさやの干物に近い匂いです。でも若い人はくさやの干物の匂いを知らない人も多いでしょう。
臭豆腐はまず豆腐を漬け汁(発酵液)に漬けてから、揚げたり焼いたり煮込んだりします。

あの衝撃的な匂いの原因は豆腐を漬けるこの発酵液です。
発酵液はお店によって材料は違いますが、一般的には以下のようなものを使います。
臭豆腐発酵液の材料
- 野菜(白菜・大根・キャベツなど)
- 干しエビ、干し貝柱など海鮮系
- 発酵した茶葉
- 魚や肉のエキス
- 乳製品(チーズ・ヨーグルトなど)
- 発酵した豆(納豆や味噌に近いもの)
- 米のとぎ汁
これらの組み合わせにより店ごとの味が変わります。また気温や湿度によっても変わりますが、数日〜数週間以上発酵させます。
この発酵液に木綿豆腐を数日漬けてから調理します。
強烈な匂いを放つ発酵液に漬けているので、あの衝撃的な匂いになるのですが、原材料を見てもわかるように旨み成分もたくさん入っており、「臭いはキツいが食べると意外とうまい」らしいです。
実は筆者もまだ恐怖心があり、食べたことがありません。チャレンジ精神のある人はどうぞ。
屋台の食べ物をテイクアウトすることはできますか?
ほぼ全てテイクアウト可能です。テイクアウトしてホテルでゆっくり食べることもできます。
屋台に限らず、台湾では日本以上にテイクアウト文化が発達しており、街中のどこの飲食店でも対応してくれます。
台湾ではテイクアウトは外帯(wài dài/ワイダイ)、イートインは内用(nèi yòng/ネイヨン)と言います。
テイクアウトの場合はこれを店主に伝えてください。
お酒は売っていますか?
夜市の屋台でアルコール類が販売されていることはほとんどありません。
一杯飲みながら食べたいという場合はコンビニやスーパーで缶ビールなどを購入し、持ち込んでください。

持ち込み不可というお店も稀にありますが、ほとんどの場合は何も言われません。そのままそのお店の料理を食べながらビールを飲んで大丈夫。
もちろん、お茶やジュースなどのペットボトルの持ち込みもほとんどの場合問題ありません。
ただし、持ち込んだ飲料の空き缶などはそのお店のものではないので、持ち帰るかゴミ集積所で捨てましょう。
トイレはありますか?
上述の「夜市」と「観光夜市」で説明してある通り、観光夜市や混雑する夜市ではトイレが整備されていることが多いです。

しかし、道路沿いで営業している夜市では物理的に設置スペースがないこともあり、トイレが整備されていないことが多く、夜市とは関係ない場所でトイレを借りるしかない場合もあります。
例えばコンビニ、スーパー、MRTや台鉄の駅、大きな銀行や郵便局、大きなホテル、ショッピングセンター、公園、公共施設、マクドナルドやスタバ(何か注文しましょう)などの店などにトイレがあることが多いので、こういったところのトイレを借りましょう。
なお、台湾にはコンビニは非常に多いのですが、トイレがないコンビニも多いので注意です。
ゴミ捨てはどうすれば良いですか?
容器や袋、箸などをそこら辺に捨てるようなことは絶対やめてください。ゴミ箱を探しましょう。
観光夜市や大きな夜市ではゴミ箱が設置されていることが多いですが、道路沿いの夜市の場合はそういったゴミ箱がない場合もあります。
ゴミ箱がない場合、一番良いのは購入したお店に返すことです。
それができないのであれば、持ち帰ってホテルなどで捨てるしかありません。
こういうこともあるので、ゴミ袋に使うコンビニなどのビニール袋を持ち歩いていると便利です。
夜市で買ったものはどこで食べるのですか?
食べ歩きして良いです。また、テイクアウトしてホテルなどで食べても良いです。
牛排(ステーキ)など軽食ではないような食べ物の場合は、お店で用意した机と席がありますので、そこで食べてください。

机と席はそのお店ごとに用意してある場合が多いので、例えばA店の食べ物を買った場合はA店の席に座るのは当たり前ですが、その際、B店やC店で買った食べ物も一緒に食べてもほとんどの場合、問題ありません。
また、駐車場を利用したような、街の一区画を使う規模の大きい夜市の場合は、共用の机と席がある場合もあります。
夜市の席はかなり混雑することが多いので、長時間の利用はせず、食べ終わったら席を立ちましょう。
人気の夜市はどこですか?
人気夜市、有名夜市、おすすめ夜市などと検索するといくらでも情報を得ることができます。
その中からあなたが行く予定の地域にある夜市を選べばそう間違いはないと思いますが、人気だからと言って必ずしも多くの人を満足させているかというと、そうでもありません。
人気は実力でも満足度でもなく、メディアにどれだけプッシュされているかにもよるのです。なので、ほとんどのメディアの記事は具体的な指標はなく、ライターの感覚で「人気」とか「おすすめ」を決めているだけです。

そこで、Google Mapのローカルガイドによるクチコミ点数を指標にして、台湾中の夜市を調査した真の実力ベスト10を筆者が調べました。
→ 【台湾夜市ランキング】データで判明!本当に満足できる夜市ベスト10
これは観光客だけでなく、地元民も含めた評価点です。満足度の高い夜市なので、ここに掲載されているところに行けば間違いないと思います。
雨の日でも営業していますか?
雨の日でも営業していますが、大雨になる程出店する屋台は減ります。
ただし、アーケード型や屋内型、あるいは騎楼の下や路面店の屋根の下で営業している夜市は大雨でも基本的には通常営業します。

