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悠遊卡・一卡通・愛金卡

悠遊カード
それぞれ日本人は一般的に悠遊カード(悠遊卡)、iPASS(一卡通)、icash(愛金卡)と言う名称で呼んでいます。(以下この名称を使います)
台湾リピーターはほぼ必ずと言っても良いほど1枚は持っている台湾のICカード(電子マネー)。皆さんはどれを持っていますか?
キャシュレス化が急速に進む台湾でも非常に多く普及しているICカードのお話です。
このページではこの3つのカードは何がどう違うのか?どれを持っていれば良いのか?を旅行者の観点から見ていきます。
台湾のICカード4種
実は2022年までは台湾のICカードは4種類が流通していました。
悠遊卡(ヨウヨウカー、ゆうゆうカード、Easy Card) | 台北MRTから全土に普及 |
一卡通(イーカートン、iPASS) | 高雄MRTから全土に普及 |
愛金卡(アイジンカー、icash) | 統一超商が発行。セブンイレブンがメイン |
有銭卡(ヨウチエンカー、HappyCash) | 遠東集団が発行。2022年10月に発行停止 |
これら以外に2023年7月からTPASSという定額の定期券タイプのICカードが導入される予定で、これは悠遊カードや一卡通と一体化もされるようですが、主に通勤通学用なので旅行者の我々には無縁と思われます。
HappyCashは台湾の遠東グループが発行していました。遠東百貨店や遠傳電信などを擁する台湾の巨大企業の一つですが、後発だったこともあり、上位3社の足元にも及ばずに撤退が決まりました。
現在は販売は停止しており、利用店舗も減少中ですが、MRTやコンビニなどではまだ使えるようなので、もし残金が残っているHappyCashをお持ちの方は早めに使い切ってしまった方が良いです。
ICカード(電子マネー)は日本で言えばスイカ、イコカのようなチャージ式のカードで、電車やお店で使うことができます。
以下は残った悠遊カード、iPASS、icashについてお話しします。
台湾ICカードの流通枚数
さて残った台湾3大ICカードですが、最新(2023年2月時点)の流通枚数は下記のようになっています。
悠遊カード | 101,423,820枚 |
iPASS | 33,561,206枚 |
icash | 26,721,039枚 |
出典:金融監督管理委員会儲值卡(原電子票證)重要業務資訊揭露
悠遊カードは1億枚も流通しています。他2社を圧倒していますね。4年ほど前まではiPASSよりicashの方が流通していましたが、ここ数年でiPASSの流通枚数が激増しています。
台湾の人口は2,300万人あまりです。どのカードも人口以上のカードが流通していますが、これには原因があります。
ポイント
- 使い勝手が良いので台湾人だけでなく海外からの観光客も買う
- 人気キャラクターとのコラボ商品などデザインが豊富なのでコレクションする人が増えた
- キャッシュカード、クレジットカード、学生証、図書館カード、公務員証、社員証などとも一体化し国民に浸透している
我々観光客でさえ「悠遊カードは数枚持っている」「3種類を全部持っている」なんていう人もいると思います。また台湾では別の色んなカードと一体化が進んでいます。だからこんなに多いのですね。
台湾ICカードの入手方法
一部の限定カードやコラボカードを除いて100元でカードを入手できます。主に販売しているところは
悠遊カード | 空港、台北・桃園・台中MRT駅、コンビニ |
iPASS | 空港、台北・桃園・台中・高雄MRT駅、コンビニ |
icash | 台北・高雄・桃園MRT駅、セブンイレブン、ハイライフ |
上記のコンビニとは大手4社(セブンイレブン、ファミリーマート、ハイライフ、OKストア)を指します。悠遊カードとiPASSはコンビニで買うこともチャージすることも使うこともできます。
icashはセブンイレブン系の会社が発行していますので、セブンイレブン以外のコンビニではハイライフしか使えません。
ICカードは購入後に現金をチャージして使います。コンビニやMRTの駅でチャージできますが、こちらもicashのみコンビニではセブンイレブンとハイライフでしかチャージできませんのでご注意を。
旅行者にとってはセブンイレブンとハイライフでしか使えないicashはちょっと不便ですね。台湾ではセブンイレブンの次に店舗の多いファミリーマートでは使えないのです。
台湾ICカードが使える交通機関
3大ICカードは旅行者が最も使うであろう台湾鉄道及び台北MRT、桃園MRT、台中MRT、高雄MRT、淡水や高雄のLRTで全て使えます。日本のスイカやイコカのように自動改札でピッとカードをかざすだけでOKです。
猫空ロープウェイはicashは使えません。
バスについては長距離バスも含め悠遊カードとiPASSはほとんどのバスで対応していますが、icashは限られています。
タクシーはicashは現在のところ使えないようです。台湾大車隊(台湾全土をカバーする最大手のタクシー会社)は悠遊カード、iPASSとも使えます。
他のタクシーは悠遊カードは北部中心、iPASSは南部中心に使えるようですが、全てのタクシー会社が対応しているわけではなく、また個人タクシーでは使用できません。
また全国展開をしているレンタサイクルYouBikeは悠遊カード、iPASSとも使えますが、こちらもicashは使えません。
ここでも旅行者にとっての使い勝手という意味ではicashは弱そうです。
台湾3大ICカードの特徴
さて各カードの使い勝手や特徴を考察します。まずは一番人気の悠遊カードです。
悠遊カードの特徴
発行枚数が多く、日本人も多くの人が持っているであろう悠遊カードですが、上述のように公共交通機関やコンビニ以外でも使える場所は多いです。
観光客が利用しそうなチェーン店では例えば
悠遊カードが使える店
- 美廉社(スーパー)
- JASONS(スーパー)