大雨の日は営業していたとしても夜市の散策も大変なので、このような夜市に行くことをおすすめします。
また、台風などの場合は停班停課になるとほぼ営業停止になります。
停班停課とは?
台風や災害時に県や市の自治体首長の判断で出勤停止、学校の休校を指示すること。
これにより公的な施設や学校などは100%、その指示に従います。民間の施設や学校、店舗、夜市などは自己判断になりますが、多くは同様に営業を停止します。
そもそも停班停課が発表される場合は、かなりヤバイ状況なので、観光客は外出せず、ホテルに閉じこもっているしかありません。
夜市の出店者のビジネスモデルは?
なかなかマニアックな疑問ですが、勝手に好きな夜市に早い者勝ちで場所取りして出店できるわけではありません。
夜市を管理する組織に、場所や広さに応じた賃料を払って出店するのが一般的です。
夜市を管理する組織というのは様々で、公有地や公道の場合は地方自治体政府であることもあれば、駐車場や空き地など民有地の場合は土地所有者や管理会社のこともあります。
一般の道路上の場合は、出店者が自治会的な組織を作り、そこに賃料を払って自主管理する場合や、路霸と呼ばれる勝手に管理するボスのような人(組織)に賃料を払う場合もあります。
路霸とは?
路霸(lù bà/ルーバー)とは一部の夜市の非公式の管理者で、日本で言えば「ショバ代寄越せ」という感じの昔の893屋さん的な存在。
誰も管理しないと場所は早い者勝ちになり、トラブルも発生するため、場所や設備を管理し、トラブルを仲裁し、場合によっては警察と交渉したりもする必要悪な存在です。
何事もゆるい台湾ですが、もちろん法的にはグレーな部分も多く、路霸と近隣住民がトラブルになる場合もあり、自治体政府も排除していく方向にあるため、今後は減っていくと思われます。
なお、賃料は夜市によりますが、1日単位の場合もあれば長期の場合もあります。また、電気、ガス、水道料金が含まれる場合もあります。これらは場所にもよりますし、契約次第。

人気の屋台はチェーン店舗化して、あちこちの夜市に出店したり、やがて路面店を構えるまでに成長することもあります。
ビジネスモデルの成功事例としては、例えば台中市最大夜市である逢甲夜市で屋台を出店していた豪大大雞排は、今や海外含め数百店舗を展開する巨大チェーン店になっています。
夜市にはどのようなタイプがありますか?
分類の仕方は色々あると思います。前述の夜市(通常夜市・一般夜市)と観光夜市もそうです。
また、ちゃんとした言葉があるわけではないですが、例えば固定夜市と流動夜市。
言葉通りの意味ですが、固定夜市は毎日同じ場所で営業、流動夜市は移動型夜市のことで、曜日によって営業場所が変わることがある夜市です。
大雑把に言うと台北など大都市周辺の夜市は固定夜市が多いですが、地方は流動型夜市が多いです。
夜市のメッカである台南市ではその多くが流動夜市で、花園夜市、大東夜市、武聖夜市の台南3大夜市の営業日を月曜日から順に頭文字を取って、大大武花大武花と言って覚えているのが台南人の常識です。
他の分類方法としては、こんな分け方もあるでしょう。
夜市の分類
- 道路沿いの夜市
- 屋内型夜市
- アーケード型夜市
- 街型(商圏型)夜市
- 駐車場や空き地活用夜市
それぞれの名称は決まった名称があるわけではないので適当ですが、意味はわかると思います。
この中でももっと細かく分類すれば、例えば道路沿いの夜市でも車やバイクの通行を通行止めにしてしまう安全な夜市もあれば、そうでない夜市や車だけ通行止めにする夜市もあります。
街型夜市はおそらく最初は道路沿いの夜市の形だったものが発展して、周辺の道路沿いも含まれ、大きな区画を形成しているようなことを想定しています。例えば台中の逢甲夜市。

またそれぞれの複合型夜市もあります。
例えば台北の士林夜市は屋内型+道路沿い型になると思いますし、台南の小北観光夜市は屋内型+アーケード型になるかもしれません。
また、多くの夜市はグルメがメインではありますが、雑貨が多い夜市やゲームや子供用アトラクションが多い夜市などもあります。
台湾の夜市Q&Aまとめ

外食文化が発達し、昼間は暑いこともあって、台湾では夜市という文化が定着しました。
多くの地元民は夜市で夕飯を食べるか、持ち帰って家で食べます。特に独身世帯はアパートにキッチンがない場合も多く、自炊する人は稀です。
そんな夜市は徐々に観光客に知れ渡り、今では積極的に観光客を誘致していこうとする姿勢が見えます。
観光客としては日本にはない夜市の雰囲気を楽しめ、リーズナブルに台湾料理を試すこともできることから、夜の観光の定番となっています。
そんな夜市に関する疑問をまとめました。夜市を詳しく知ることは台湾文化を知ることに繋がります。
台湾に関する知見を深めつつ、楽しい台湾の夜を満喫してください。
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