- 全聯福利中心(スーパー)
- 新東洋(お土産)
- 50嵐(ドリンク)
- 八方雲集(食堂)
- 三商巧福(食堂)
- マクドナルド(ファストフード)
- モスバーガー(ファストフード)
上記のようなお店は悠遊カードだけでなく、他のICカードも対応しています。逆に言うと悠遊カードだけ対応しているお店というのも少ないのですが、それでも悠遊カードが使えるお店は多いです。
”悠遊カードとiPASSだけ使える"もしくは”悠遊カードとicashだけ使える"というパターンが多く、"iPASSとicashだけ使える"というパターンが少ないためです。
その他台北駅を中心とした地下街や市場、夜市などでも使えるお店が多いです。また、国立故宮博物院など台北周辺の動物園や美術館などの施設でも使えます。
発祥が台北なのでどちらかと言うと台湾北部に強いICカードと言えます。
現状台湾の3大ICカードの中では最も使用範囲が広く、ICカードを何も持っていないのであればまずは悠遊カードを手に入れましょう。
最新の使用できる場所、店の詳細は公式サイトをご確認ください。
それから悠遊カードの特徴の一つとして沖縄県でも使うことが可能なことがあります。ただしアプリから台湾の電話番号や台湾の銀行口座などを登録した記名式のカードもしくはキャッシュカードなどと一体化されたカードのみなので日本在住者は基本的に使えません。台湾人が沖縄で使うことを想定しています。
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アプリでカード番号を入力すると残高がわかります。いくら残ってたかな?と日本で気になったら確認できます。
iPASSの特徴
iPASSはここ数年で使える場所が大幅に拡大しつつあり、icashの流通枚数を超え、台湾第2のICカードとなっています。
公共交通機関やコンビニを始め上記の「悠遊カードが使えるお店」もiPASSでも使えます。ドラッグストアなど一部使えないお店もありますが、逆に言うとiPASSでしか使えないお店もあったりします。
iPASSは高雄発祥ということもあり、例えば高雄市壽山動物園、駁二芸術特区、台南市美術館、また赤崁楼や安平古堡などでも使えます。台湾南部に強いICカードです。
北部に強い悠遊カード、南部に強いiPASSですが、両者とも弱点をカバーすべく悠遊カードはどんどん南部でも使えるようになってきていますし、iPASSも北部で使用範囲を広げています。
現時点で総合的に見れば悠遊カードが優位ですが、どちらかが使えて、どちらかが使えないという場所やお店は減ってきているのです。
最新のiPASSが使える場所などは下記公式サイトをご参照ください。
なお一卡通MONEYはアプリで電話番号や銀行口座などを登録して使うキャッシュレス決済なので基本的に旅行者は使えません。一卡通儲値卡のマークをご参照ください。
icashの特徴
セブンイレブンを擁する統一超商グループの愛金卡股份有限公司が運営するICカードですので、グループ内企業で使える場所やお店が多いです。
というよりは以前はセブンイレブンやグループ企業でしか使えなかったのです。しかし現在はicash2.0に進化し、他店でも使えるようになりました。
カフェやファーストフード、スーパーなどは悠遊カードやiPASSと同じくらい使えますが、問題はコンビニですね。
コンビニは上述のようにセブンイレブンとハイライフしか使えません。旅行者が最もよく使う場面の一つであるコンビニがファミマやOKストアでは使えないというのは結構致命的です。またバスやレンタサイクルでも使えないところが多いです。
「使えないカードだな」と旅行者の我々は思ってしまいますが、実は現在発行されるicash2.0で記名式のもの(金融機関が発行するクレジットカードやキャッシュカード、デビットカードなど)はセブンイレブンのお買い物などでポイントが貯まる仕組みがあるのです。
なので台湾在住者でセブンイレブンを日常的に使う人には非常に人気があるようです。日本で言えばnanacoのような感じです(nanacoとの互換性はありません)。
最新の使えるお店は下記公式サイトでご確認ください。
まとめ
現在において旅行者に推薦される台湾のICカード(電子マネー)は悠遊カードとiPASSです。
数年前は悠遊カードが圧勝でしたが、iPASSが猛追している状況。短期滞在の旅行者にとってそう大きな差異はないでしょう。
おすすめICカード
- 何もICカードを持っていない人 → 悠遊カードをゲットしましょう
- 既に悠遊カードを持っている人 → iPASSをゲットしましょう
悠遊カードを既に持っているのなら是非iPASSも手に入れましょう。特に台湾南部に行く場合は悠遊カードよりも使える場所は多いです。両方持っていると使える範囲は広がります。
丁度現在(2025年6月まで)台湾では抽選で5000元プレゼントキャンペーンを開催していますが、これで電子マネーを選んだ場合は悠遊カードかiPASSをもらえます。
既に悠遊カードを持っているのなら、どうせならこの時にiPASSをもらって使ってみるのがおすすめです。(なおこのカードは期限付きでチャージはできません)
icashは旅行者にとっては使い勝手が悪く、あまりメリットがありませんのでキャラクターのコラボカードなどのコレクターの人以外は不要です。
悠遊カードもiPASSもicashも全部持っていてもどこでも使えるわけではないです。電子マネー自体に対応していない場所の方が多いです。使えない場所は現金なり、他の決済方法を使いましょう。
台湾では今回紹介したICカードの他にクレジットカード、QRコード決済などのモバイル決済方法があります。キャッシュレスの流れは日本だけでなく台湾でも日進月歩で進んでいます。
それでもまだ現金の用意は必要ですが、使える場所では是非キャッシュレスでいきましょう!
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